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フリーランスの源泉徴収票と退職所得の計算

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フリーランスの源泉徴収票に記載される退職所得の計算方法

退職金を受け取った際に発行される源泉徴収票には、退職所得の金額が記載されます。会社員からフリーランスへ転身する場合や、役員を退任する場合など、受け取る金額の計算には勤続年数や控除額が関わります。この記事では、退職所得の計算式や税金の仕組みを解説します。

  • 退職所得は退職金から控除額を引いて計算します
  • 勤続年数によって控除額が変わります
  • 源泉徴収される税率は申告書の有無で異なります

最終更新: / 出典: 国税庁

フリーランスの源泉徴収票に載る退職所得の計算方法

退職所得の金額は、受け取った退職金の額から、一定の金額を差し引いて計算します。この差し引く金額を退職所得控除といいます。

控除額は、勤続年数によって計算方法が変わります。勤続年数が長いほど、控除される金額も大きくなる仕組みです。ただし、勤続期間に1年に満たない端数があるときは、1年に切り上げます。

勤続期間には、原則として長期の欠勤や病気での休職の期間も含まれます。

退職所得控除額の計算基準
勤続年数の区分 計算の基準となる数値
勤続20年以下の場合 400,000円
勤続20年以下での最低額 800,000円
勤続20年超の基礎額 8,000,000円
勤続20年超の1年あたりの加算額 700,000円

勤続年数によって、控除額の増え方が変わります。

長く勤めた人ほど、引ける額が伸びる80万円800万円引ける額勤続年数→ここで増え方が変わるはじめの単価40万円あとの単価70万円どちらも1年あたり。端数は切り上げて年数を数えます
退職所得控除は途中で増え方が変わる制度の適用時点:令和7年4月1日現在法令等/確認日:2026-07-26/出典:国税庁

図は、勤続年数が20年を境に、控除額の計算ルールが切り替わることを示しています。

勤続年数が15年の場合を例に、退職所得控除額と退職所得の計算手順を説明します。

まず、控除額を計算します。勤続20年以下のルールに基づき、400,000円に年数を掛けます。15年であれば、この数値に15を掛けた金額が控除の対象です。

この計算結果が800,000円を下回る場合は、最低額である800,000円を控除額として使います。

次に、退職所得の金額を求めます。退職金の額から、先ほど計算した控除額を差し引きます。この計算で出た金額を2で割ったものが、課税対象となる退職所得の金額です。

ただし、役員等以外で勤続年数が5年以下の場合は短期退職手当等となり、役員等勤続年数が5年以下の場合は特定役員退職手当等となります。

また、退職金の額から控除額を差し引いた額のうち、3,000,000円を超える部分は、2分の1計算の適用対象外となります。

参考:No.1420 退職金を受け取ったとき(退職所得)|国税庁

いま、退職所得控除の計算方法を確認している状態だとします。どちらをしたいですか。

当てはまらない方法を選ぶ必要はありません。いまの自分に近いほうを選んでください。

自分で進める場合は、次の手順が必要です。

  • 源泉徴収票と控除の書類をそろえる
  • 申告書に自分で記入する
  • 期限内に自分で提出する
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ここまで自分でやるのが大変だと感じたら、任せることもできます。

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計算式に使われる勤続年数や控除額の意味

計算の過程で出てくる言葉には、それぞれ決まったルールがあります。
それぞれの言葉が何を指しているのかを整理しましょう。

退職所得の計算に関わる言葉

退職所得控除額は、原則として勤続年数によって決まり、給与の収入額では変わりません。
以下の項目は、計算の基礎となる要素です。

  • 勤続期間に1年に満たない端数があるときは1年に切り上げます。
  • 長期の欠勤や病気での休職の期間も、原則として勤続期間に含まれます。
  • 給与収入が190万円以下の場合は、控除額が650,000円となります。
  • ただし、給与収入そのものがこの数値未満なら、控除額は実際の収入額が限度です。
  • 給与収入が850万円を超える場合は、控除額が1,950,000円となります。

参考:No.1420 退職金を受け取ったとき(退職所得)|国税庁


参考:No.1410 給与所得控除|国税庁

また、退職所得の計算では、所得税のほかに住民税も関わります。
住民税は、道府県民税が4%、市町村民税が6%の割合で課税される仕組みです。

参考:地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)|e-Gov法令検索

さらに、退職金の受取方法によって、源泉徴収のルールも異なります。
「退職所得の受給に関する申告書」を提出していない場合は、支払金額の20.42%が源泉徴収されます。
この場合、確定申告で精算を行う必要があります。

給与所得の計算に関わる言葉

退職金とは別に、日々の給与から税金を計算する際にも控除が使われます。
給与所得控除は、会社員などの給与を受け取る人のための経費のようなものです。

給与所得控除は、収入の額に応じて段階的に決まる仕組みです。
令和7年分以降の計算では、収入額に応じた控除額の基準が適用されます。

参考:No.1410 給与所得控除|国税庁

給与収入が低い場合と高い場合では、適用される控除のルールが異なります。
ご自身の年収がどの範囲にあるかによって、計算の出発点が変わります。
例えば、給与収入が190万円以下のときは、控除額は650,000円です。

ただし、給与収入そのものがこの数値未満なら、控除額は実際の給与収入額が限度となります。

一方で、給与収入が850万円を超える場合、控除額は1,950,000円で上限となります。
このように、収入額に応じて控除額が変動するため、正確な年収の把握が重要です。

勤続年数が5年以下の場合に税額が変わる条件

退職金の税金を計算する際、勤続年数が短い場合は計算のルールが異なります。役員等を除き、勤続年数が 5年以下の場合は、短期退職手当等として扱われます。

この区分に該当すると、退職所得控除を差し引いた後の金額に対して、税金の計算方法が変わることがあります。具体的には、2分の1にする計算の適用範囲に制限がかかります。

退職金の額から退職所得控除額を差し引いた残りの金額のうち、3,000,000円を超える部分は、2分の1にする計算の対象外となります。このため、勤続年数が短いと、税負担が重くなる場合があります。

ご自身の勤続年数や退職金の額によって、適用されるルールが分かれます。事前の確認が要ります。

退職後の状況に応じた主な制度と窓口
状況・立場 検討できる制度 主な相談窓口
正社員として退職した人 失業保険(基本手当) ハローワーク
契約社員として退職した人 失業保険(基本手当) ハローワーク
パート・アルバイトとして退職した人 失業保険(基本手当) ハローワーク
病気で休職中のまま退職する人 傷病手当金(在籍中) 勤務先の健康保険組合
退職して任意継続を選ぶ人 健康保険(任意継続) 勤務先の健康保険組合
退職して国民健康保険に入る人 国民健康保険 市区町村の役所
家族の扶養に入る人 健康保険(被扶養者) 扶養に入る家族の健康保険組合
産前産後・育児休業中の人 育児休業給付金 勤務先の雇用保険窓口

各制度の案内をもとに作成

いま、退職所得控除額の計算方法を確認しているところだとします。どちらをしたいですか。

どちらを選んでも、この先は最後まで読めます。近いほうを選んでください。

自分で進める場合は、次の手順が必要です。

  • 源泉徴収票と控除の書類をそろえる
  • 申告書に自分で記入する
  • 期限内に自分で提出する
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退職金が振り込まれる時期と手続きの流れ

退職金の支給時期は就業規則などで決まり、税金の計算方法は退職時に会社へ提出した書類によって変わります。ご自身の状況がどちらに該当するかを確認してください。

退職時に「退職所得の受給に関する申告書」を提出した場合

会社へ「退職所得の受給に関する申告書」を提出していると、退職金から所得税が正しく計算されて振り込まれます。この場合、退職金を受け取る際に、あらかじめ税金が差し引かれた状態で支払われます。

退職金にかかる税金は、所得税、復興特別所得税および住民税です。住民税については、以下の税率が適用されます。

  • 道府県民税(分離課税に係る所得割)は 4%
  • 市町村民税(分離課税に係る所得割)は 6%

参考:地方税法|e-Gov法令検索

所得税については、基準となる所得税額に対して 2.1% の復興特別所得税が加算されます。

参考:No.2260 所得税の税率|国税庁

申告書を出さないと20.42%引かれる会社に申告書を出した控除を引いて計算出していない支払額の20.42%控除を引いたあとにかかる税所得税+復興2.1%住民税6%+4%勤続5年以下は、控除を引いた残りのうち300万円超の軽減がありません
退職金の税額が決まるまでの分かれ道確認日:2026-07-26/出典:国税庁/e-Gov法令検索

図は、提出した書類によって税金の計算方法が分かれる仕組みを示しています。

「退職所得の受給に関する申告書」を提出していない場合

会社へ書類を提出していないと、退職金の支払額に対して高い税率で源泉徴収が行われます。このとき、退職手当等の支払金額の 20.42% が源泉徴収される仕組みです。

参考:No.2732 退職手当等に対する源泉徴収|国税庁

この方法で支払われた場合、払いすぎた税金を取り戻すには、ご自身で確定申告を行う必要があります。ただし、退職金以外の所得がない場合でも、申告が必要になるケースがあります。

確定申告の手続きは、お住まいの地域を管轄する税務署で行います。申告義務がある場合は原則として翌年3月15日までに提出し、還付申告だけなら翌年1月1日から5年間提出できます。

参考:No.1420 退職金を受け取ったとき(退職所得)|国税庁

退職金の源泉徴収に関するよくある勘違い

退職金の源泉徴収票は、確定申告のときに必ず必要ですか?

いいえ、会社に「退職所得の受給に関する申告書」を提出している場合は、原則として確定申告は不要です。会社が退職所得控除を適用した正しい税率で計算し、所得税を徴収するためです。

会社に書類を出していない場合、税金は安くなりますか?

いいえ、書類を提出していないと退職所得控除が適用されません。その場合、支払金額に対して 20.42% の税率で源泉徴収されます。ただし、確定申告を行うことで税金が還付される可能性があります。

参考:No.2732 退職手当等に対する源泉徴収|国税庁

退職金から引かれる税金は、所得税だけで済みますか?

いいえ、退職金にかかる税金は所得税と住民税の合計です。所得税には復興特別所得税が含まれます。住民税は、道府県民税(4%)と市町村民税(6%)に分かれます。

参考:地方税法|e-Gov法令検索

退職金を受け取った後、会社に税金の計算をやり直してもらうことはできますか?

一概にはいえず、源泉徴収税額の計算誤りなどは、退職金の支払者側で是正する場合があります。計算に誤りがある場合や、書類の提出が漏れていた場合は、ご自身で税務署へ確定申告の手続きを行うことになります。

退職所得控除の計算で、勤続年数の端数はどうなりますか?

勤続期間に 1年 に満たない端数があるときは、1年に切り上げて計算します。ただし、長期の欠勤や病気による休職期間も、原則として勤続期間に含めることができます。

参考:No.1420 退職金を受け取ったとき(退職所得)|国税庁

退職金の額が非常に多い場合、税負担が急増することはありますか?

はい、退職所得の課税対象額には、所得税の累進税率が適用されます。短期退職手当等について、退職所得控除額を差し引いた後の金額が 3,000,000円 を超える場合、その超える部分には「2分の1」の計算が適用されません。

参考:No.1420 退職金を受け取ったとき(退職所得)|国税庁

退職所得控除額は、勤続年数によってどのように変わりますか?

勤続20年以下の場合は、1年あたりの控除額に勤続年数を乗じて計算します。ただし、計算結果が 800,000円 に満たないときは、この最低額が適用されます。

参考:No.1420 退職金を受け取ったとき(退職所得)|国税庁

勤続年数が20年を超える場合の計算ルールはありますか?

20年を超える期間については、基礎となる控除額に、1年あたりの加算額を乗じた金額が加わります。計算の詳細は、退職所得の計算方法を確認してください。

いま、退職金の源泉徴収に関する疑問を確認し、次の仕事を探そうとしている状態だとします。どちらをしたいですか。

最後にひとつだけ。使う・使わないはここで決めなくてかまいません。

自分で進める場合は、次の手順が必要です。

  • 源泉徴収票と控除の書類をそろえる
  • 申告書に自分で記入する
  • 期限内に自分で提出する
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まとめ

退職金の税金に関する重要事項を振り返ります。

  • 退職所得の金額は、退職金の額から退職所得控除を差し引いて計算します。
  • 控除額は勤続年数で決まり、1年未満の端数は1年切り上げます。
  • 「退職所得の受給に関する申告書」を提出していない場合、20.42%の税率で源泉徴収されます。
  • 払いすぎた税金を取り戻すには、ご自身で確定申告を行う必要があります。
  • 退職所得に対する住民税は、道府県民税4%と市区町村民税6%の合計です。

ただし、勤続年数が5年以下の役員等以外の方は、退職所得の計算ルールが異なる場合があります。
退職金の額から控除額を引いた残りが3,000,000円を超える場合、その超える部分は2分の1計算の対象外となります。

参考:No.1420 退職金を受け取ったとき(退職所得)|国税庁

税金の計算や手続きについては、税金の仕組み必要書類の解説も参考にしてください。

この記事の根拠(本文内43か所・台帳13項目・一次資料5件)

制度の数値(台帳から出しています)

一次資料

数値は一次情報で確かめてから台帳に入れています(情報源について)。リンク先の内容が変わっているのを見つけたら訂正の受付までお知らせください。

この記事の編集責任者

JPSM INTERNET SERVICE 代表

小笠原 治輝おがさわら はるき

休職から退職までの手続きを自分で経験しました。傷病手当金の申請、雇用保険の受給期間延長、健康保険と年金の切り替えを実際に進めた経験があります。記事は、厚生労働省・e-Gov法令検索・ハローワークの一次情報と突き合わせて確認しています。