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退職金は原則としてふるさと納税の限度額を増やしません
退職所得に係る住民税は原則として他の所得と分離して課税されるため、退職金を一時金で受け取っても、ふるさと納税の寄付上限額は原則として増えません。退職した年の給与所得などを確認して限度額を計算する必要があります。
- 退職所得に係る住民税は原則として分離課税される
- 退職金は原則としてふるさと納税の限度額を増やさない
- 退職した年の給与所得などを確認することが大切である

ふるさと納税の限度額を計算する仕組みと具体例
ふるさと納税の限度額は、その年の所得によって決まります。退職所得の住民税は通常の所得と分離して課税されるため、原則として退職金だけで限度額は増えません。

限度額を左右する大きな要素の一つが、住民税の所得割額です。ふるさと納税の控除上限額は、この所得割額を基準に算出されます。
退職金を受け取っても、退職所得は原則として他の所得と分離して課税されます。退職所得に係る住民税は分離課税されるため、原則としてふるさと納税の限度額を押し上げません。ただし、退職所得控除の適用により、所得の増え方は給与所得とは異なります。
具体的な計算には、原則として給与所得などに係る調整控除後の住民税所得割額を用います。正確な限度額を知るには、事前の確認が要ります。
厚生労働省の調査によると、大学・大学院卒(管理・事務・技術職)・自己都合で退職した場合の退職給付額の平均は 14,410,000円 です。
ここで、退職金によって限度額がどのように変わるか、具体的なシミュレーションを見てみましょう。以下の条件を前提とします。
- ・年齢:45歳
- ・加入区分:社会保険(厚生年金・健康保険)
- ・扶養家族:なし(単身)
- ・その他の所得:給与所得のみ(退職金を除く)
- ・勤続年数:20年
退職金が 14,410,000円 支払われた場合、まず退職所得控除額を計算します。勤続20年の場合、退職所得控除額は400,000円に勤続年数を掛けて計算します。
退職所得は原則「(退職金 - 退職所得控除額)× 1/2」ですが、短期勤続者などには例外があります。この退職所得に対する住民税は、原則として他の所得と分離して計算されます。
そのため、退職金を受け取っても、原則としてふるさと納税の限度額は引き上げられません。ただし、退職所得控除額が退職金の額を上回る場合は、退職所得が0円となるため、限度額への影響はありません。
限度額の算出には、自治体から届く住民税決定通知書などの書類を確認することが有効です。また、退職金が一時金ではなく年金形式で受け取る場合は、計算方法が異なる点に注意してください。
なお、退職金が「退職所得」として扱われるのは、原則として一時金で受け取る場合です。もし退職年金として分割で受け取る場合は、それは「公的年金等に係る雑所得」として扱われ、限度額の計算方法が変わります。
退職所得に係る住民税は、原則として退職金の支払時に特別徴収されます。限度額は、原則として分離課税の退職所得を除き、その年の給与所得などを基に考える必要があります。
計算に使う言葉の意味
学歴による違い
退職金(退職に伴って支払われる給与などの所得)の額は、学歴によって異なる傾向があります。厚生労働省の調査結果に基づいた、学歴別の退職給付額の平均は以下の通りです。

| 学歴 | 退職の形態 | 退職給付額の平均 |
|---|---|---|
| 大学・大学院卒 | 定年 | 18,960,000円 |
| 大学・大学院卒 | 会社都合 | 17,380,000円 |
| 大学・大学院卒 | 早期優遇 | 22,660,000円 |
| 高校卒 | 定年 | 16,820,000円 |
| 高校卒 | 会社都合 | 13,850,000円 |
| 高校卒 | 自己都合 | 12,800,000円 |
| 高校卒 | 早期優遇 | 24,320,000円 |
| 高校卒(現業職) | 定年 | 11,830,000円 |
| 高校卒(現業職) | 会社都合 | 7,370,000円 |
| 高校卒(現業職) | 自己都合 | 9,210,000円 |
| 高校卒(現業職) | 早期優遇 | 21,460,000円 |
(もとにした一次情報:令和5年就労条件総合調査 結果の概況、確認日:2026-08-23)
図から、学歴や退職の理由によって、受け取る退職金の平均額に差があることがわかります。ただし、これらはあくまで平均値であり、個人の勤続年数や企業の制度によって大きく変動します。
辞め方による違い
退職の理由(辞め方)によっても、受け取る金額は変わります。定年退職や会社都合による退職、早期優遇制度を利用した退職など、それぞれの状況によって金額の目安が異なります。
例えば、大学・大学院卒(管理・事務・技術職)の方が、自己都合で退職する場合の平均額は14,410,000円です。一方、定年退職の場合は18,960,000円となります。
この差は、退職の形態によって適用される退職金規程や、会社が支払う一時金・年金現価額の合計額が異なるために生じます。自身の退職理由がどの区分に該当するか、就業規則等で確認しましょう。
なお、これらの数値は勤続20年以上かつ45歳以上の退職者を対象とした調査結果に基づいています。全ての退職者に一律に当てはまるわけではない点に注意してください。
退職金制度の有無と企業規模
退職金制度は法律で義務付けられたものではありません。そのため、勤務先の企業の規模や制度の有無によって、受け取れる金額の有無や内容が大きく異なります。
退職給付制度(一時金・年金)がある企業の割合は74.9%です。ただし、これは全企業を対象とした平均であり、企業の規模によって以下のように差があります。
- 従業員1,000人以上の企業:90.1%
- 従業員300〜999人の企業:88.8%
- 従業員100〜299人の企業:84.7%
- 従業員30〜99人の企業:70.1%
規模が大きくなるほど制度が整っている傾向にありますが、中小企業であっても就業規則や退職金規程に基づき、独自の制度を設けている場合があります。
自身の権利を確認するには、就業規則の閲覧や人事担当窓口への問い合わせが必要です。
退職金制度がある企業の割合と金額への影響
退職金は、法律で支払いが義務付けられているものではありません。
勤務先の就業規則や退職金規程の定めに従って支払われます。

厚生労働省の調査によると、退職給付(一時金や年金などの制度)がある企業の割合は 74.9% です。
制度の有無は、受け取る退職金の金額に直接影響します。
制度がない企業に勤めている場合は、退職金そのものが発生しないことがあります。
制度の導入状況は、企業の規模によっても異なります。
従業員1,000人以上の企業では 90.1% と高い傾向にあります。
ただし、小規模な事業所では割合が下がる場合があります。
例えば、従業員数が30〜99人の企業における制度導入率は 70.1% です。
規模によって制度の有無や内容が異なるため、注意が必要です。
退職金の平均額は、学歴や退職理由によって大きく変動します。
例えば、大学・大学院卒(管理・事務・技術職)で、勤続20年以上かつ45歳以上の人が「自己都合」で退職する場合、平均額は 14,410,000円 となります。
一方、同じ条件で「定年」を迎える場合は 18,960,000円 まで上がります。
このように、退職の理由によって支給額に差が出るケースは珍しくありません。
ただし、これらはあくまで平均値であり、個別の計算式や規程によって実際の金額は異なります。
具体的な支給条件については、社内の就業規則や退職金規程を確認してください。
不明な点がある場合は、人事部や総務部などの担当窓口へ問い合わせましょう。
確認すべき主な項目は以下の通りです。
- 支給対象となる最低勤続年数
- 退職理由(自己都合・会社都合・定年など)による支給率の違い
- 退職金の計算基礎となる給与の定義
- 一時金か年金かといった受取方法の選択肢
制度の内容を正しく理解しておくことで、退職後のライフプランや、ふるさと納税の限度額を検討する際の正確な判断につながります。
ただし、個別の事情により、規程通りの金額が受け取れない例外もあります。
退職金が振り込まれる時期と方法
退職給付制度がある企業の割合
退職金が支払われる仕組みは、勤務先の規模によって傾向が異なります。厚生労働省の調査結果をまとめました。

| 従業員数 | 制度がある企業の割合 | 出典 |
|---|---|---|
| 1,000人以上 | 90.1% | 第16表 |
| 300〜999人 | 88.8% | 第16表 |
| 100〜299人 | 84.7% | 第16表 |
| 30〜99人 | 70.1% | 第16表 |
(もとにした一次情報:令和5年就労条件総合調査 結果の概況、確認日:2026-08-23)
表からわかるように、従業員数が多い企業ほど、退職給付制度を導入している割合が高い傾向にあります。
退職金を受け取るタイミングと振込方法
退職金がいつ、どのような形で支払われるかは、会社の規定によって決まります。主に以下の2つのパターンがあります。
会社から直接、指定の銀行口座へ振り込まれる方法です。退職後、一定の期間が経過した後に振り込まれるケースが見られます。
外部の基金などを通じて支払われる方法です。会社が直接支払うのではなく、あらかじめ積み立てられた制度を利用して受け取ります。
具体的な時期や手続きについては、事前の確認が要ります。勤務先の就業規則や退職金規程をあらかじめ確認しておきましょう。
退職金の平均額の具体例
退職金の平均額は、学歴や退職理由によって大きく異なります。ここでは、大学・大学院卒(管理・事務・技術職)のケースを例に見てみましょう。
前提条件として、勤続20年以上かつ45歳以上、扶養家族なしの単身者を想定します。退職理由が「自己都合」の場合、平均額は14,410,000円となります。
一方、同じ条件で「定年」を迎えた場合の平均額は18,960,000円です。退職理由の違いにより、受け取れる金額に差が生じることがわかります。
例えば、定年退職で18,960,000円を受け取る場合と、自己都合退職で14,410,000円を受け取る場合では、その差額は18,960,000円 – 14,410,000円となります。
このように、退職の理由によって受け取れる金額に大きな開きが出る可能性があります。ただし、個別の支給額は、勤続年数や会社の退職金規程、個人の役職などによって変動します。
ふるさと納税と退職金に関するよくある勘違い
退職金を受け取った年は、ふるさと納税の限度額が大幅に増えるのですか。
退職所得は分離課税されるため、原則としてふるさと納税の控除上限額を増やしません。
退職金は「退職所得」として、原則として他の所得と分離して住民税が課されるためです。

ただし、退職所得控除を適用した後の金額で計算されます。
控除額は勤続年数によって決まるため、勤続期間が長いほど所得への影響は小さくなります。
退職金から引かれる住民税は、ふるさと納税の計算には関係ありませんか。
退職金にかかる住民税は分離課税のため、原則としてふるさと納税の限度額の基準にはなりません。
ふるさと納税の限度額は、その年の住民税の所得割額を基準に算出されるためです。
退職所得の住民税所得割は分離課税されるため、原則としてふるさと納税の限度額には反映されません。
正確な上限を知るには、原則として退職金を除く所得と所得控除の見込み額をもとに計算する必要があります。
退職金にかかる住民税は、翌年にまとめて支払うのでふるさと納税には影響しませんか。
いいえ、退職所得に係る住民税は、原則として退職金の支払時に会社がまとめて徴収する「特別徴収」が行われます。
支払いのタイミングや方法については、勤務先の規定を確認してください。
退職所得に係る住民税は、他の所得と区分して退職金の支払時に計算されます。
退職金が200万円以下なら、ふるさと納税の限度額計算は簡単ですか。
退職所得は原則として他の所得(給与所得など)と分離して税額を計算します。
ふるさと納税の限度額は、原則として現年分離課税の退職所得を除いた住民税所得割額に基づいて決まるためです。
例えば、大学・大学院卒で定年退職し、退職金が 18,960,000円 の場合、
退職所得控除を差し引いた後の金額が所得として加算されます。
退職所得の住民税は分離課税されるため、原則として限度額を押し上げません。
【計算の具体例】
前提:大学・大学院卒、勤続30年、定年退職、扶養家族なし、退職金 18,960,000円 の場合。
まず、勤続年数から退職所得控除額を計算します。勤続30年の場合、控除額は1,500万円であり、退職金 18,960,000円 の額とは別に算出します。
次に、原則として退職金から控除額を引いた残額の2分の1が「退職所得」となります。
この退職所得の住民税は分離課税され、原則としてふるさと納税の限度額には反映されません。
ただし、実際の控除額は勤続年数や退職金の総額によって異なるため、正確な計算には詳細な情報が必要です。
まとめ
ふるさと納税と退職金に関する要点は以下の通りです。

- ふるさと納税の限度額は、その年の所得によって決まります。
- 現年分離課税される退職金は、原則としてふるさと納税の限度額を増やしません。
- 限度額の計算には、原則として退職所得を除く住民税所得割額を用います。
- 退職所得に係る住民税は、原則として退職金の支払時に会社が徴収します。
- 原則として退職金を除き、給与所得などに係る住民税所得割額が基準となります。
例えば、大学・大学院卒(管理・事務・技術職)で自己都合により退職する場合、退職給付額の平均は 14,410,000円 です。この退職金から退職所得控除額を差し引いて計算した退職所得は分離課税され、原則としてふるさと納税の限度額を変動させません。
ただし、実際の限度額は退職所得控除額や他の所得、家族構成によって異なります。
退職金に関する詳しい計算や手続きについては、税金の仕組みや退職金シミュレーターも参考にしてください。
この記事の根拠(本文内51か所・台帳17項目・一次資料1件)
制度の数値(台帳から出しています)
- 退職給付額の平均:大学・大学院卒(管理・事務・技術職)・自己都合14,410,000円時点:令和5年調査(令和4年1年間)確認:2026-07-26厚生労働省|令和5年就労条件総合調査 結果の概況
- 退職給付額の平均:大学・大学院卒(管理・事務・技術職)・定年18,960,000円時点:令和5年調査(令和4年1年間)確認:2026-07-26厚生労働省|令和5年就労条件総合調査 結果の概況
- 退職給付額の平均:大学・大学院卒(管理・事務・技術職)・会社都合17,380,000円時点:令和5年調査(令和4年1年間)確認:2026-07-26厚生労働省|令和5年就労条件総合調査 結果の概況
- 退職給付額の平均:大学・大学院卒(管理・事務・技術職)・早期優遇22,660,000円時点:令和5年調査(令和4年1年間)確認:2026-07-26厚生労働省|令和5年就労条件総合調査 結果の概況
- 退職給付額の平均:高校卒(管理・事務・技術職)・定年16,820,000円時点:令和5年調査(令和4年1年間)確認:2026-07-26厚生労働省|令和5年就労条件総合調査 結果の概況
- 退職給付額の平均:高校卒(管理・事務・技術職)・会社都合13,850,000円時点:令和5年調査(令和4年1年間)確認:2026-07-26厚生労働省|令和5年就労条件総合調査 結果の概況
- 退職給付額の平均:高校卒(管理・事務・技術職)・自己都合12,800,000円時点:令和5年調査(令和4年1年間)確認:2026-07-26厚生労働省|令和5年就労条件総合調査 結果の概況
- 退職給付額の平均:高校卒(管理・事務・技術職)・早期優遇24,320,000円時点:令和5年調査(令和4年1年間)確認:2026-07-26厚生労働省|令和5年就労条件総合調査 結果の概況
- 退職給付額の平均:高校卒(現業職)・定年11,830,000円時点:令和5年調査(令和4年1年間)確認:2026-07-26厚生労働省|令和5年就労条件総合調査 結果の概況
- 退職給付額の平均:高校卒(現業職)・会社都合7,370,000円時点:令和5年調査(令和4年1年間)確認:2026-07-26厚生労働省|令和5年就労条件総合調査 結果の概況
- 退職給付額の平均:高校卒(現業職)・自己都合9,210,000円時点:令和5年調査(令和4年1年間)確認:2026-07-26厚生労働省|令和5年就労条件総合調査 結果の概況
- 退職給付額の平均:高校卒(現業職)・早期優遇21,460,000円時点:令和5年調査(令和4年1年間)確認:2026-07-26厚生労働省|令和5年就労条件総合調査 結果の概況
- 退職給付(一時金・年金)制度がある企業の割合74.9%時点:令和5年調査(令和4年1年間)確認:2026-07-26厚生労働省|令和5年就労条件総合調査 結果の概況
- 退職給付制度がある企業の割合(従業員1,000人以上)90.1%時点:令和5年調査(令和4年1年間)確認:2026-07-26厚生労働省|令和5年就労条件総合調査 結果の概況
- 退職給付制度がある企業の割合(従業員300〜999人)88.8%時点:令和5年調査(令和4年1年間)確認:2026-07-26厚生労働省|令和5年就労条件総合調査 結果の概況
- 退職給付制度がある企業の割合(従業員100〜299人)84.7%時点:令和5年調査(令和4年1年間)確認:2026-07-26厚生労働省|令和5年就労条件総合調査 結果の概況
- 退職給付制度がある企業の割合(従業員30〜99人)70.1%時点:令和5年調査(令和4年1年間)確認:2026-07-26厚生労働省|令和5年就労条件総合調査 結果の概況
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