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退職代行には、労働組合が運営するものと弁護士が担当するものがあります。組合が運営するサービスでは、組合員として団体交渉の形で会社と話し合える場合があります(労働組合法第6条)。ただし、訴訟や損害賠償の請求など法律事務にあたるものは弁護士に限られます(弁護士法第72条)。利用する前に、運営しているのがどこか、組合への加入がどうなるかを確かめてください。
有給休暇を残したまま退職するための手順と期限
有給休暇が残っている状態で退職を考えている労働者の方へ、残った日数をすべて使い切って退職するための進め方を解説します。退職日を決めるタイミングや、会社との調整、期限について確認しましょう。
- 退職日を決める前に、残っている有給休暇の日数を確認する
- 有給休暇の消化期間を逆算して退職日を設定する
- 会社へ退職の意思と有給消化の希望を伝える
- 会社との合意に基づき、最終出勤日と退職日を確定させる

有給休暇をすべて使い切って退職するまでの流れ
有給休暇をすべて消化して退職する場合、事前の計画が重要です。退職日を決める前に、まずはご自身が保有している残日数を正確に把握しましょう。

- 残っている有給休暇の日数を確認する
- 退職日と休暇のスケジュールを調整する
- 会社へ退職の意思と休暇取得の予定を伝える
- 休暇期間に入る前に業務の引き継ぎを完了させる
- 退職日を迎える
有給休暇の付与日数や、会社が取得を促す義務については、以下の表にまとめています。
| 項目 | 日数 | 条件・備考 |
|---|---|---|
| 最初の付与日数 | 10労働日 | 継続勤務6か月・出勤率8割以上 |
| 1回の法定付与日数の上限 | 20労働日 | 勤続6年6か月以上の場合 |
| 時季指定義務の対象となる日数 | 10労働日 | 法定付与日数の基準 |
| 使用者が取得させる必要がある日数 | 5労働日 | 基準日から1年以内 |
(もとにした一次情報:厚生労働省)
付与される日数は勤続年数によって異なります。ただし、週の所定労働時間が30時間未満で、週の所定労働日数が4日以下または年間所定労働日数が216日以下の場合は、比例付与の対象となります。
有給休暇の請求権には時効があります。付与日から2年を経過すると時効となるため、退職前に使い切る計画を立てましょう。ただし、未使用分は翌年度へ繰り越せます。
具体的な手順として、まずは就業規則や給与明細などで残日数を確認してください。次に、退職希望日から逆算して休暇期間を決めます。
会社への申し出は、業務の引き継ぎ期間を考慮して早めに行うのがスムーズです。民法第627条第1項では、期間の定めのない雇用の場合、解約の申入れから2週間を経過することで雇用が終了します。
参考:民法|e-Gov法令検索
休暇期間中に業務が滞るとトラブルの原因になりかねません。後任者へのマニュアル作成や、関係各所への連絡を休暇前に完了させておきましょう。ただし、会社との調整が必要な場合もあります。
もし会社との調整が難航する場合は、労働基準監督署などの公的な相談窓口へ確認することも検討してください。退職の意思表示と休暇取得のタイミングは、就業規則の定めに従うのが一般的です。
なお、退職日当日に有給休暇を消化する「当日消化」についても、法律上は可能です。ただし、会社側から業務上の都合による「時季変更権」が行使される可能性もゼロではありません。
円満な退職を目指すなら、引き継ぎの完了時期と休暇期間が重ならないよう、余裕を持ったスケジュールを組むことが大切です。就業規則に退職の申し出期限が定められている場合は、必ず事前に確認しましょう。
退職日を決めるタイミングと、有給消化の期限
有給休暇をすべて使い切るには、退職日をいつにするかが重要です。退職日を過ぎると、その会社での有給休暇の権利は消滅します。

未使用分は翌年度へ繰り越せますが、付与日から 2年 で時効となります。期限を過ぎると失効するため注意が必要です。
有給休暇が付与される条件を整理しました。ご自身の働き方が以下の条件に当てはまるか確認してください。
| 項目 | 条件 | 備考 |
|---|---|---|
| 出勤率 | 80% | 全労働日のうち、一定割合以上の出勤が必要 |
| 付与日数(比例付与) | 週の所定労働時間が30時間未満で、かつ週の所定労働日数が4日以下 | 週の所定労働時間が30時間未満かつ、週の所定労働日数が4日以下の場合 |
(もとにした一次情報:厚生労働省)
比例付与の対象となる方は、通常の労働者とは日数の計算方法が異なります。ただし、週30時間以上、週5日以上、または年間217日以上のいずれかに該当する場合は通常の労働者と同じ扱いです。
また、会社には年次有給休暇を確実に取得させる義務があります。法定付与日数が 10労働日 以上の労働者が対象です。
使用者は、基準日から1年以内に 5労働日 間の有給休暇を労働者に取得させなければなりません。ただし、労働者が自ら取得した日数は年5日から控除され、5日以上取得済みなら使用者による時季指定は不要です。
退職日を決める際は、残日数と消化期間をあらかじめ計算しましょう。期間の定めのない雇用契約の場合、民法では退職の申入れから 2週間 で雇用が終了します。
ただし、就業規則で退職の申し出期限が定められている場合もあります。まずは自社の規定を確認し、残っている有給休暇の総数も正確に把握してください。
最後に、退職日と有給消化期間をセットにして会社へ伝えます。引き継ぎ期間を考慮し、余裕を持ったスケジュールを提示することが、円滑な退職につながります。
有給休暇を計画的に消化するための具体的な手順
まずは、現在の正確な残日数を確認しましょう。給与明細や社内の勤怠管理システムで、あと何日使えるかを確認します。

次に、退職日までのスケジュールを立てます。業務の引き継ぎに必要な期間と、使いたい休暇の日数を合わせます。
未使用分は翌年度へ繰り越せますが、繰り越せるのは前年度分のみです。ただし、付与日から2年で時効となるため、注意が必要です。
計画を立てる際は、以下の表を参考にしてください。ご自身の現在の状況に合わせて、確認すべき項目を整理しています。
| いまの立場 | 扱い | 次に見るところ |
|---|---|---|
| 正社員 | 雇用契約に基づき勤務 | 残日数の確認と退職交渉 |
| 契約社員 | 契約期間が決まっている | 契約満了日と残日数 |
| パート・アルバイト | 労働時間に応じた付与 | 比例付与の日数確認 |
| 休職中で在籍している人 | 雇用関係は継続中 | 復職時期と休暇の兼ね合い |
| 退職して任意継続を選んだ人 | 健康保険の資格を継続 | 保険料の支払い方法 |
| 退職して国民健康保険に入った人 | 新しい保険への加入 | 保険料の納付方法 |
| 家族の扶養に入った人 | 被扶養者として加入 | 扶養認定の条件 |
| 産前産後・育児休業の人 | 休業期間中の扱い | 休業終了後の復職計画 |
(もとにした一次情報:厚生労働省)
計画が立てられたら、会社へ相談します。業務への影響を考え、早めに伝えることがスムーズな調整につながります。
退職の申入れから雇用が終了するまでの期間は、期間の定めのない雇用契約であれば民法に基づき2週間となります。ただし、就業規則で定められた期間がある場合もあります。
もし会社との調整でトラブルになり、法的な判断が必要な場合は、弁護士へ相談してください。ここでは扱えません(弁護士法72条)。
労働条件の確認や、具体的な取得方法については、以下の資料も参考にしてください。
なお、週の所定労働時間が30時間未満で、週所定労働日数が4日以下、または週以外の期間で所定労働日数を定める場合に年間所定労働日数が216日以下であれば、比例付与の対象となります。週の所定労働時間が30時間未満で、かつ週の所定労働日数が4日以下
また、会社側には、法定の年次有給休暇が10労働日付与される労働者に対し、年5日の時季指定義務があります。
退職時に残日数がある場合、会社が「時季変更権」を行使して取得日をずらすことは、退職予定がある状況では実質的に困難です。ただし、会社との合意形成は重要です。
万が一、会社から有給休暇の取得を拒否されたり、不当な扱いを受けたりした場合は、労働基準監督署の相談窓口へ連絡することを検討してください。
会社と有給休暇の調整がうまくいかないときの相談先
会社との話し合いで、有給休暇の消化について意見が合わないことがあります。
「業務が忙しいから休ませられない」と拒否されるケースです。

有給休暇は、労働者が希望する日に取得できる権利です。
ただし、会社には「時季変更権」という、取得日を変更させる権利があります。
しかし、退職が決まっている場合は、時期をずらすことが難しい場合が多いです。
変更先となる所定労働日が退職日までにない場合、退職日以降への変更はできないため、時季変更権は行使できません。
会社との話し合いで解決を目指す場合
まずは、会社に対して、有給休暇の取得を希望する旨を改めて伝えます。
その際、残っている日数の根拠を提示すると、話が進みやすくなります。
例えば、雇入れの日から6か月勤務し、出勤率が80%以上であれば、最初の休暇が付与されます。
もし、会社が「有給休暇は与えられない」と主張する場合、ルールに反している可能性があります。
社内の相談窓口や、人事部門へ改めて確認することも一つの方法です。
また、有給休暇の請求権には時効がある点にも注意してください。
付与日から2年経過すると、権利が消滅してしまいます。
ただし、未使用分は翌年度へ繰り越せますが、時効の経過には注意が必要です。
公的な窓口へ相談する場合
会社とのやり取りが困難なときは、労働局などの公的な窓口を利用できます。
労働局には、労働問題に関する相談を受け付ける「総合労働相談コーナー」が設置されています。
相談窓口では、現在の状況を整理し、どのような対応が可能かを教えてもらえます。
具体的な解決に向けたアドバイスを受けることが可能です。
なお、会社側には、年5日の有給休暇を確実に取得させる義務があります。
これは、法定の年次有給休暇が10労働日以上付与される労働者が対象です。
もし会社がこの義務を果たしていない場合は、相談の際に重要な情報となります。
ただし、労働者自身の請求、計画年休、会社の時季指定による取得が合計5労働日に達している場合は、追加の指定は不要です。
個別の紛争解決や損害賠償などの法的判断を求める場合は、弁護士へ相談してください。
労働局は、あくまで助言や指導、あっせんなどを行う機関です。
有給休暇と退職に関するよくある勘違い
退職が決まったら、残っている有給休暇はすべて消化できると考えてよいですか。
原則として、労働者が希望する時期に取得できます。ただし、会社には「時季変更権」が認められています。
退職日が決まっている場合、会社が取得時期をずらすことは実質的に困難です。ただし、退職日までに変更先となる所定労働日がなければ、業務に支障があっても時季変更権は行使できません。
円滑な引き継ぎを行い、トラブルを防ぐためにも、早めに会社側と日程を調整しましょう。
有給休暇の残日数について、会社が間違った数字を提示していても、そのまま受け入れるべきですか。
いいえ、正しい日数を確認するために、ご自身でも記録を照らし合わせる必要があります。
会社側の管理日数と自身の把握している日数が異なる場合は、根拠となる記録を提示して確認してください。
給与明細や勤怠管理システムの記録、あるいは自身のメモなどが確認の助けになります。
退職後に、残っていた有給休暇の分を「お金」として請求することはできますか。
法律で、会社に有給休暇を買い取る義務があるわけではありません。原則として休暇として消化するものです。
ただし、会社の就業規則に「退職時の未消化分を買い取る」という規定がある場合は、そのルールに従って支払われることがあります。
規定がない限り、会社に支払いを強制することはできません。事前に就業規則を確認しておきましょう。
有給休暇の権利は、一度失効しても、その後すぐにまた新しく発生しますか。
いいえ、有給休暇の請求権には時効があります。付与日から 2年 で時効により消滅します。
退職によって雇用関係がなくなると、その時点で新しい有給休暇が付与されることもありません。
有給休暇を残したまま退職するときの手順
有給休暇を残して退職するための特別な申請や、権利を放棄する書類は法律上定められていません。有給休暇は在職中の労働日に取得する制度であり、取得を請求しないまま退職日を迎えると、残日数があっても退職後には請求できなくなります。
手続きは、通常の退職手続きと併せて次のように進めます。
- 勤怠管理システム、給与明細、人事担当者への確認により、退職日時点で残る見込みの日数を把握する
- 有給休暇を取得する日を指定せず、就業規則や雇用契約に沿って退職希望日を会社へ申し出る
- 最終出勤日、引き継ぎ、貸与品の返却、退職日までの勤務予定を会社と確認する
- 未消化分の取扱いについて、就業規則や労働契約に買上げなどの定めがないか確認する
- 退職日と最終給与の明細を保存し、残日数が給与へ反映される扱いかを書面やメールで確認する
会社は、年5日の取得義務の対象となる場合を除き、労働者から取得の請求がない有給休暇を、退職前に必ず消化させる義務はありません。また、退職によって消滅する未消化分を会社が任意に買い上げることはありますが、法律上の買上げ義務はありません。したがって、就業規則などに支給の定めがなければ、残日数に相当する金銭が当然に支払われるものとして退職手続きを進めないことが大切です。
なお、残した日数を次の勤務先へ引き継ぐこともできません。同じ会社との雇用関係が続く配置転換や在籍出向などとは異なり、退職によって雇用関係が終了すれば、その会社に対する有給休暇の権利も終了します。少しでも取得したい場合は、退職後ではなく、必ず退職日より前の所定労働日について会社へ請求してください。
まとめ
有給休暇をすべて使い切って退職するためのポイントをまとめました。
- 残日数と退職日を照らし合わせ、業務の引き継ぎ期間を含めた計画を立てましょう。
- 退職の申入れから雇用終了までの期間は、民法上は2週間です。ただし、就業規則で定められた期間に従う必要がある場合もあります。
- 会社に有給休暇を買い取る法的義務はありません。ただし、就業規則に規定があれば、未消化分が支払われる可能性があります。
- 有給休暇の権利は、付与日から2年で時効となります。未使用分は翌年度へ繰り越せますが、時効を過ぎると消滅します。
- 会社との調整が難航し、希望通りに消化できない場合は、労働基準監督署などの公的機関へ相談することも検討してください。
退職の手続きや、あわせて確認しておきたい制度については退職の手続きや有給休暇のページにまとめています。
この記事の根拠(本文内22か所・台帳9項目・一次資料7件)
制度の数値(台帳から出しています)
- 通常の労働者に最初に付与される年次有給休暇の日数10労働日時点:2026-04-01確認:2026-08-18厚生労働省|年次有給休暇とはどのような制度ですか
- 通常の労働者に対する1回の法定付与日数の上限20労働日時点:2026-04-01確認:2026-08-18厚生労働省|年次有給休暇をとる条件は?
- 使用者の時季指定義務の対象となる法定付与日数10労働日時点:2026-04-01確認:2026-08-18厚生労働省|年次有給休暇の時季指定(労働者向け)
- 使用者が1年以内に確実に取得させる必要がある年次有給休暇の日数5労働日時点:2026-04-01確認:2026-08-18厚生労働省|年次有給休暇の時季指定(労働者向け)
- 年次有給休暇の請求権の時効2年時点:2026-04-01確認:2026-08-18厚生労働省|年次有給休暇権の時効は?
- 退職の申入れから雇用が終了するまでの期間(期間の定めのない雇用)2週間時点:2026-07確認:2026-07-26e-Gov法令検索(デジタル庁)|民法 第627条(期間の定めのない雇用の解約の申入れ)
- 年次有給休暇が付与される出勤率の下限80%時点:2026-04-01確認:2026-08-18厚生労働省|年次有給休暇をとる条件は?
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- 年次有給休暇が最初に付与されるまでの継続勤務期間6か月時点:2026-04-01確認:2026-08-18厚生労働省|年次有給休暇とはどのような制度ですか
一次資料
- 厚生労働省|年次有給休暇とはどのような制度ですか
- 厚生労働省|年次有給休暇をとる条件は?
- 厚生労働省|年次有給休暇の時季指定(労働者向け)
- 厚生労働省|年次有給休暇権の時効は?
- e-Gov法令検索(デジタル庁)|民法 第627条(期間の定めのない雇用の解約の申入れ)
- 大阪労働局|退職金等について
- 長野労働局|労働条件ハンドブック
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