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確定拠出年金と退職金を別々の年に受け取る場合

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確定拠出年金と退職金を別々の年に受け取ると、税金の計算が変わることがあります

退職金や確定拠出年金(企業型DC)を、受け取る年を分けて管理している方へ。受け取り時期がずれると、退職所得控除(退職金にかかる税金を計算するための控除)の適用ルールが変わる場合があります。この記事では、受け取り額の目安や、制度の仕組みについて解説します。

  • 受け取り時期によって税額が変わるケースがある
  • 退職金の平均額は勤続年数や退職理由で異なる
  • 退職金制度の有無は企業の規模によって傾向がある

最終更新: / 出典: 厚生労働省

確定拠出年金と退職金を別々の年に受け取るといくらになるか

確定拠出年金と退職金を別々の年に受け取ると、税金の計算方法が変わります。
受け取り方の組み合わせによって、手元に残る金額が変化することがあります。

退職所得(退職によって支払われる所得)の計算では、退職所得控除を使います。
同じ年に両方を受け取ると、控除額を分け合う形になります。

一方、受け取る年を分けると、それぞれの年に控除を適用できる場合があります。
ただし、受け取り方の順序や間隔によっては、控除の再利用が制限される仕組みがあります。

具体的な金額のイメージを確認するために、一つの例を挙げます。
以下の表は、厚生労働省の調査に基づいた退職給付額の平均値です。

退職給付額の平均(大学・大学院卒、管理・事務・技術職、定年退職者)
対象者 退職給付額の平均
勤続20年以上かつ45歳以上 18,960,000円

(令和5年就労条件総合調査 結果の概況、厚生労働省)

参考:令和5年就労条件総合調査 結果の概況|厚生労働省

この金額は、一時金と年金現価額の合計です。
実際の受取額は、個人の勤続年数や加入期間によって異なります。

別々の年に受け取る場合の計算は、以下の要素によって決まります。

  • 退職所得控除の計算に使う勤続年数
  • 確定拠出年金の受取方法(一時金か年金か)
  • 退職金を受け取った後の経過年数

税負担の仕組みは、受け取り方の選択によって以下のように異なります。

  • 確定拠出年金を「年金」として受け取る場合:公的年金等控除が適用されます。
  • 確定拠出年金を「一時金」として受け取る場合:退職所得として計算されます。
  • 退職金とDCを同じ年に受け取る場合:両方の支給額を合計し、一つの退職所得控除額を適用します。
  • 退職金とDCを数年空けて受け取る場合:前年以前の受取状況により控除が制限されます。

ただし、以下のケースでは計算や控除の適用が通常と異なる場合があります。

  • 会社都合による退職の場合:退職理由だけで退職所得の税計算が変わることはありません。
  • 受取方法を「一時金」と「年金」で併用する場合:それぞれの所得区分で計算します。
  • 退職所得控除の計算期間が重複する場合:重複期間の控除額が調整されることがあります。
  • 確定拠出年金の加入期間が勤続年数と異なる場合:それぞれの期間に基づき計算します。

税金の計算は複雑なため、事前の確認が要ります。
具体的な税額については、管轄の税務署へ相談してください。

いま、確定拠出年金と退職金を別々の年に受け取る場合の計算を確認している状態だとします。どちらをしたいですか。

当てはまらない方法を選ぶ必要はありません。いまの自分に近いほうを選んでください。

自分で進める場合は、次の手順が必要です。

  • 必要な書類をそろえる
  • 計算方法を調べて自分で当てはめる
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ここまで自分でやるのが大変だと感じたら、任せることもできます。

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計算に使う言葉の意味

退職金の税金を計算する際には、いくつかの言葉の意味を整理しておく必要があります。
これらは、受け取る金額や税金の額を左右する重要な要素です。

学歴や職種による退職給付額の目安

退職金として受け取る金額の目安を知ることは、将来の計画を立てる上で役立ちます。
厚生労働省の調査による、学歴や退職の理由別の平均額をまとめました。

学歴・職種・退職理由別の退職給付額の平均(勤続20年以上かつ45歳以上)
学歴・職種 退職理由 退職給付額の平均
大学・大学院卒(管理・事務・技術職) 会社都合 17,380,000円
大学・大学院卒(管理・事務・技術職) 自己都合 14,410,000円
大学・大学院卒(管理・事務・技術職) 早期優遇 22,660,000円
大学・大学院卒(管理・事務・技術職) 定年 18,960,000円
高校卒(管理・事務・技術職) 会社都合 13,850,000円
高校卒(管理・事務・技術職) 自己都合 12,800,000円
高校卒(管理・事務・技術職) 早期優遇 24,320,000円
高校卒(管理・事務・技術職) 定年 16,820,000円
高校卒(現業職) 定年 11,830,000円
高校卒(現業職) 会社都合 7,370,000円
高校卒(現業職) 自己都合 9,210,000円
高校卒(現業職) 早期優遇 21,460,000円

(令和5年就労条件総合調査 結果の概況、厚生労働省)

早期優遇(青緑)がどの学歴でも最高定年大学卒1,896万円高卒・事務1,682万円高卒・現業1,183万円会社の都合大学卒1,738万円高卒・事務1,385万円高卒・現業737万円自分の都合大学卒1,441万円高卒・事務1,280万円高卒・現業921万円早期優遇大学卒2,266万円高卒・事務2,432万円高卒・現業2,146万円
学歴と辞め方で違う退職給付額の平均制度の適用時点:令和5年調査(令和4年1年間)/確認日:2026-07-26/出典:厚生労働省

この表から、学歴や職種、退職の理由によって、受け取る金額の平均に差があることがわかります。
ただし、これらはあくまで平均値であり、個別の支給額は就業規則等により異なります。

退職所得の計算に関わる要素

税金の計算式に組み込まれる、主な要素について説明します。
これらは、退職所得控除(勤続年数などに応じて差し引ける金額)の計算に影響します。

退職所得控除の基礎となる「勤続年数」は、会社に在籍していた期間を指します。
確定拠出年金を一時金で受け取る場合は、掛金の拠出期間等を基に勤続年数を計算します。

また、退職金を受け取った後の経過年数も、税金の計算において考慮される場合があります。
ただし、受け取りのタイミングや制度の種類によって、適用されるルールは異なります。

具体的には、以下のようなケースで計算方法や控除の適用が変わる可能性があります。

  • 退職金と確定拠出年金を、同じ年に受け取る場合
  • 退職金と確定拠出年金を、異なる年に受け取る場合
  • 確定拠出年金を「一時金」ではなく「年金」として受け取る場合

それぞれの要素が、最終的な手取り額にどのように関わるかを把握しておくことが大切です。

参考:令和5年就労条件総合調査 結果の概況|厚生労働省

退職金制度がある企業の割合と金額が変わる条件

退職金や年金といった退職給付制度は、すべての企業に義務付けられているわけではありません。
法律で支払いが決まっているものではなく、各企業の就業規則や退職金規程によって決まります。

厚生労働省の調査によると、退職給付(一時金や年金などの制度)がある企業の割合は 74.9% です。

参考:令和5年就労条件総合調査 結果の概況|厚生労働省

制度の有無は企業の規模によっても異なり、従業員1,000人以上の企業では 90.1% となっています。
ただし、中小規模の企業では割合が低くなる傾向があります。

従業員数別の制度導入割合を見ると、30〜99人の企業では 70.1% です。
一方で、100〜299人の企業では 84.7% となっています。

退職金の金額は、主に以下の要素によって変動します。
勤続年数や退職の理由、役職、職種、そして基本給に一定の倍率をかけるといった計算方法が関わります。

例えば、大学・大学院卒(管理・事務・技術職)で定年退職する場合の平均額は 18,960,000円 です。
ただし、これはあくまで平均であり、個々の受給額は勤務先の規程により異なります。

退職の理由によっても、受給できる金額の目安は大きく変わります。
早期退職優遇制度が適用される場合、平均額は 22,660,000円 と高くなる傾向があります。

一方で、自己都合による退職の場合、大学・大学院卒(管理・事務・技術職)の平均額は 14,410,000円 です。
会社都合による退職では 17,380,000円 となり、理由によって差が生じます。

また、職種によっても金額の傾向は異なります。
高校卒(現業職)で定年退職する場合の平均額は 11,830,000円 です。

具体的な受給額や計算ルールを正確に把握するには、勤務先の総務・人事部門へ確認してください。
税金の計算については、管轄の税務署や税理士などの専門家へ相談することをおすすめします。

いつ、どのような方法で振り込まれるか

退職金や確定拠出年金を受け取る時期や方法は、勤務先の制度や加入しているプランによって分かれます。受け取りのタイミングは、退職後の生活設計に関わる重要な要素です。

会社から退職金を受け取る場合

退職金は、会社が定める規程(社内のルール)に従って支払われます。退職後、一定の期間が経過した後に、指定した銀行口座へ振り込まれるのが一般的です。

支払いの時期は、退職から数か月後になることもあります。ただし、会社の規定により、退職後すぐに支払われるケースや、数年後に支払われるケースもあります。

正確な時期や振込手順については、勤務先の総務部や人事部の担当部署へ確認してください。また、退職時に提出する書類に不備があると、支払いが遅れる可能性があります。

企業の規模別における退職給付制度の導入状況
従業員数 制度がある企業の割合 調査年
1,000人以上 90.1% 令和5年
300〜999人 88.8% 令和5年
100〜299人 84.7% 令和5年
30〜99人 70.1% 令和5年

(もとにした一次情報:令和5年就労条件総合調査 結果の概況、確認日:2026-08-23)

参考:令和5年就労条件総合調査 結果の概況|厚生労働省

確定拠出年金を受け取る場合

確定拠出年金は、運営管理機関(年金の管理を行う金融機関)を通じて受け取ります。退職後、一定の要件を満たした段階で、手続きを行うことで受給が可能になります。

受け取り方は、一時金(まとめて受け取る方法)か、年金(分割で受け取る方法)かによって異なります。どちらの方法を選ぶかは、ご自身の状況に合わせて検討が必要です。

ただし、受け取り方法の選択には、受給開始年齢や加入期間などの条件が関わります。手続きは、加入している金融機関の窓口や、専用のオンラインサイトで行うのが一般的です。

また、転職などで加入先を変更する場合、資産を移換する手続きが必要になることもあります。手続きを忘れると、資産が自動的に「特定運営管理機関」へ移される場合があるため注意が必要です。

確定拠出年金の受給にあたっては、以下のようなケースで手続きや受け取り方が変わる場合があります。

  • 転職により、新しい勤務先の企業型確定拠出年金へ資産を移換する場合
  • iDeCo(個人型確定拠出年金)へ資産を移換し、継続して運用する場合
  • 受給開始年齢前に、例外的な脱退一時金の要件をすべて満たして受け取る場合
  • 年金形式を選択し、一定期間にわたって分割で受け取る場合

なお、受給開始時期や具体的な手続きの流れは、加入している金融機関の規約により異なります。詳細は、運営管理機関から届く案内を確認するか、直接窓口へ問い合わせてください。

確定拠出年金と退職金の受け取りに関するよくある勘違い

確定拠出年金と退職金を同じ年に受け取れば、税金は安くなりますか。

同じ年に受け取っても、税金の計算上有利になるとは限りません。

同じ年の退職手当等は、原則として合計額に対して退職所得控除を適用します。

ただし、受取額の合計が大きくなると、適用される税率が上がることもあります。

退職金を別々の年に受け取ると、退職所得控除を二度使えますか。

受取年を分けると各年で控除額を計算しますが、一定期間内に重複する勤続期間等は調整されます。

退職金の後にDC一時金を受け取る場合は前年以前19年内、DC一時金の後に退職金を受け取る場合は前年以前9年内が調整対象です。

ただし、受取時期や勤続年数の数え方により、計算結果は異なります。

確定拠出年金を一時金で受け取るとき、住民税は後から請求されますか。

いいえ、退職所得の住民税は、原則として支払時に退職手当等の支払者が徴収します。

これを特別徴収と呼び、給与や退職金から直接差し引く仕組みです。

ただし、支払いのタイミングや方法は、お勤め先の制度により異なります。

退職金の計算で、退職所得控除額を自分で計算して会社に伝えてもよいですか。

いいえ、退職所得控除額の計算は、原則として退職手当等の支払者が行います。

支払者は、申告された勤続年数や過去の受給歴をもとに、税法に従って計算します。

もし計算結果に疑問がある場合は、勤務先の担当部署へ確認してください。

退職所得の計算において、注意すべき例外はありますか。

退職所得控除の計算には、受取方法や期間によって例外が生じます。

例えば、確定拠出年金を年金形式で受け取る場合は、退職所得ではなく公的年金等控除の対象となります。

また、前年以前に退職金を受け取っている場合、控除額が調整されることがあります。

さらに、役員等以外で勤続年数が5年以下の短期退職手当等では、控除後の退職所得の計算方法が異なります。

参考:国税庁|国税庁

まとめ

確定拠出年金と退職金を別々の年に受け取る際のポイントを整理します。

  • 受け取り時期や組み合わせによって、退職所得控除の適用方法や税額が変わります。
  • 退職所得の住民税は、原則として退職金の支払時に会社を通じて徴収されます。
  • 退職所得控除額の正確な計算は、原則として退職手当等の支払者が行います。
  • ただし、確定拠出年金を自身で管理する金融機関から受け取る場合は、別途手続きが必要です。
  • また、会社が退職所得の計算を適切に行えない例外的なケースも存在します。

将来の生活設計を立てるために、税金の仕組みや退職金の制度について、あらかじめ理解を深めておくことが役立ちます。

この記事の根拠(本文内38か所・台帳17項目・一次資料2件)

制度の数値(台帳から出しています)

一次資料

数値は一次情報で確かめてから台帳に入れています(情報源について)。リンク先の内容が変わっているのを見つけたら訂正の受付までお知らせください。

この記事の編集責任者

JPSM INTERNET SERVICE 代表

小笠原 治輝おがさわら はるき

休職から退職までの手続きを自分で経験しました。傷病手当金の申請、雇用保険の受給期間延長、健康保険と年金の切り替えを実際に進めた経験があります。記事は、厚生労働省・e-Gov法令検索・ハローワークの一次情報と突き合わせて確認しています。