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退職代行には、労働組合が運営するものと弁護士が担当するものがあります。組合が運営するサービスでは、組合員として団体交渉の形で会社と話し合える場合があります(労働組合法第6条)。ただし、訴訟や損害賠償の請求など法律事務にあたるものは弁護士に限られます(弁護士法第72条)。利用する前に、運営しているのがどこか、組合への加入がどうなるかを確かめてください。
派遣退職金はいくらもらえるか
派遣社員が退職金を受け取れるかどうかは、所属している派遣会社の制度によります。この記事では、退職金の計算方法や、金額に影響を与える条件、振り込みのタイミングについて解説します。
- 退職金の有無は法律で決まっておらず、会社の就業規則に基づきます
- 退職金の計算には勤続年数や退職理由が関わります
- 派遣会社によって制度の有無が異なります

派遣退職金はいくらもらえるか|計算の仕組みと具体例
派遣社員の退職手当の扱いは、派遣元が採用する派遣先均等・均衡方式または労使協定方式と、その具体的な規程・協定によって決まります。派遣先での勤務実績が直接反映されるわけではありません。

退職金の計算式は会社ごとに異なりますが、一般的には「退職金算定係数 × 退職時の基本給(または標準報酬月額) × 勤続年数」といった仕組みが用いられます。
標準報酬月額(毎月の給与を区切りのよい額に当てはめた、保険料を決めるための金額)が計算の基礎となる場合もあります。
ただし、退職金制度そのものが存在しないケースもあります。退職一時金制度の設置自体は法律上の義務ではありませんが、派遣元には、法定の方式により退職手当を含む待遇を確保する義務があります。
制度がある企業の割合は、全体では 74.9% です。ただし、従業員数によって割合は異なります。
従業員1,000人以上の企業では 90.1% ですが、30〜99人の規模では 70.1% となります。
| 学歴・職種 | 退職理由 | 退職給付額の平均 |
|---|---|---|
| 大学・大学院卒(管理・事務・技術職) | 定年 | 18,960,000円 |
| 大学・大学院卒(管理・事務・技術職) | 会社都合 | 17,380,000円 |
| 大学・大学院卒(管理・事務・技術職) | 自己都合 | 14,410,000円 |
| 大学・大学院卒(管理・事務・技術職) | 早期優遇 | 22,660,000円 |
| 高校卒(管理・事務・技術職) | 定年 | 16,820,000円 |
| 高校卒(管理・事務・技術職) | 会社都合 | 13,850,000円 |
| 高校卒(管理・事務・技術職) | 自己都合 | 12,800,000円 |
| 高校卒(管理・事務・技術職) | 早期優遇 | 24,320,000円 |
| 高校卒(現業職) | 定年 | 11,830,000円 |
| 高校卒(現業職) | 会社都合 | 7,370,000円 |
| 高校卒(現業職) | 早期優遇 | 21,460,000円 |
(もとにした一次情報:令和5年就労条件総合調査 結果の概況、厚生労働省)
図から、学歴や退職の理由によって、受け取れる金額の平均に差があることがわかります。
ただし、これらの数値は勤続20年以上かつ45歳以上の退職者に限った平均値です。
計算式に使われる言葉の意味|標準報酬月額など
退職金の計算式には、専門的な言葉がいくつか登場します。それぞれの言葉が何を指しているのかを正しく理解することが、正確な金額を把握するための第一歩です。

退職金の有無を左右する制度の仕組み
退職金は法律で支払いが義務付けられているものではありません。会社が定める就業規則や退職金規程の定めが、支払いの根拠となります。
厚生労働省の調査によると、退職給付制度(退職時に支払われる一時金や年金などの制度)がある企業の割合は、企業の規模によって異なります。
| 企業の規模(従業員数) | 制度がある割合 |
|---|---|
| 全体 | 74.9% |
| 1,000人以上 | 90.1% |
| 300〜999人 | 88.8% |
| 100〜299人 | 84.7% |
| 30〜99人 | 70.1% |
(もとにした一次情報:令和5年就労条件総合調査 結果の概況、厚生労働省)
表から、従業員の数が多い企業ほど、退職給付制度を導入している割合が高い傾向にあることがわかります。ただし、小規模な企業では制度がない場合もあります。
計算の基礎となる項目
退職金の計算において、実際の給与額そのものではなく、特定の基準となる数値が用いられることがあります。計算式に組み込まれる主な項目を整理しましょう。
会社によって計算ルールは異なります。ご自身の契約内容や就業規則を事前に確認することが大切です。また、税金の計算で用いられる「退職所得控除」などの用語も重要です。
例えば、勤続年数が20年以下の場合は、400,000円に勤続年数を乗じた額が控除の目安となります。ただし、800,000円を下回ることはありません。
勤続年数が20年を超える場合は、計算方法が変わります。基礎となる8,000,000円に、20年を超えた期間分として700,000円を乗じた額が加算されます。
なお、役員等以外で勤続年数が5年以下の場合は、短期退職手当等として扱われることがあります。退職所得控除額ではなく、控除後の残額に対する2分の1課税の適用が一部異なるため注意が必要です。
派遣社員の退職金が変わる条件|勤続年数や退職理由
退職金の額を左右する要素には、勤続年数や退職の理由があります。派遣元となる会社が定める規程によって、計算の仕組みは異なります。

勤続年数が長くなるほど、退職金の額が増える仕組みを採用している会社が多く見られます。一方で、勤続年数が短い場合は、支給の対象外となることもあります。
退職の理由によっても、受け取れる金額が変わる場合があります。自己都合による退職か、会社都合による退職かによって、支給率が調整されるケースです。
厚生労働省の調査(令和5年就労条件総合調査)によると、退職給付額の平均は、高校卒(現業職)で自己都合退職の場合、9,210,000円となっています。ただし、これは勤続20年以上かつ45歳以上の退職者に限るデータです。
退職金の額に影響を与える主な条件は、以下の通りです。
- 勤続年数(会社に在籍した期間)
- 退職の理由(自己都合か会社都合か)
- 退職時の年齢
- 役職や職種
規程の内容によっては、特定の条件を満たさないと退職金が支払われないこともあります。ご自身の契約内容や、派遣元の就業規則を事前に確認することが大切です。
退職金の額が変動する具体的なケースとして、以下の例外が挙げられます。
まず、勤続年数が極めて短い場合です。会社によっては、勤続年数が一定期間に満たないと、退職金の支給対象から外れることがあります。ただし、規程により定めが異なります。
次に、退職の理由による違いです。会社都合による退職であれば、自己都合よりも支給額が手厚くなる傾向があります。一方で、自己都合の場合は支給率が低く設定されることがあります。
また、退職時の年齢も影響します。定年退職か、それ以前の自己都合退職かによって、計算に用いる係数が変わる場合があります。ただし、これは派遣元の退職金規程によります。
最後に、役職や職種による違いです。管理職としての経験や、特定の専門職種に従事しているかどうかで、計算の基礎となる数値が変動するケースがあります。ただし、一律ではありません。
退職金の詳細な条件については、派遣元の担当窓口や、就業規則(退職金規程)を直接確認しましょう。契約更新のタイミングなどで、規程の変更がないかも併せて確認しておくと安心です。
退職金が振り込まれる時期と受け取りの手順
派遣元に在籍したまま休職している場合
病気や怪我などで会社を休み、退職せずに休職している状態では、退職金はまだ支払われません。ただし、労使協定方式で前払い退職金を採用している場合は、在職中の賃金に上乗せして支払われます。

休職期間中に退職金が増えるかどうかは、派遣元の就業規則によります。休職期間を勤続年数に含めるかどうかは、会社ごとにルールが異なります。
ただし、休職期間が一定期間を超えると、勤続年数の算定から除外されるケースもあります。ご自身の状況がどちらに該当するかは、派遣元の就業規則や退職金規程を事前に確認することが大切です。
退職して雇用関係が終了する場合
退職手当制度による退職金は規程所定の時期に支払われますが、中退共などでは本人の請求後に外部機関から支払われます。支払いのタイミングは、派遣元の規程によって異なります。
退職後すぐに振り込まれるケースもあれば、数か月後の決まった支給日にまとめて支払われるケースもあります。振込口座の指定が必要な場合は、退職前に手続きを済ませておくとスムーズです。
退職時に会社から受け取る書類には、退職金の計算根拠や振込予定日が記載されていることがあります。内容に不明な点がある場合は、派遣元の担当部署へ確認してください。
なお、退職金に関するトラブルが発生し、会社との交渉が必要な場合は、弁護士へ相談してください。ここでは、会社との交渉を代行することはできません(弁護士法72条)。
受け取り時期や方法が異なるケース
退職金の受け取り方は、一律ではありません。以下のようなケースでは、通常の支払い時期や方法と異なる場合があります。
1つ目は、退職金が「一時金」ではなく「年金」として支払われるケースです。この場合、一度に全額を受け取るのではなく、決められた期間にわたって分割で受け取ることになります。
2つ目は、確定給付企業年金(DB)などの外部機関を通じて支払われるケースです。この場合、派遣元ではなく、年金基金などの管理団体から直接振り込まれることがあります。
3つ目は、退職所得控除の適用を受けるために、受け取り時期を調整するケースです。退職金の額が大きい場合、税負担を考慮して受け取り方を検討する人がいます。
ただし、具体的な税務判断は税理士へ相談してください。
4つ目は、退職金が「短期退職手当等」に該当し、退職所得の計算方法が一部変わるケースです。役員等以外で勤続年数が 5年 以下のものは、短期退職手当等に該当する場合があります。
派遣の退職金に関するよくある勘違い
派遣先での勤務期間が長いほど、退職金は多くなりますか?
いいえ、派遣先での勤務期間は、退職金の計算に直接反映されないことが一般的です。退職金の計算の基礎となるのは、派遣元となる会社との雇用期間です。
ただし、派遣元の規程において、派遣先での実績や貢献度を評価に組み込む例外的なケースもあります。詳細は所属する派遣元の就業規則を確認してください。
退職金を受け取るためには、必ず会社と交渉しなければなりませんか?
いいえ、退職金は会社が定める規程の要件を満たしていれば、所定の手続きによって受け取れます。規程に基づいた金額が支払われる場合、個別の交渉は不要です。
もし、規程通りの支払いがなされないなどの問題がある場合は、労働基準監督署などの公的機関や、専門家への相談を検討してください。
退職金から引かれる税金は、後からまとめて請求されますか?
いいえ、退職所得に係る住民税は、原則として退職金の支払時に会社によって差し引かれます。これを特別徴収といいます。
所得税についても、退職所得控除を適用した後の金額に対して計算され、支払時に源泉徴収されるのが一般的です。ただし、「退職所得の受給に関する申告書」を提出しない場合は、支給額の20.42%が源泉徴収されます。
派遣社員は、正社員に比べて退職金をもらえない仕組みになっていますか?
いいえ、派遣社員であっても、派遣元の就業規則や退職金規程に定めがあれば、退職金を受け取れる場合があります。派遣社員の退職手当の扱いは、派遣元が採用する待遇決定方式と、その規程・労使協定によって決まります。
厚生労働省の調査によると、退職金制度がある企業の割合は 74.9% となっています。要件を満たせば、派遣社員の方も対象となる仕組みです。
まとめ
派遣社員の退職金に関する重要事項を整理します。
- 退職金の有無や計算ルールは、派遣元の就業規則や退職金規程に基づきます。
- 計算の基礎となるのは、派遣先での勤務期間ではなく派遣元との雇用期間です。
- 退職所得に係る住民税は、原則として支払時に会社が差し引く特別徴収となります。
- 退職金の額は、自己都合か会社都合かといった退職理由によって変動します。
- ただし、規程により退職理由に関わらず一律の金額が定められている場合もあります。
退職金の制度がある企業の割合は、従業員数によって異なります。例えば、従業員数30〜99人の企業では70.1%となっています。
詳細な仕組みや税金の計算については、退職金の解説ページや税金の解説ページもあわせて確認してください。
この記事の根拠(本文内41か所・台帳23項目・一次資料3件)
制度の数値(台帳から出しています)
- 退職給付(一時金・年金)制度がある企業の割合74.9%時点:令和5年調査(令和4年1年間)確認:2026-07-26厚生労働省|令和5年就労条件総合調査 結果の概況
- 退職給付制度がある企業の割合(従業員1,000人以上)90.1%時点:令和5年調査(令和4年1年間)確認:2026-07-26厚生労働省|令和5年就労条件総合調査 結果の概況
- 退職給付制度がある企業の割合(従業員30〜99人)70.1%時点:令和5年調査(令和4年1年間)確認:2026-07-26厚生労働省|令和5年就労条件総合調査 結果の概況
- 退職給付額の平均:大学・大学院卒(管理・事務・技術職)・定年18,960,000円時点:令和5年調査(令和4年1年間)確認:2026-07-26厚生労働省|令和5年就労条件総合調査 結果の概況
- 退職給付額の平均:大学・大学院卒(管理・事務・技術職)・会社都合17,380,000円時点:令和5年調査(令和4年1年間)確認:2026-07-26厚生労働省|令和5年就労条件総合調査 結果の概況
- 退職給付額の平均:大学・大学院卒(管理・事務・技術職)・自己都合14,410,000円時点:令和5年調査(令和4年1年間)確認:2026-07-26厚生労働省|令和5年就労条件総合調査 結果の概況
- 退職給付額の平均:大学・大学院卒(管理・事務・技術職)・早期優遇22,660,000円時点:令和5年調査(令和4年1年間)確認:2026-07-26厚生労働省|令和5年就労条件総合調査 結果の概況
- 退職給付額の平均:高校卒(管理・事務・技術職)・定年16,820,000円時点:令和5年調査(令和4年1年間)確認:2026-07-26厚生労働省|令和5年就労条件総合調査 結果の概況
- 退職給付額の平均:高校卒(管理・事務・技術職)・会社都合13,850,000円時点:令和5年調査(令和4年1年間)確認:2026-07-26厚生労働省|令和5年就労条件総合調査 結果の概況
- 退職給付額の平均:高校卒(管理・事務・技術職)・自己都合12,800,000円時点:令和5年調査(令和4年1年間)確認:2026-07-26厚生労働省|令和5年就労条件総合調査 結果の概況
- 退職給付額の平均:高校卒(管理・事務・技術職)・早期優遇24,320,000円時点:令和5年調査(令和4年1年間)確認:2026-07-26厚生労働省|令和5年就労条件総合調査 結果の概況
- 退職給付額の平均:高校卒(現業職)・定年11,830,000円時点:令和5年調査(令和4年1年間)確認:2026-07-26厚生労働省|令和5年就労条件総合調査 結果の概況
- 退職給付額の平均:高校卒(現業職)・会社都合7,370,000円時点:令和5年調査(令和4年1年間)確認:2026-07-26厚生労働省|令和5年就労条件総合調査 結果の概況
- 退職給付額の平均:高校卒(現業職)・早期優遇21,460,000円時点:令和5年調査(令和4年1年間)確認:2026-07-26厚生労働省|令和5年就労条件総合調査 結果の概況
- 退職給付額の平均:高校卒(現業職)・自己都合9,210,000円時点:令和5年調査(令和4年1年間)確認:2026-07-26厚生労働省|令和5年就労条件総合調査 結果の概況
- 退職給付制度がある企業の割合(従業員300〜999人)88.8%時点:令和5年調査(令和4年1年間)確認:2026-07-26厚生労働省|令和5年就労条件総合調査 結果の概況
- 退職給付制度がある企業の割合(従業員100〜299人)84.7%時点:令和5年調査(令和4年1年間)確認:2026-07-26厚生労働省|令和5年就労条件総合調査 結果の概況
- 退職所得控除額の単価(勤続20年以下)400,000円時点:令和7年4月1日現在法令等確認:2026-07-26国税庁|No.1420 退職金を受け取ったとき(退職所得)
- 退職所得控除額の最低額800,000円時点:令和7年4月1日現在法令等確認:2026-07-26国税庁|No.1420 退職金を受け取ったとき(退職所得)
- 退職所得控除額の定額部分(勤続20年超)8,000,000円時点:令和7年4月1日現在法令等確認:2026-07-26国税庁|No.1420 退職金を受け取ったとき(退職所得)
- 退職所得控除額の単価(勤続20年超の1年あたり)700,000円時点:令和7年4月1日現在法令等確認:2026-07-26国税庁|No.1420 退職金を受け取ったとき(退職所得)
- 短期退職手当等に当たる勤続年数の上限5年時点:令和7年4月1日現在法令等確認:2026-07-26国税庁|No.1420 退職金を受け取ったとき(退職所得)
- 「退職所得の受給に関する申告書」を出さなかったときの源泉徴収の率20.42%時点:2026-08確認:2026-08-24国税庁|No.2732 退職手当等に対する源泉徴収
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