離職票をやっぱり欲しいと思ったときの対応策
退職した後に離職票が必要になった場合、まずは以前勤めていた会社へ発行を依頼します。離職票は失業保険(雇用保険の基本手当)の申請に欠かせない書類です。この記事では、離職票を改めて請求する際の手順や、会社から届かない場合の対処法をまとめています。
- 会社へ離職票の再発行を依頼する
- 会社が離職票を作成し、ハローワークへ提出する
- ハローワークから本人へ離職票が郵送される
- 離職票が届かない場合は労働局やハローワークに相談する

離職票をやっぱり欲しいと思ったときの受け取り手順
離職票は、会社から届くのを待つのが原則です。ただし、退職後に必要になった場合は、以下の手順で進めます。

- 以前の会社へ連絡し、送付を依頼する
- 会社が対応しない場合は、ハローワークへ相談する
- ハローワークの指示に従い、離職票を受け取る
まずは、以前勤めていた会社へ連絡を入れます。離職票が必要になった旨を伝え、送付を依頼してください。
事業主は、離職票の交付を求めた労働者に対して、離職証明書を交付する義務があります。
事業主は、その雇用していた被保険者が離職したことにより被保険者でなくなつた場合において、その者が離職票の交付を請求するため離職証明書の交付を求めたときは、これをその者に交付しなければならない。 ただし、第七条第一項の規定により離職証明書を提出した場合は、この限りでない。
引用:雇用保険法施行規則 第16条(e-Gov法令検索)
連絡の際は、電話やメールなど記録が残る方法を選ぶと、後の相談時に状況を伝えやすくなります。ただし、会社が倒産している場合などは、直接の依頼が困難なケースもあります。
もし会社が発行に応じない場合は、管轄のハローワークへ相談してください。ハローワークには、会社へ離職証明書の提出を求める権限があります。
ハローワークの窓口では、会社名や退職日、連絡先などの情報を伝えます。状況に応じて、ハローワークから会社へ指導が行われる仕組みです。ただし、手続きには時間がかかる場合があります。
離職票が届いたら、記載内容に間違いがないか確認しましょう。特に「離職理由」や「賃金」の項目は、失業保険の受給額や期間に影響します。
内容に誤りがある場合は、早めにハローワークへ相談してください。会社へ修正を依頼するか、ハローワークを通じて手続きを進めることになります。ただし、訂正内容はハローワークが事実関係を調査して判断します。
離職票が揃ったら、ハローワークで基本手当の受給手続きを行います。手続きには、本人確認書類やマイナンバーを確認できる書類、写真などが必要になる場合があります。写真は、手続きのたびにマイナンバーカードを提示すれば省略できます。
事前にハローワークの窓口やホームページで、準備すべきものを見ておくとスムーズです。ただし、状況により追加書類を求められることもあります。
受給手続き後は、待期に加え、給付制限がある場合はその期間を経て、認定された失業日が支給対象になります。手続きの進め方については、こちらの記事も参考にしてください。
離職票の受け取りと失業保険の手続きにかかる期間
離職票が手元に届いたあとの流れと、手続きにかかる期間の目安をまとめました。

失業保険の受給には、離職票の受け取りから手続き完了まで、いくつかの段階があります。
それぞれの段階で、どのくらいの期間を見込んでおけばよいか確認してください。
| 段階 | 内容 | 期間の目安 |
|---|---|---|
| 1. 離職票の到着 | 会社から自宅へ届く | 退職後、数週間程度 |
| 2. 受給手続き | ハローワークへ行く | 離職票到着後、速やかに |
| 3. 待期期間 | 失業状態の確認 | 求職の申し込みから7日間 |
| 4. 給付の開始 | 基本手当の支給 | 待期期間の終了後 |
待期期間(失業の状態にあることが確認される期間)については、雇用保険法に定めがあります。
受給資格者が、ハローワークで受給資格の決定を受けた日から、失業している日が通算して7日に満たない間は、基本手当は支給されません。
基本手当は、受給資格者が当該基本手当の受給資格に係る離職後最初に公共職業安定所に求職の申込みをした日以後において、失業している日(疾病又は負傷のため職業に就くことができない日を含む。)が通算して七日に満たない間は、支給しない。
引用:雇用保険法 第21条(e-Gov法令検索)
待期期間の終了後、失業の認定を受けることで、ようやく給付の対象となります。
自己都合による退職の場合、原則として1か月の給付制限期間が設けられます。
ただし、離職日前5年間に正当な理由のない自己都合退職による受給資格決定を2回以上受けている場合は、3か月となるため注意が必要です。
失業の認定は、通常4週間の間隔で行われます。
認定を受けた後、実際に基本手当が振り込まれるまでは、5営業日程度かかります。
なお、基本手当日額には2,562円の下限額が設定されています。
具体的なスケジュールは、管轄のハローワークによって判断されるため、事前の確認が重要です。
手続きのタイミングや詳細については、お住まいの地域のハローワークへ相談してください。
離職票の役割と次に確認すべき書類
離職票は、離職後の状況に合わせて、次に進めるべき手続きを判断するための重要な書類です。離職理由や雇用保険の加入期間などが記載されており、給付の種類を左右します。

書類の内容によって、準備すべきものや窓口が異なります。ご自身の現在の状況に合わせて、以下の表で確認すべき事項を整理しました。
| いまの立場 | 扱い | 次に見るところ |
|---|---|---|
| 正社員 | 離職して失業給付を待つ場合 | ハローワークでの求職申込 |
| 契約社員 | 契約満了などで離職した場合 | ハローワークでの求職申込 |
| パート・アルバイト | 離職して失業給付を待つ場合 | ハローワークでの求職申込 |
| 休職中で在籍している人 | 雇用保険の資格は継続 | 傷病手当金の受給要件 |
| 退職して任意継続を選んだ人 | 健康保険の資格を継続 | 保険料の支払い方法 |
| 退職して国民健康保険に入った人 | 新しい保険の加入手続き | 市区町村の保険料納付書 |
| 家族の扶養に入った人 | 健康保険の被扶養者認定 | 扶養認定に必要な書類 |
| 産前産後・育児休業の人 | 休業中の社会保険料 | 免除の手続き状況 |
表の「次に見るところ」は、離職票の受け取り後に検討が必要となる事項の例です。状況により、管轄のハローワークや市区町村の窓口へ確認が必要な内容が異なります。
離職票が届いたら、記載されている離職理由が事実と相違ないかを確認してください。もし内容に誤りがある場合は、会社へ修正を依頼するなどの対応が必要になることがあります。
例えば、自己都合退職として記載されているが、実際には会社都合であった場合などは、給付制限の期間が変わる可能性があります。
ただし、離職理由は会社の記載だけで決まらず、本人の主張や資料も確認したうえでハローワークが判定します。
また、健康保険の手続きについても注意が必要です。任意継続を選択する場合や、国民健康保険へ切り替える場合など、離職後の生活設計に合わせて適切な窓口へ相談してください。
離職票は、失業給付の受給だけでなく、各種社会保険の手続きにおいても、離職日を証明する根拠として活用されるケースがあります。手元に届いたら、速やかに内容を精査しましょう。
会社から離職票が届かないときの相談先
離職票が届かない原因には、会社側の事務手続きの遅れや、書類の紛失などが考えられます。
まずは、状況に応じて以下の窓口へ順に確認を進めてください。

会社へ直接連絡して解決を図る場合
まずは、以前勤めていた会社の総務部や人事部などの担当部署へ連絡する手順があります。
離職票が必要な旨を伝え、いつ頃に届く予定かを確認してください。
会社側で手続きが滞っている場合や、郵送の手配が漏れている可能性があります。
手続きの進捗状況を改めて確認してもらうよう依頼しましょう。
ただし、離職理由の記載内容などで会社と争いが生じる場合は、弁護士へ相談してください。
ここでは、会社との交渉を代行することはできません(弁護士法72条)。
公的な窓口へ相談する場合
会社へ連絡しても状況が変わらないときは、管轄のハローワークへ相談してください。
ハローワークは、雇用保険に関する手続きを管理している機関です。
離職票の交付を求めるための具体的な方法について、アドバイスを受けられます。
会社に対して、ハローワークから指導が行われることもあります。
会社が離職票の交付を拒んでいる場合も、ハローワークが窓口となります。
雇用保険法施行規則上、離職票を交付するのはハローワークであり、会社は離職証明書の提出等を行います。
参考:雇用保険法施行規則 第16条(e-Gov法令検索)|e-Gov法令検索
要件を満たせば、ハローワークを通じて手続きを進めることが可能です。
相談の際は、会社へいつ、どのような連絡をしたかを整理しておくとスムーズです。
また、離職票の記載内容(離職理由など)に納得がいかない場合も、併せて相談しましょう。
会社が手続きを怠っていることが判明すれば、ハローワークから是正の指導が入ります。
ハローワークでは、離職理由の確認作業も行っています。
例えば、自己都合退職として記載されているが、実際には会社都合であった場合などは、給付制限の期間が変わる可能性があります。
事実関係を整理した上で、窓口へ相談してください。
離職票に関するよくある勘違い
離職票が手元になければ、失業給付の手続きはできませんか?
いいえ、離職票が届く前でも、ハローワークで相談できる場合があります。
会社が発行を遅らせている場合、ハローワークから状況を確認してもらえるためです。
ただし、最終的な給付判定には離職票の情報が必要になります。まずは窓口へ相談しましょう。
離職票を紛失してしまったら、もう一度会社に請求しなければなりませんか?
会社へ再発行を依頼する前に、まずはハローワークへ確認することをおすすめします。
離職票を交付したハローワークへ、本人が再交付を申請できるためです。
状況によっては、会社を通さずに手続きが進められることもあります。
離職票の記載内容が間違っていたら、自分で修正できますか?
いいえ、離職票の内容を本人が書き換えることはできません。
離職証明書は会社が作成し、それに基づいてハローワークが離職票を交付するからです。
記載内容に誤りがある場合は、資料を用意して速やかにハローワークへ異議を申し出てください。ただし、修正には日数を要する場合もあります。
離職票が届くのを待っていれば、自動的に手続きは進みますか?
いいえ、書類が届いたあとに、ご自身でハローワークへ行く必要があります。
離職票はあくまで手続きに必要な書類であり、申請は本人が行うものです。
書類が手元に届いたら、速やかに管轄のハローワークへ向かってください。
会社から離職票を請求しても、拒否されることはありますか?
いいえ、会社が必要な離職証明書の交付を拒むことは、法律上認められていません。
雇用保険のルール上、離職票を交付するのはハローワークで、会社は必要な届出等を行います。
もし会社が応じない場合は、ハローワークへ相談してください。適切な対応を求める指導が行われることがあります。
離職票はいつまでに受け取るべきか
離職者本人について、離職票を「退職後いつまでに受け取らなければならない」とする一律の法定期限はありません。ただし、失業給付を希望するなら、期限がないからと放置せず、退職後できるだけ早く受け取る必要があります。
会社には、雇用保険の資格喪失届と必要な離職証明書を、被保険者でなくなった日の翌日から10日にハローワークへ提出する期限があります。この期限は会社の届出期限であり、本人宅への到着期限ではありません。それでも、厚生労働省は、離職票の交付を希望しているのに会社の提出期限を過ぎても届かない場合、まず会社へ処理状況を確認し、手続きが進まないときは住居所を管轄するハローワークへ早めに相談するよう案内しています。
参考:Q&A~労働者の皆様へ(基本手当、再就職手当)~|厚生労働省
また、基本手当を受けられる期間は、原則として離職日の翌日から1年です。離職票の受け取りや求職申込みが遅れると、受給資格があっても所定給付日数の全部を受け取れないことがあります。そのため、「やっぱり欲しい」と思った時点で会社へ依頼し、届いたら速やかに受給手続きを始めるのが安全です。
参考:雇用保険の具体的な手続き|厚生労働省・ハローワークインターネットサービス
病気、けが、妊娠、出産、育児などですぐに働けない場合は、受給期間を延長できることがあります。離職票を待ったままにせず、延長の対象や申請方法もハローワークへ確認してください。
まとめ
離職票の受け取りについて、大切なポイントを整理しました。
- 離職票は、会社から届くのを待つのが原則です。
- 会社へ連絡して、いつ頃届く予定かを確認してください。
- 会社が必要な離職証明書の交付や届出等に応じない場合は、ハローワークへ相談してください。
- 会社が応じない場合は、ハローワークへ相談してください。
- 離職票が手元になくても、ハローワークで手続きが進む場合があります。
- 最終的な給付の判定には、離職票に記載された情報が必要になります。
離職票の受け取りや、その後の手続きについては、離職票に関する書類の解説もあわせて確認してください。ただし、会社側の事務手続きの状況により、届くまでに時間がかかる場合もあります。
失業給付の手続きを進める際は、失業給付の手続きの流れも参考にしてください。手続きの際は、管轄のハローワークへ事前に相談することをおすすめします。
この記事の根拠(本文内9か所・台帳8項目・一次資料6件)
制度の数値(台帳から出しています)
- 待期期間7日時点:令和8年8月1日確認:2026-08-10厚生労働省|ハローワークインターネットサービス|雇用保険の具体的な手続き
- 自己都合の給付制限(原則)1か月時点:令和8年8月1日確認:2026-08-10厚生労働省|令和7年4月以降に教育訓練等を受ける場合、給付制限が解除され、基本手当を受給できます
- その退職を除く直前5年間に正当な理由のない自己都合退職が2回以上ある場合の給付制限3か月時点:令和8年8月1日確認:2026-08-10厚生労働省|令和7年4月以降に教育訓練等を受ける場合、給付制限が解除され、基本手当を受給できます
- 失業の認定の間隔4週間時点:令和8年8月1日確認:2026-08-10厚生労働省|ハローワークインターネットサービス|雇用保険の具体的な手続き
- 認定日から振込までの日数5営業日時点:令和8年8月1日確認:2026-08-10厚生労働省|ハローワークインターネットサービス|雇用保険の具体的な手続き
- 基本手当日額の下限額(全年齢)2,562円時点:令和8年8月1日確認:2026-08-10厚生労働省|雇用保険の基本手当(失業給付)を受給される皆さまへ[PDF]
- 雇用保険 資格喪失届の提出期限(会社が出すもの)10日確認:2026-08e-Gov法令検索|雇用保険法施行規則 第7条(被保険者でなくなつたことの届出)
- 基本手当の受給期間(離職日の翌日から・原則)1年時点:2026-08確認:2026-08-19e-Gov法令検索(デジタル庁)|雇用保険法 第20条第1項第1号(支給の期間及び日数)
一次資料
- 厚生労働省|ハローワークインターネットサービス|雇用保険の具体的な手続き
- 厚生労働省|令和7年4月以降に教育訓練等を受ける場合、給付制限が解除され、基本手当を受給できます
- 厚生労働省|雇用保険の基本手当(失業給付)を受給される皆さまへ[PDF]
- e-Gov法令検索|雇用保険法施行規則 第16条(e-Gov法令検索)
- 厚生労働省|Q&A~労働者の皆様へ(基本手当、再就職手当)~
- e-Gov法令検索(デジタル庁)|雇用保険法 第20条第1項第1号(支給の期間及び日数)
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