傷病手当金は「12か月の標準報酬月額の平均 ÷ 30日 × 2/3」が1日あたりの額
病気やケガで会社を休んだときにもらえる傷病手当金は、給与のおよそ3分の2です。標準報酬月額の平均が30万円の人なら1日あたり6,667円、30日休めば200,010円ほどになります。
- 1日あたりの額 = 支給開始日以前12か月の標準報酬月額の平均 ÷ 30日(10円未満四捨五入)× 2/3(1円未満四捨五入)
- 連続して休んだ最初の3日間は待期といって支給されない。4日目から対象になる
- 支給期間は、支給を開始した日から通算して1年6か月(2022年1月から通算する方式に変わった)
- 休んだ期間に給与が出ているあいだは支給されない。給与のほうが少ないときは差額が支給される
先に確かめてください:この計算の対象になる人
傷病手当金は、勤め先の健康保険(協会けんぽ・健康保険組合)に本人として入っている人の制度です。次のどれかにあてはまる人には、この計算をしても金額は出ません。
- 国民健康保険に入っている人(自営業・フリーランス・退職して国民健康保険に切り替えた人)
- 家族の健康保険の扶養に入っている人
- 勤め先の社会保険(健康保険・厚生年金)に入っていないパート・アルバイト
自分が対象かどうかを表で確かめる(傷病手当金を受け取れる人・受け取れない人)
対象外だった場合に使える制度も、同じページにまとめています。このページの金額は、対象になる人のためのものです。
早見表:標準報酬月額ごとの1日あたりの金額
標準報酬月額(毎月の給与を等級にあてはめた額)の平均が分かれば、下の表で自分の金額が読めます。「30日分の目安」は、1日あたりの額を30倍しただけの数字です。実際には休みはじめの3日間(待期)は支給されないため、最初の1か月はこの表より少なくなります。
| 標準報酬月額の平均 | 30分の1の額 (10円未満四捨五入) | 1日あたりの傷病手当金 | 30日分の目安 |
|---|---|---|---|
| 160,000円 | 5,330円 | 3,553円 | 106,590円 |
| 180,000円 | 6,000円 | 4,000円 | 120,000円 |
| 200,000円 | 6,670円 | 4,447円 | 133,410円 |
| 220,000円 | 7,330円 | 4,887円 | 146,610円 |
| 240,000円 | 8,000円 | 5,333円 | 159,990円 |
| 260,000円 | 8,670円 | 5,780円 | 173,400円 |
| 280,000円 | 9,330円 | 6,220円 | 186,600円 |
| 300,000円 | 10,000円 | 6,667円 | 200,010円 |
| 320,000円 | 10,670円 | 7,113円 | 213,390円 |
| 340,000円 | 11,330円 | 7,553円 | 226,590円 |
| 360,000円 | 12,000円 | 8,000円 | 240,000円 |
| 380,000円 | 12,670円 | 8,447円 | 253,410円 |
| 410,000円 | 13,670円 | 9,113円 | 273,390円 |
| 440,000円 | 14,670円 | 9,780円 | 293,400円 |
| 500,000円 | 16,670円 | 11,113円 | 333,390円 |
| 560,000円 | 18,670円 | 12,447円 | 373,410円 |
| 650,000円 | 21,670円 | 14,447円 | 433,410円 |
計算式の出典: 全国健康保険協会(協会けんぽ)「病気やケガで会社を休んだとき(傷病手当金)」(確認日 2026-08-09)。表の金額は、この計算式にあてはめて当サイトが算出した目安です。
月給しか分からないときの目安
標準報酬月額は、給与の額面(通勤手当や残業代を含む報酬月額)を等級にあてはめた額です。給与明細に書かれていない場合は、下の表でおおよその見当がつきます。実際の等級は会社が年金事務所に届け出た額で決まるため、あくまで概算です。正確な額は、給与明細の健康保険料の欄、ねんきん定期便、会社の担当部署で確認してください。
| 月給の額面 | 標準報酬月額 | 1日あたりの傷病手当金 |
|---|---|---|
| 180,000円 | 180,000円 | 4,000円 |
| 200,000円 | 200,000円 | 4,447円 |
| 230,000円 | 240,000円 | 5,333円 |
| 250,000円 | 260,000円 | 5,780円 |
| 270,000円 | 280,000円 | 6,220円 |
| 300,000円 | 300,000円 | 6,667円 |
| 330,000円 | 340,000円 | 7,553円 |
| 350,000円 | 360,000円 | 8,000円 |
| 400,000円 | 410,000円 | 9,113円 |
| 450,000円 | 440,000円 | 9,780円 |
| 500,000円 | 500,000円 | 11,113円 |
等級表の出典: e-Gov法令検索「健康保険法(大正十一年法律第七十号)」第40条 標準報酬月額等級表(確認日 2026-08-09)。第1級58,000円から第50級1,390,000円までの全50等級のうち、よく使う範囲を抜き出しています。
金額を計算する
計算に入る前に、この計算の対象になる人を確かめてください。勤め先の健康保険に本人として入っていない人(国民健康保険・家族の扶養・社会保険に入っていないパート)には、傷病手当金は出ません。あてはまるかどうかは受け取れる人・受け取れない人で確かめられます。
金額と休む日数を入れると、1日あたりの額・1か月あたりの目安・期間中の合計の目安が出ます。入力した内容はこの画面の中だけで計算していて、どこにも送信していません。
計算の結果(目安)
- 使った標準報酬月額
- 30分の1の額(10円未満四捨五入)
- 1日あたりの傷病手当金
- 1か月(30日)あたりの目安
- 支給の対象になる日数(待期3日を引いた日数)
- 休む期間の合計の目安
健康保険に入っていた期間が12か月に満たないため、320,000円を上限として計算しました。
休んでいるあいだに給与が出るため、傷病手当金からその分を引いた差額で計算しました。給与のほうが多い日は支給されません。
入力された給与が傷病手当金以上のため、この条件では傷病手当金は支給されません。
入力された日数は、支給期間の上限(通算1年6か月)を超えている可能性があります。合計額は上限の日数までで計算しています。
休む日数が待期3日間以下のため、支給の対象になる日がありません。
この結果は、上に書いた計算式にあてはめただけの目安です。実際の支給額・支給日数は、加入している健康保険(協会けんぽ・健康保険組合など)が決定します。
実例で計算してみる
実際の数字を入れて、最後まで計算してみます。いずれも待期3日間を引いたうえでの金額です。
例1:標準報酬月額26万円の人が90日休んだ場合
月給25万円くらい・標準報酬月額26万円の人が、3か月(90日)続けて休んだケースです。
- 12か月の標準報酬月額の平均 = 260,000円
- 260,000円 ÷ 30日 = 8,670円(10円未満四捨五入)
- 8,670円 × 2/3 = 1日あたり 5,780円(1円未満四捨五入)
- 休む90日 − 待期3日 = 支給の対象は 87日
- 5,780円 × 87日 = 合計 約502,860円
例2:標準報酬月額30万円の人が半年(182日)休んだ場合
月給30万円くらい・標準報酬月額30万円の人が、半年ほど療養したケースです。
- 12か月の標準報酬月額の平均 = 300,000円
- 300,000円 ÷ 30日 = 10,000円(10円未満四捨五入)
- 10,000円 × 2/3 = 1日あたり 6,667円(1円未満四捨五入)
- 休む182日 − 待期3日 = 支給の対象は 179日
- 6,667円 × 179日 = 合計 約1,193,393円
例3:標準報酬月額20万円の人が上限いっぱいまで休んだ場合
標準報酬月額20万円の人が、支給期間の上限(通算1年6か月)まで受け取ったケースです。
- 12か月の標準報酬月額の平均 = 200,000円
- 200,000円 ÷ 30日 = 6,670円(10円未満四捨五入)
- 6,670円 × 2/3 = 1日あたり 4,447円(1円未満四捨五入)
- 休む546日 − 待期3日 = 支給の対象は 543日
- 4,447円 × 543日 = 合計 約2,414,721円
この例の546日は、当サイトが「1年6か月 ≒ 365日+181日」と置いた計算上の日数です。協会けんぽが公表しているのは「支給を開始した日から通算して1年6ヵ月」という期間であって日数ではないため、実際に受け取れる日数は暦のとり方で前後します。
どう計算しているか(式と端数処理)
このページの金額は、協会けんぽが公表している式をそのまま使っています。丸め方まで含めて次のとおりです。
1日あたりの額 = 支給開始日以前12か月の標準報酬月額の平均 ÷ 30日 × 2/3
- 支給開始日以前の継続した12か月間の標準報酬月額を平均する
- その額を30で割る。10円未満は四捨五入する
- そこに 2/3 を掛ける。1円未満は四捨五入する
2番と3番の順番が大事です。先に30で割って10円単位に丸めてから2/3を掛けます。先に2/3を掛けると、答えが数円ずれます。
健康保険に入っていた期間が12か月に満たない場合は、次のうち低いほうを使います。
- 支給開始日の属する月以前の、続いている各月の標準報酬月額の平均
- 320,000円(支給開始日が令和7年4月1日以降の場合。令和7年3月31日以前は30万円)
出典:全国健康保険協会(協会けんぽ)「病気やケガで会社を休んだとき(傷病手当金)」(確認日 2026-08-09)
いつから受け取れるか(待期3日間)
病気やケガで仕事を休んだ日から連続して3日間休むと待期が完成し、4日目以降の休んだ日から支給の対象になります。
- 待期の3日間には、土日・祝日などの公休日や有給休暇も含まれます。給与が出ていたかどうかは関係ありません。
- 2日休んで3日目に出勤した場合、待期は完成しません。連続3日間が必要です。
- 勤務時間の途中に仕事以外の理由で体調をくずして働けなくなった場合は、その日が待期の1日目になります。
出典:協会けんぽ「傷病手当金」給付対象(3)連続する3日間を含み4日以上仕事に就けなかったこと(確認日 2026-08-09)
いつまで受け取れるか(通算1年6か月)
支給期間は、支給を開始した日から通算して1年6か月です。
「通算」というのは、途中で職場に戻って給与が出た期間は日数に数えない、という意味です。2022年(令和4年)1月1日から、それまでの「支給開始日から1年6か月が過ぎたら打ち切り」という数え方が改められ、実際に受け取った日数を積み上げて1年6か月分になるまで受け取れるようになりました。休職と復職をくり返す人にとっては、この違いが金額に大きく効きます。
なお、協会けんぽが示しているのは「通算して1年6ヵ月」という期間であって「◯日分」という日数ではありません。このページの合計額は、目安を出すために1年6か月を546日として計算しています(当サイトの計算上の前提)。
出典:協会けんぽ「傷病手当金」給付内容・支給期間(確認日 2026-08-09)
退職したあとも受け取れる場合(資格喪失後の継続給付)
会社を辞めても、次の条件をどちらも満たしていれば、続けて受け取れます。
- 資格喪失の日の前日(退職日など)までに、健康保険の被保険者期間が続けて1年以上あること(任意継続・共済組合・国民健康保険の期間は数えません)
- 資格喪失日の前日に、現に傷病手当金を受けているか、受けられる状態であること
いったん働ける状態になった場合は、そのあとまた働けなくなっても支給されません。ここが分かれ目になります。
退職後も受け取るつもりなら、退職日に出勤しない、申請を退職前から始めておく、といった段取りが大切になります。手続きの順番は傷病手当金・休職のガイドにまとめています。
出典:協会けんぽ「傷病手当金」資格喪失後の継続給付について(確認日 2026-08-09)
受け取れないことがある場合
- 勤め先の健康保険に本人として入っていない:国民健康保険の人、家族の健康保険の扶養に入っている人、勤め先の社会保険に入っていないパート・アルバイトは対象外です。国民健康保険にも「傷病手当金」という言葉は法律にありますが(国民健康保険法第58条第2項)、出すかどうかを市町村や国保組合が条例・規約で決める任意の給付なので、この計算は使えません。自分がどれにあたるかは受け取れる人・受け取れない人で確かめられます。対象外だった場合に使える制度も、そのページにまとめています。
- 仕事中・通勤中のケガや病気:労災保険の対象なので、傷病手当金は出ません。
- 病気とみなされないもの:美容整形などは対象外です。
- 休んでいるあいだに給与が出ている:出ているあいだは支給されません。ただし給与が傷病手当金より少ないときは、その差額が支給されます。
- 任意継続被保険者の期間中に発生した病気・ケガ:傷病手当金は支給されません(退職前から続いている分の継続給付とは別の話です)。
出典:協会けんぽ「傷病手当金」給付対象(1)(4)/e-Gov法令検索「国民健康保険法」第58条第2項(確認日 2026-08-09)
よくある勘違い
「給与の3分の2」だから、月給の3分の2がもらえる?
もとになるのは月給そのものではなく標準報酬月額です。標準報酬月額は等級で決まっているので、月給とぴったり同じにはなりません。また賞与(ボーナス)は標準報酬月額に入らないため、年収に対する割合で見ると3分の2より下がる人が多くなります。
失業保険と同時に受け取れる?
同時には受け取れません。傷病手当金は「働けない人」への給付、失業保険(雇用保険の基本手当)は「働ける状態で職を探している人」への給付で、前提が正反対だからです。働けない状態が続くあいだは、ハローワークで受給期間の延長を申請しておく方法があります。順番は失業保険・給付金のガイドを見てください。
休職中の社会保険料はどうなる?
休職中も健康保険・厚生年金の保険料はかかります。給与が出ないと会社が立て替えることになるため、あとから請求されるのが一般的です。傷病手当金からは保険料が天引きされないので、手元に残る額は計算結果より少なくなる点に注意してください。退職後の切り替えは健康保険・年金の切り替えのガイドにまとめています。
傷病手当金に税金はかかる?
傷病手当金は非課税です。所得税も住民税もかかりません。ただし住民税は前年の所得に対してかかるため、休職中でも前年分の請求は届きます。
申請書は自分だけで書ける?
健康保険傷病手当金支給申請書には、本人が書く欄のほかに、医師が書く欄と会社が書く欄があります。3者がそろわないと出せないため、休みはじめの段階で会社と医療機関に伝えておくと受け取りが早くなります。
出典(一次情報)
このページの制度の内容と数値は、次の一次情報で確認しています。確認日は2026-08-09です。
- 全国健康保険協会(協会けんぽ)「病気やケガで会社を休んだとき(傷病手当金)」
https://www.kyoukaikenpo.or.jp/benefit/injury_and_sickness_allowance/計算式・端数処理・待期3日間・支給期間(通算1年6ヵ月)・12か月に満たないときの上限額・資格喪失後の継続給付 - e-Gov法令検索「健康保険法(大正十一年法律第七十号)」第40条 標準報酬月額等級表
https://laws.e-gov.go.jp/law/211AC0000000070標準報酬月額の全50等級(第1級58,000円〜第50級1,390,000円)と、報酬月額の区分
この計算についてのお断り
- このページの金額は、公表されている計算式にあてはめて出した概算です。実際の支給額・支給日数を決めるのは、あなたが加入している健康保険(協会けんぽ・健康保険組合など)です。
- 健康保険組合によっては、法律の定めに上乗せした独自の給付(付加給付)がある場合があります。その分はこの計算に含んでいません。
- 傷病手当金から社会保険料は差し引かれませんが、休職中も保険料の負担は続きます。手元に残る額は計算結果より少なくなります。
- 個別の判断は、加入している健康保険の窓口(協会けんぽの都道府県支部・会社の健康保険組合)、会社の担当部署、年金事務所にご確認ください。当サイトは判断を代行できません。
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