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ふるさと納税の控除に源泉徴収票が必要な時期
ふるさと納税の控除を受けるには、源泉徴収票に記載された所得情報が必要です。退職後に確定申告を行う方や、会社員としてワンストップ特例制度を利用する方が、いつまでに書類を揃え、どのような手順で進めるべきかを解説します。
- 源泉徴収票は所得を証明する書類です
- 退職者は状況に応じて確定申告で控除を申請します
- 会社員はワンストップ特例制度または確定申告で控除を受けます

ふるさと納税の控除を受けるための5つの工程
ふるさと納税で税金の控除を受けるには、いくつかの手順が必要です。
手続きの進め方は、確定申告の要否や寄附先の自治体数によって変わります。

ここでは、ふるさと納税の控除を受けるための流れに加え、退職金を受け取った場合に確認したい税金の仕組みも整理します。
退職金の税額は、勤続年数や住民税の税率によって決まります。
- 役員等以外で勤続年数が 5年 以下の場合は、短期退職手当等に該当します。
- 退職所得に対する道府県民税(分離課税に係る所得割)の税率は 4% です。
- 退職所得に対する市町村民税(分離課税に係る所得割)の税率は 6% です。
図は、退職金の税額が決まるまでの分かれ道を示しています。
控除を受けるための工程は、以下の5つのステップに分けられます。
1. ふるさと納税の寄附を行う
自治体へ寄附を行い、自治体から「寄附金受領証明書」を受け取ります。
オンライン決済の場合は、電子データで発行されることもあります。
2. 源泉徴収票を確認する
会社から発行される源泉徴収票の内容を確認します。
「退職所得の受給に関する申告書」を提出していない場合、所得税が 20.42% 源泉徴収され、確定申告により精算できます。
ただし、退職所得控除額の計算において、勤続年数の端数は 1年 で切り上げます。
3. 控除の手続き方法を選ぶ
ワンストップ特例制度を利用するか、確定申告を行うかを決めます。
ワンストップ特例は、原則として確定申告が不要で、寄附先が5自治体以内の場合に利用可能です。
ただし、退職後に転職して給与所得がある場合などは、確定申告が必要になるケースがあります。
4. 必要書類を提出する
自治体や税務署へ、証明書などの書類を提出します。
ワンストップ特例の場合は申告特例申請書、確定申告の場合は寄附金受領証明書など、選んだ方法によって提出先や期限が異なります。
提出期限を過ぎると、ワンストップ特例は適用できなくなります。
5. 税金の還付や控除を確認する
手続きが終わると、税金が安くなったり、払いすぎた分が戻ったりします。
最終的な結果は、所得税の還付通知書や住民税の決定通知書などで確認できます。
所得税の計算には、基準所得税額に対して 2.1% の復興特別所得税も含まれます。
参考:No.1420 退職金を受け取ったとき(退職所得)|国税庁
手続きを完了させるための期限
ふるさと納税の控除を受けるための期限は、選んだ手続きの方法によって異なります。ワンストップ特例制度を利用する場合と、確定申告を行う場合では、書類の提出期限が違います。

| 手続きの方法 | 提出の期限 | 提出先 |
|---|---|---|
| ワンストップ特例制度 | 寄附した翌年の1月10日まで | 寄附した自治体 |
| 確定申告 | 翌年3月15日まで | 税務署 |
ワンストップ特例制度を利用する予定だった場合でも、期限を過ぎると制度は使えません。ただし、期限に間に合わない場合でも、確定申告を行うことで控除を受けられる可能性があります。
確定申告を行う際は、源泉徴収票に記載された所得の情報が必要です。令和7年分以降の所得税の計算では、給与所得控除の額が変わります。
給与所得控除(給与収入から差し引ける金額)の最低額は、給与収入が190万円以下のとき、650,000円です。
ただし、給与収入そのものが650,000円未満の場合は、実際の給与収入額が控除の限度となります。正確な控除額を知るには、お手元の源泉徴収票を確認してください。
給与所得控除の上限額は、1,950,000円です。所得金額や控除額の計算は、自身の給与収入額によって変動するため注意が必要です。
確定申告の際は、e-Tax(電子申告)を利用すると、自宅からでも期限内に手続きを進めやすくなります。書類の準備が遅れた場合は、早めに税務署へ相談することをおすすめします。
なお、退職後に転職して給与所得がある場合や、複数の会社から給与を受け取った場合などは、ワンストップ特例制度ではなく確定申告が必要になるケースがあります。
例えば、年末調整を受けず所得税を納めすぎた場合は、確定申告により還付を受けられます。
また、寄附金受領証明書を紛失した場合は、寄附先の自治体に再発行を依頼してください。再発行には時間がかかることもあるため、早めの対応が望ましいといえます。
自治体によっては、オンラインでの証明書発行に対応している場合もあります。
住民税の控除については、確定申告の内容が市区町村へ送付された後に反映されます。反映時期は自治体によって異なるため、自治体の通知を確認しましょう。
通知は、例年6月頃に届く「住民税決定通知書」などで確認できます。
もし、退職時に「退職所得の受給に関する申告書」を提出していなかった場合、退職手当等の支払金額に対して20.42%が源泉徴収されています。この場合、確定申告を行うことで所得税の精算が可能です。
源泉徴収票が届く時期と手続きの進め方
退職後の確定申告では、会社から発行される源泉徴収票が必要です。退職したタイミングや会社の事務処理によって、手元に届く時期は異なります。

| いまの立場 | 扱い | 次に見るところ |
|---|---|---|
| 正社員 | 在籍中 | 給与明細 |
| 契約社員 | 在籍中 | 給与明細 |
| パート・アルバイト | 在籍中 | 給与明細 |
| 休職中で在籍している人 | 在籍中 | 給与明細 |
| 退職して任意継続を選んだ人 | 退職後 | 源泉徴収票 |
| 退職して国民健康保険に入った人 | 退職後 | 源泉徴収票 |
| 家族の扶養に入った人 | 退職後 | 源泉徴収票 |
| 産前産後休業や育児休業の人 | 在籍中 | 給与明細 |
退職して確定申告を行う場合は、退職後に会社から送られてくる源泉徴収票を確認してください。届かないときは、退職した会社へ発行を依頼する必要があります。
退職金を受け取った場合、その金額にかかる税金の計算には「退職所得控除」が使えます。控除額は勤続年数によって決まります。ただし、勤続期間に1年の端数があるときは1年に切り上げます。
| 勤続年数の区分 | 計算の仕組み | 控除額の例 |
|---|---|---|
| 勤続20年以下 | 400,000円 × 勤続年数 | 800,000円 |
| 勤続20年超(基礎額) | 定額部分 | 8,000,000円 |
| 勤続20年超(加算部分) | 700,000円 × (勤続年数 - 20年) | (加算額) |
勤続年数が20年以下のときは、1年あたりの単価に勤続年数を掛けた額が基準になります。ただし、計算結果が800,000円を下回る場合は、この最低額が適用されます。
図を見ると、勤続年数が20年を超えると、控除額の増え方が変わることがわかります。勤続年数が20年を超える場合は、まず基礎となる8,000,000円が適用されます。
その上で、20年を超えた年数1年につき700,000円が加算される仕組みです。ただし、役員等以外で勤続年数が5年以下の場合は、計算方法が異なる場合があります。
参考:No.1420 退職金を受け取ったとき(退職所得)|国税庁
また、「退職所得の受給に関する申告書」を提出していない場合、退職手当等の支払金額に対し20.42%が源泉徴収されます。この場合は確定申告で精算が必要です。
なお、短期退職手当等の計算では、退職金の額から控除額を差し引いた残額のうち、3,000,000円を超える部分については、2分の1計算の適用対象外となります。
詳細な計算ルールは、所得の種類や退職の経緯により異なるため注意してください。
税金の計算に関わる仕組み
所得税と復興特別所得税の関係
退職金にかかる所得税を計算するときは、基準となる所得税額に加えて、復興特別所得税を計算する必要があります。

復興特別所得税の税率は、2.1%です。これは、平成25年から令和19年までの各年分において、基準となる所得税額に対して適用されます。
所得税の計算には、退職所得控除を差し引いた後の金額が用いられます。ただし、計算結果がマイナスになる場合は、所得税はかかりません。
なお、役員等以外で勤続年数が5年以下の場合は、短期退職手当等として扱われることがあります。勤続期間に1年に満たない端数があるときは、1年として計算します。
参考:No.1420 退職金を受け取ったとき(退職所得)|国税庁
退職金の受け取り方による源泉徴収率の違い
退職金の税金は、会社が「退職所得の受給に関する申告書」を受け取っているかどうかで、あらかじめ引かれる税率が変わります。
申告書を提出していない場合、退職金の支払額に対して、以下の税率で源泉徴収が行われます。
- 「退職所得の受給に関する申告書」を提出していない場合の源泉徴収率:20.42%
この数値には、所得税と復興特別所得税が含まれています。引かれた税額が多すぎた場合は、確定申告を行うことで精算できます。
一方、申告書を提出している場合は、退職所得控除を適用した後の金額に基づき、所得税の速算表に従って計算された税率が適用されます。
ただし、短期退職手当等では、退職金の額から控除額を差し引いた残額のうち、3,000,000円を超える部分は、2分の1計算の対象外です。
住民税の仕組みと分離課税
退職金にかかる住民税は、所得税とは別に「分離課税」として計算されます。これは、他の所得とは分けて計算する仕組みです。
住民税の税率は、都道府県民税が4%、市区町村民税が6%です。これらを合わせて、合計で10%となります。
住民税の計算においても、所得税と同様に退職所得控除が適用されます。ただし、自治体によって徴収方法や時期が異なる場合があるため、注意が必要です。
住民税の納付方法には、給与から天引きされる方法のほか、自分で納付する「普通徴収」があります。退職後の状況により、自治体から届く納付書を確認する必要があります。
退職後の住民税の徴収については、お住まいの市区町村の税務窓口へ問い合わせることで、詳細な納付スケジュールや方法を確認できます。
書類が届かないときの相談先
ふるさと納税の控除手続きを進めるために、源泉徴収票が必要な場面があります。書類が手元に届かないときは、状況に応じて相談する窓口を使い分けてください。

退職した会社に確認が必要な場合
退職した会社から源泉徴収票が届かないときは、まず退職した会社へ連絡してください。会社には、労働者の退職時に金品を返還する義務があるほか、離職証明書などの書類を交付する義務があります。
退職金の計算において、以下の点を確認しておくとスムーズです。
- 勤続期間に1年未満の端数があるときは、1年に切り上げられます
- 短期退職手当等の計算で、3,000,000円を超える部分は、2分の1計算の対象外となります
また、「退職所得の受給に関する申告書」を提出していない場合、退職手当等の支払金額に対して20.42%が源泉徴収されます。この場合、確定申告で精算を行う必要があります。
会社へ依頼しても源泉徴収票が交付されない場合は、税務署へ源泉徴収票不交付の届出書を提出できます。
ただし、会社との交渉が必要な事案については、弁護士でなければ扱えない用件を仕分ける必要があります。
税金の計算や申告について確認したい場合
税金の計算方法や、確定申告の進め方について疑問があるときは、税務署へ相談してください。源泉徴収票の内容が正しいか判断できない場合も、税務署が窓口となります。
退職金の額が大きく、税額の計算に不安があるときは、国税庁の解説ページも参考にしてください。所得税の仕組みや、退職手当等に対する源泉徴収のルールがまとめられています。
参考:No.2732 退職手当等に対する源泉徴収 | 国税庁
また、退職所得の計算方法については、国税庁の「No.1420 退職金を受け取ったとき(退職所得)」も役立ちます。退職所得控除額の計算手順などが詳しく解説されています。
参考:No.1420 退職金を受け取ったとき(退職所得) | 国税庁
なお、役員等以外で勤続年数が5年以下の場合は、短期退職手当等に該当する場合があります。計算ルールが異なる可能性があるため、自身の勤続年数を確認しておきましょう。
住民税の計算に関わる事項については、お住まいの市区町村の税務窓口へ問い合わせてください。所得税とは別に、分離課税による所得割の税率が適用される場合があります。
分離課税に係る所得割の税率は、道府県民税が4%、市区町村民税が6%です。
ふるさと納税と源泉徴収票に関するよくある勘違い
ふるさと納税の控除を受けるには、源泉徴収票が届いてから手続きを始めなければなりませんか。
いいえ、寄附自体は源泉徴収票が届く前でも可能です。寄附の申し込みと、その後の控除手続きは別のタイミングで行います。

ただし、確定申告で控除を受ける場合は、手元に源泉徴収票が届いたあとに申告書を作成する必要があります。
退職して収入がなくなった場合、ふるさと納税の控除は受けられなくなりますか。
いいえ、退職して収入がなくなった場合でも、要件を満たせば控除を受けられることがあります。控除は、その年の所得に対して行われるものです。
寄附した年分の所得税と、翌年度の住民税から控除を受ける仕組みがあります。
源泉徴収票に記載されている金額が、ふるさと納税の限度額の計算に影響しますか。
はい、源泉徴収票に記載された所得の額は、控除限度額を計算するうえで重要な情報です。限度額は、その年の所得金額や家族構成によって決まります。
正確な限度額を知るためには、源泉徴収票に記載された給与所得などの数値を確認する必要があります。
ワンストップ特例制度を利用していれば、確定申告の際に源泉徴収票は不要ですか。
いいえ、確定申告を行う場合は、ワンストップ特例制度による手続きは無効になります。確定申告では、ふるさと納税以外の所得についても申告が必要です。
そのため、計算の根拠となる源泉徴収票の数値が必要になります。
まとめ
ふるさと納税の控除を確実に受けるためのポイントを整理します。
- 控除の手続き方法は、会社員として働き続けるか、退職するかで変わります。
- ワンストップ特例制度を利用する場合と、確定申告を行う場合では、書類の提出期限が異なります。
- 確定申告を行うときは、ワンストップ特例制度による手続きは無効になります。
- 確定申告では源泉徴収票の記載内容が必要ですが、源泉徴収票自体の添付や提示は不要です。
- 源泉徴収票が届かないときは、退職した会社へ発行を依頼してください。
退職後に確定申告を行う際は、給与所得控除の額を確認しましょう。給与収入が190万円以下の場合、給与所得控除の最低額は650,000円です。ただし、給与収入が650,000円を下回るときは、実際の給与収入額が控除の限度となります。
税金の手続きに関する詳細は、税金の仕組みの解説もあわせて確認してください。書類の準備については、必要書類のまとめが役立ちます。
この記事の根拠(本文内47か所・台帳13項目・一次資料5件)
制度の数値(台帳から出しています)
- 短期退職手当等に当たる勤続年数の上限5年時点:令和7年4月1日現在法令等確認:2026-07-26国税庁|No.1420 退職金を受け取ったとき(退職所得)
- 退職所得に対する道府県民税(分離課税に係る所得割)の税率4%時点:条文本文で確認確認:2026-07-26e-Gov法令検索|地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)
- 退職所得に対する市町村民税(分離課税に係る所得割)の税率6%時点:条文本文で確認確認:2026-07-26e-Gov法令検索|地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)
- 「退職所得の受給に関する申告書」を提出していない場合の源泉徴収率20.42%時点:令和7年4月1日現在法令等確認:2026-07-26国税庁|No.1420 退職金を受け取ったとき(退職所得)
- 復興特別所得税の税率2.1%時点:令和7年4月1日現在法令等確認:2026-07-26国税庁|No.2260 所得税の税率
- 短期退職手当等で2分の1計算が使える上限3,000,000円時点:令和7年4月1日現在法令等確認:2026-07-26国税庁|No.1420 退職金を受け取ったとき(退職所得)
- 退職所得の勤続年数の端数処理1年時点:令和7年4月1日現在法令等確認:2026-07-26国税庁|No.2732 退職手当等に対する源泉徴収
- 給与所得控除の最低額(給与収入190万円以下)650,000円時点:2026-04-01確認:2026-08-18国税庁|No.1410 給与所得控除
- 給与所得控除の上限額(給与収入850万円超)1,950,000円時点:2026-04-01確認:2026-08-18国税庁|No.1410 給与所得控除
- 退職所得控除額の単価(勤続20年以下)400,000円時点:令和7年4月1日現在法令等確認:2026-07-26国税庁|No.1420 退職金を受け取ったとき(退職所得)
- 退職所得控除額の最低額800,000円時点:令和7年4月1日現在法令等確認:2026-07-26国税庁|No.1420 退職金を受け取ったとき(退職所得)
- 退職所得控除額の定額部分(勤続20年超)8,000,000円時点:令和7年4月1日現在法令等確認:2026-07-26国税庁|No.1420 退職金を受け取ったとき(退職所得)
- 退職所得控除額の単価(勤続20年超の1年あたり)700,000円時点:令和7年4月1日現在法令等確認:2026-07-26国税庁|No.1420 退職金を受け取ったとき(退職所得)
一次資料
- 国税庁|No.1420 退職金を受け取ったとき(退職所得)
- e-Gov法令検索|地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)
- 国税庁|No.2260 所得税の税率
- 国税庁|No.2732 退職手当等に対する源泉徴収
- 国税庁|No.1410 給与所得控除
数値は一次情報で確かめてから台帳に入れています(情報源について)。リンク先の内容が変わっているのを見つけたら訂正の受付までお知らせください。