PR本記事にはプロモーションが含まれます(現時点で成果報酬の契約はありません)
退職代行には、労働組合が運営するものと弁護士が担当するものがあります。組合が運営するサービスでは、組合員として団体交渉の形で会社と話し合える場合があります(労働組合法第6条)。ただし、訴訟や損害賠償の請求など法律事務にあたるものは弁護士に限られます(弁護士法第72条)。利用する前に、運営しているのがどこか、組合への加入がどうなるかを確かめてください。
退職を引き止められたときに、どのように意思を伝えればよいか
退職を申し出たあとに会社から引き止められた場合、どのように断ればよいか迷う方は少なくありません。この記事では、在職中のまま退職を進めたい方が、円満かつ確実に意思を伝えるための具体的な文面や、退職届の正しい書き方をまとめています。
- 退職の意思は明確に伝えることが大切です
- 引き止められても退職の権利は失われません
- 状況に応じた適切な文面を用意しましょう

退職を引き止められたときの伝え方と文面
退職の意思を伝えたあとに引き止められたときは、決意が揺らいでいると誤解されないことが大切です。

引き止めへの対応は、相手の提案に乗るか、意思を貫くかで分かれます。
もし、すでに退職を決めているのであれば、理由を詳しく話しすぎない方法が有効です。
理由を細かく伝えると、会社側から「その問題なら解決できる」と、さらなる引き止めを受けることがあります。
「一身上の都合」という言葉を使い、意思が変わらないことを伝えるのが一つの方法です。ただし、転職先が決まっている場合などは、具体的な理由を伏せつつも、決定事項であることを強調しましょう。
以下に、引き止められた際に使える文面の例をまとめました。
対面で話す場合や、メールで送る際の参考にしてください。
【対面で伝える場合の文面例】
「お気遣いいただきありがとうございます。ですが、すでに決めたことですので、意思は変わりません。退職の準備を進めさせていただけますでしょうか。」
【メールで伝える場合の文面例】
「お話しいただいた条件については検討いたしましたが、お受けすることはできません。一身上の都合により、予定通り退職させていただきたく存じます。何卒ご理解いただけますようお願い申し上げます。」
もし、会社との話し合いがスムーズに進まず、法的なトラブルに発展しそうな場合は、交渉の権限がある弁護士へ相談してください。退職代行サービスの中には、会社との交渉を行えるものと、行えないものがあります。
交渉が必要な事案は、弁護士のほか、労働組合が団体交渉として扱える場合もあります。労働基準監督署などの公的機関は、個別の退職交渉を代行してくれるわけではない点に注意が必要です。
退職の意思表示については、民法でも定められています。
当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から二週間を経過することによって終了する。
引用:民法 第627条第1項(e-Gov法令検索)
ただし、就業規則に「退職の○か月前までに申し出ること」といった規定がある場合、会社側からその遵守を求められることがあります。円満な退職を目指すなら、まずは自社の規定を確認しましょう。
未払い分の請求など、会社との交渉が要る場合は弁護士へ。ここでは扱えません(弁護士法72条)。
退職届の正しい書式と記載する項目
退職の意思を伝える手段として、退職届を提出する方法があります。
書式について法律で細かく定められたルールはありません。

ただし、会社の就業規則で指定の用紙や書き方が決まっている場合があります。
まずは、社内の規定を確認することが大切です。
一般的な書式で作成する場合の項目をまとめました。
以下の表を参考にしてください。
| 項目 | 書く内容 | 注意点 |
|---|---|---|
| 宛名 | 会社名、代表者名 | 役職名まで正確に書きます |
| 提出日 | 退職届を出す日付 | 実際に提出する日を書きます |
| 退職日 | 退職する予定の日 | 会社と合意した日付を書きます |
| 理由 | 一身上の都合 | 詳細な理由は書かなくてよいです |
| 署名 | 自分の氏名 | 自筆で書くのが一般的です |
退職届は、会社に対して「退職する」という意思を記録として残すための書類です。
口頭でのやり取りと違い、後から「言った、言わない」のトラブルを防ぐ役割があります。
記載内容に誤りがあると、離職票の発行や社会保険の手続きが遅れる原因になります。
提出前に、日付や氏名に間違いがないか、事前の確認が要ります。
宛名については、原則として会社の代表者(社長)の名前を記載します。
自身の所属部署や役職、氏名も併せて正確に記入してください。
退職理由は、詳細な事情を記載する必要はありません。
「一身上の都合により」とするのが、最も一般的な書き方です。
もし、会社から退職届の受理を拒否されるようなことがあれば、状況に応じて専門家へ相談してください。
書面で意思表示を残しておくことは、自身の権利を守るための一つの手段です。
受理されない場合でも、内容証明郵便を利用して送付する方法があります。
配達証明も付けることで、会社に配達された事実を証明できます。
また、退職届の提出後に会社から引き止めに遭うケースも少なくありません。
その際は、感情的にならず、書面で意思を示した事実を冷静に伝えましょう。
退職届の作成にあたっては、手書きかパソコン作成かについても確認が必要です。
会社から「手書きで」と指定がある場合は、それに従いましょう。
指定がない場合は、パソコンで作成し、署名のみ自筆で行う方法も一般的です。
提出の際は、封筒に入れて、表に「退職届」、裏に「自分の部署名と氏名」を記載します。
直接手渡すのが基本ですが、不在がちな上司へは、事前にメール等で連絡を入れておくとスムーズです。
万が一、退職届が受理されず、離職票などの書類が届かない場合は、ハローワークへ相談してください。
会社が手続きを怠っている場合、行政からの指導が入ることもあります。
引き止められやすい人の特徴と状況別の断り方
引き止めに遭いやすい人の傾向
仕事の責任感が強く、周囲との関係を大切にする人は、引き止めに遭う傾向があります。
「あなたがいなくなると困る」という言葉をかけられやすいためです。

また、特定の業務を一人で担当している場合も、会社から強く残るよう促されることがあります。
業務の継続性を理由に、引き止めが発生するケースです。
また、業務の引き継ぎ体制が整っていないことも一因といえます。
さらに、周囲から信頼が厚く、組織の調整役を担っている人も対象になりやすいです。
個人の能力だけでなく、人間関係の維持が組織にとって重要だと判断されるためです。
引き止められたときの断り方
引き止められたときは、退職の意思が固まっていることを明確に伝える必要があります。
曖昧な返答をすると、会社側は「まだ交渉の余地がある」と判断することがあります。
「検討します」ではなく、「決意は変わりません」と伝えることが一つの方法です。
理由を詳しく話すと、条件の改善を提案されるため、注意が必要です。
ただし、転職先が決まっている場合は、その旨を伏せておく選択肢もあります。
具体的な文面の例をまとめました。
状況に合わせて使い分けてください。
| 状況 | 伝える内容の例 | ポイント |
|---|---|---|
| 条件提示を受けたとき | 「お申し出はありがたいのですが、決意は変わりません」 | 感謝を伝えつつ、意思を貫く |
| 理由を深掘りされたとき | 「一身上の都合により、すでに決めております」 | 詳細を話さず、話を切り上げる |
| 時期の相談をされたとき | 「退職日は、以前お伝えした通りでお願いします」 | 予定を変更しない姿勢を示す |
引き止める側の本音を知る
会社が引き止める背景には、さまざまな理由があります。
人手不足による業務への影響を懸念しているケースや、優秀な人材を失いたくないという意図が見られます。
給与アップや役職の提示など、条件面での引き止めも一般的です。
しかし、これらはあくまで会社側の都合であり、個人のキャリアプランとは異なる場合があります。
会社側の事情は、あくまで組織の問題です。
個人のキャリアや生活を守るためには、相手の事情に引きずられすぎないことが大切です。
もし、強引な引き止めで業務に支障が出る場合は、労働局などの外部機関への相談も検討してください。
退職届の出し方と渡すタイミング
退職の意思を形にするために、退職届を提出する場面があります。
書類の渡し方は、現在の雇用形態や会社との関係性によって異なります。

在籍したまま退職の手続きを進める場合
会社に在籍しながら退職の意思を伝えるときは、直接手渡す方法が一般的です。
まずは、直属の上司に相談する時間を設けることから始めます。
退職届は、口頭での報告のあとに提出する流れがスムーズです。
いきなり書類だけを置いていくと、トラブルの原因になることがあります。
上司が不在の場合や、直接話すことが難しい状況では、メールや書面での連絡を検討します。
ただし、会社の就業規則に、提出方法の指定がないか事前に確認が必要です。
就業規則に「退職の○か月前までに申し出ること」といった規定がある場合、
原則としてそのルールに従うことが求められます。
ただし、規定と民法の規定が異なる場合の扱いについては、状況により判断が分かれます。
すでに退職が決まっている、または退職後の手続きを行う場合
すでに退職が決まっている場合や、会社と直接話すことが難しい状況では、
郵送での提出という選択肢があります。
この場合は、内容証明郵便を利用する方法が考えられます。
内容証明郵便は、出した内容や日時を郵便局が証明してくれる仕組みです。
郵送を使うときは、退職届が相手に届いた事実を残すことが大切です。
退職届には、退職の意思を明確に示す必要があります。
民法では、期間の定めのない雇用契約について、解約の申入れから2週間で雇用が終了すると定めています。
この規定に基づき、退職届を提出した日から一定期間が経過すると、雇用関係は終了します。
例えば、期間の定めがない雇用契約を結んでいる30歳の会社員(扶養なし)が、
8月1日に退職届を提出した場合を想定します。
この場合、申入れの日から14日後となる8月15日をもって、
法律上の雇用関係は終了することになります。
ただし、雇用契約に期間の定めがある場合や、就業規則で異なる定めがある場合は、
この期間が適用されないことがあります。
退職の引き止めに関するよくある勘違い
会社が「辞めさせない」と言ったら、退職はできないのでしょうか。
いいえ、会社が退職を認めないからといって、退職ができなくなるわけではありません。
民法の規定により、一定の条件を満たせば、会社側の同意がなくても雇用関係を終了させることが可能です。
「後任が見つかるまで辞められない」というルールは有効ですか。
いいえ、後任の有無を退職の条件にすることはできません。
後任が見つかるまで働かなければならないという法的義務は、労働者にはありません。
退職届を出したあとに、会社から損害賠償を請求されることはありますか。
いいえ、退職すること自体によって損害賠償を請求されることは、原則としてありません。
ただし、退職の意思を伝えたあとに、故意に業務を放棄して会社に具体的な損害を与えた場合は、例外として責任を問われることがあります。
退職代行を使えば、会社との交渉をすべて任せられますか。
いいえ、退職代行サービスによって、会社との交渉ができるわけではありません。
会社との条件交渉や、金品の請求などの交渉が必要な場合は、弁護士へ相談してください。
弁護士ではない一般の退職代行業者は交渉できませんが、労働組合は団体交渉を行えます。
引き止めにあって、退職日を延ばす約束をした場合はどうなりますか。
退職日を延ばす約束をした場合、その合意が有効であれば、新しい退職日に従うことになります。
ただし、合意の内容が、あまりに長期間にわたる場合などは、状況によって判断が分かれることがあります。
参考:民法 第627条(e-Gov法令検索)|e-Gov法令検索
まとめ
- 引き止められたときは、相手の提案に乗るか、意思を貫くかで対応が分かれます。
- 理由を詳しく話しすぎると、さらなる引き止めを受けることがあります。
- 退職届の書き方は、会社の就業規則を確認して進めてください。
- 後任が見つからないことを理由に、退職を拒むことはできません。
- 会社が退職を認めない場合でも、民法の規定により雇用を終了させることが可能です。
- 金品の請求が必要な場合は、弁護士へ相談してください。
退職の意思を伝える際は、伝え方や理由の選び方を参考にしてください。また、退職後の手続きについては手続きの解説ページにまとめています。