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確定給付企業年金と退職金の違いとは

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確定給付企業年金と退職金の違いは、将来もらえる額が決まっているかどうかにあります

会社を辞める際にもらえるお金には、確定給付企業年金と退職金の2種類があります。どちらも老後の生活を支えるためのものですが、制度の仕組みや受け取りのルールが異なります。この記事では、それぞれの違いを整理して解説します。

  • 確定給付企業年金は将来の給付額が約束されている制度です
  • 退職金は会社が定める規程に基づき支払われるお金です
  • 企業年金は退職金の一部として組み込まれるケースがあります

最終更新: / 出典: 厚生労働省

確定給付企業年金と退職金は、受け取り方や仕組みが異なります

退職給付には「退職一時金」と「企業年金」があり、確定給付企業年金(DB)は企業年金の一つです。これらは、将来もらえる金額の決まり方や、受け取りの仕組みが異なります。

退職金は、会社が独自に定めるルールに基づいて支払われるものです。一方、確定給付企業年金は、規約で定めた算定方法による給付額を、年金形式などで受け取る仕組みです。

どちらの制度が導入されているかは、企業の規模によって傾向が分かれます。厚生労働省の調査による、従業員数ごとの退職給付制度がある企業の割合は以下の通りです。

退職給付制度がある企業の割合(令和5年)
企業の規模(従業員数) 制度がある割合
1,000人以上 90.1%
300〜999人 88.8%
100〜299人 84.7%
30〜99人 70.1%

(もとにした一次情報:令和5年就労条件総合調査 結果の概況、確認日:2026-08-23)

参考:令和5年就労条件総合調査 結果の概況|厚生労働省

表からわかるように、従業員数が多い企業ほど、退職給付制度を導入している割合が高い傾向にあります。ただし、制度の有無は企業の判断に委ねられています。

退職金は法律で支払いが義務付けられたものではありません。就業規則や退職金規程のほか、労働協約や労働契約などに支給条件が定められている場合、会社は支払いの義務を負います。

一方、確定給付企業年金は、確定給付企業年金法などの法令に基づき、事業主または企業年金基金が実施する仕組みです。制度の詳細は、勤務先の年金規程を確認してください。

制度の内容や受け取り時期は、勤務先の規定によって異なります。ご自身の状況については、会社の就業規則や年金規程を事前に確認してください。

確定給付企業年金は、法令によってその運営が定められています。読みどころは、将来受け取る金額の算定方法が規約によってあらかじめ決まっている点です。

退職金の支給額は、勤続年数や役職、退職理由によって変動するケースが一般的です。例えば、自己都合退職か定年退職かによって、支給割合が異なる場合があります。

確定給付企業年金の場合、給付の仕組みは規程に基づき、年金または一時金として受け取ります。ただし、規程の内容によっては、受け取り方法に制限がある場合もあります。

制度の詳細は、勤務先の担当部署や、厚生労働省の資料、または制度を実施する事業主・企業年金基金へ問い合わせることで、より具体的な情報を得られます。

いま、確定給付企業年金と退職金の違いを踏まえ、受給方法を調べている状態だとします。どちらをしたいですか。

当てはまらない方法を選ぶ必要はありません。いまの自分に近いほうを選んでください。

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確定給付企業年金と退職金の主な違い

以下の調査額は、退職一時金と退職年金の年金現価額を含む退職給付額です。厚生労働省の調査結果から、学歴や退職の理由による退職給付額の平均を見てみましょう。

退職給付額の平均(令和5年)
学歴・職種 退職の理由 平均額
大学・大学院卒(管理・事務・技術職) 定年 18,960,000円
大学・大学院卒(管理・事務・技術職) 会社都合 17,380,000円
大学・大学院卒(管理・事務・技術職) 自己都合 14,410,000円
大学・大学院卒(管理・事務・技術職) 早期優遇 22,660,000円
高校卒(管理・事務・技術職) 定年 16,820,000円
高校卒(管理・事務・技術職) 会社都合 13,850,000円
高校卒(管理・事務・技術職) 自己都合 12,800,000円
高校卒(管理・事務・技術職) 早期優遇 24,320,000円
高校卒(現業職) 定年 11,830,000円
高校卒(現業職) 会社都合 7,370,000円
高校卒(現業職) 自己都合 9,210,000円
高校卒(現業職) 早期優遇 21,460,000円

(もとにした一次情報:令和5年就労条件総合調査 結果の概況、確認日:2026-08-23)

早期優遇(青緑)がどの学歴でも最高定年大学卒1,896万円高卒・事務1,682万円高卒・現業1,183万円会社の都合大学卒1,738万円高卒・事務1,385万円高卒・現業737万円自分の都合大学卒1,441万円高卒・事務1,280万円高卒・現業921万円早期優遇大学卒2,266万円高卒・事務2,432万円高卒・現業2,146万円
学歴と辞め方で違う退職給付額の平均制度の適用時点:令和5年調査(令和4年1年間)/確認日:2026-07-26/出典:厚生労働省

学歴や退職の理由によって、受け取れる金額の平均には差が見られます。ただし、これらはあくまで平均値であり、個々の受給額は勤務先の規定や勤続年数によって大きく変動します。

例えば、大学・大学院卒(管理・事務・技術職)の定年退職における平均額は 18,960,000円 です。一方、高校卒(現業職)の定年退職では 11,830,000円 となっています。

退職の理由による違いも顕著です。大学・大学院卒(管理・事務・技術職)の場合、早期優遇による退職の平均額は 22,660,000円 と、定年時よりも高い傾向にあります。

一方で、高校卒(現業職)の会社都合による退職の平均額は 7,370,000円 です。自己都合による退職の平均額は 9,210,000円 となっています。

これらの数値は、勤続20年以上かつ45歳以上の退職者を対象とした調査結果に基づいています。自身の受給額を正確に把握するには、会社の就業規則や年金規程を直接確認することが重要です。

参考:令和5年就労条件総合調査 結果の概況|厚生労働省

退職金や企業年金の具体的な計算方法、支給条件、受取時期については、勤務先の総務・人事部門や、確定給付企業年金であれば事業主・企業年金基金へ問い合わせることで詳細を確認できます。

窓口では、一時金として受け取る場合の税金や、年金形式で受け取る際の受取期間についても相談可能です。

企業年金は退職金の一部として扱われることがあります

退職金と企業年金は、別々の制度として用意されている場合もあれば、組み合わされている場合もあります。

企業年金が退職金の一部として位置づけられているケースは、少なくありません。

退職給付制度の導入状況

会社が用意している制度の形によって、受け取り方の分類が変わります。

退職給付(一時金・年金)制度がある企業の割合は 74.9% です。

参考:令和5年就労条件総合調査 結果の概況|厚生労働省

ただし、企業の規模によってその割合には差があります。

従業員1,000人以上の企業では 90.1% と高い傾向にあります。

従業員300〜999人の企業では 88.8% となり、30〜99人の企業では 70.1% となっています。

退職金と企業年金の関係の例
制度の構成 内容のイメージ 受け取りの性質
退職金のみ 会社が定める退職金のみ 一時金として受け取る
退職金と企業年金 退職金と企業年金を併用 一時金と年金を組み合わせる
企業年金が退職金に含まれる 企業年金が退職金の枠組みの一部 企業年金分も退職金として扱う

受け取り方のパターンによる違い

制度の設計によって、受け取る際の手続きや性質が異なります。

退職金として一括で受け取る方法と、企業年金として分割で受け取る方法があります。

会社によっては、これらを組み合わせて受け取れる仕組みを整えている場合もあります。

例えば、退職金の一部を一時金で、残りを年金形式で受け取る「併用」の選択肢があるケースです。

ただし、受給開始時期や選択できる組み合わせは、各制度の規定により制限される場合があります。

受け取り方法の詳細は、勤務先の就業規則や退職金規程、または年金基金の規定を確認してください。

制度の根拠となる規定の確認

制度の具体的な内容は、会社が定める規程によって決まります。

支給対象となる条件や、勤続年数による計算方法、受給開始時期などは、規程ごとに細かく定められています。

退職時に「いくら、いつ、どのように」受け取れるかは、就業規則や退職金規程に加え、企業年金の規約も確認が必要です。

不明な点がある場合は、人事部や総務部などの担当窓口へ問い合わせるのが確実です。

読みどころは、退職給付という言葉が複数の制度を包括する概念である点です。

確定給付企業年金や退職金以外で備える方法

公的な制度を利用して備える方法

会社が用意する制度以外にも、将来のお金に備える仕組みはあります。
これらは、勤務先の制度導入の有無に左右されず、個人の状況に応じて活用できます。

例えば、公的な年金制度があります。
厚生年金保険などの仕組みを利用して、老後の資金を準備する考え方です。

ただし、受給できる金額は、現役時代の給与や加入期間によって変動します。
自身の加入状況については、年金事務所などの窓口で確認することが可能です。

また、税制上の優遇を受けながら資産を形成する仕組みもあります。
これらは、個人の判断で手続きを進めることが可能です。

公的な制度は、個人のライフプランに合わせて組み合わせることも検討できます。
ただし、制度ごとに受給開始年齢や条件が異なる点には注意が必要です。

自分で準備を進める方法

会社からの給付とは別に、自分自身で準備を進める選択肢があります。
会社がどのような制度を採用しているかに関わらず、検討できます。

毎月の給与の一部を、将来のために積み立てていく方法です。
自分で運用先を選べる仕組みもあります。

こうした方法は、会社が退職金制度を設けていない場合でも、
将来の備えとして検討する対象になります。
ただし、運用による元本割れのリスクがある点には注意が必要です。

具体的な積み立て方法には、所得税の控除を受けられる制度などがあります。
制度ごとに加入条件や拠出限度額が定められているため、事前の確認が重要です。

例えば、iDeCo(個人型確定拠出年金)などは、掛金の全額が所得控除の対象となります。
ただし、原則として60歳まで資産を引き出せないといった制限があります。

また、NISAのつみたて投資枠なども選択肢の一つです。
運用益が非課税になるメリットがありますが、元本保証ではない点に留意してください。

自身の資産状況や、いつ頃いくら必要なのかという目標に合わせて、
複数の方法を使い分けることが、より柔軟な備えにつながります。

参考:令和5年就労条件総合調査 結果の概況|厚生労働省

確定給付企業年金や退職金に関するよくある勘違い

確定給付企業年金があれば、退職金はもらえませんか?

いいえ、確定給付企業年金と退職金は、別々に用意されていることがあります。企業年金が退職金の一部として組み込まれているケースもあれば、両方の制度が独立して存在しているケースもあります。

制度の有無は企業の規模によっても異なります。従業員1,000人以上の企業では90.1%の割合で退職給付制度が存在しています 。

参考:令和5年就労条件総合調査 結果の概況|厚生労働省

ご自身の制度の詳細は、会社の就業規則や退職金規程を確認してください。ただし、規程に定めがない場合は支給されないこともあります。

退職金は、会社に請求すれば必ずすぐに支払われますか?

いいえ、支払われる時期は会社の規定によって決まります。退職後すぐに支払われる場合もあれば、数か月から数年かかる場合もあります。

支払いのタイミングは、退職金規程に記載されているのが一般的です。例えば、退職から3か月後に一括で支払われるといったルールが定められている場合があります。

あらかじめ就業規則などで確認しておくことが大切です。ただし、会社は資金繰りなどの事情を理由に、規程で定めた支払時期を一方的に遅らせることはできません。

退職金を受け取る際、税金は一切かかりませんか?

いいえ、退職金を受け取る際には税金がかかることがあります。退職金は「退職所得」として扱われます。

原則として、退職金から退職所得控除額を差し引いた残額の2分の1が、所得税や住民税の課税対象になります。控除額は勤続年数などによって計算されるため、事前に算出しておくと目安がわかります。

ただし、受け取り方(一時金か年金か)によって税金の計算方法が異なる点に注意が必要です。詳細な計算は税務署や税理士へ相談してください。

退職金の金額について、会社と交渉して増やすことはできますか?

交渉することはできますが、会社には増額に応じる義務はなく、合意がなければ原則として会社の規定に基づいて算出されます。

金額に納得がいかない場合や、法的な問題があると感じる場合は、弁護士へ相談してください。ここでは扱えません(弁護士法72条)。

ただし、会社側が規程に定められた計算式を誤って適用している場合は、修正を求めることが可能です。まずは規程と計算結果を照らし合わせましょう。

まとめ

退職時のお金に関するポイントを整理します。

  • 退職金は、会社が定める独自のルールに基づいて支払われるものです。
  • 確定給付企業年金は、規約で定めた算定方法による給付額を受け取る仕組みです。
  • これらは別々の制度として存在する場合もあれば、組み合わされている場合もあります。
  • 受け取れる金額の目安や、受け取りのタイミングは制度によって異なります。
  • 退職金には退職所得として税金がかかることがあります。

制度の詳細は、就業規則や退職金規程、または年金規程を確認してください。ただし、規程の改定により内容が変更される場合もあります。

退職給付制度がある企業の割合は、従業員数によって異なります。例えば、従業員1,000人以上の企業では 90.1% ですが、30〜99人の企業では 70.1% となっています 。

参考:令和5年就労条件総合調査 結果の概況|厚生労働省

税金の計算方法については税金の仕組みにまとめています。

この記事の根拠(本文内40か所・台帳17項目・一次資料1件)

制度の数値(台帳から出しています)

一次資料

数値は一次情報で確かめてから台帳に入れています(情報源について)。リンク先の内容が変わっているのを見つけたら訂正の受付までお知らせください。

この記事の編集責任者

JPSM INTERNET SERVICE 代表

小笠原 治輝おがさわら はるき

休職から退職までの手続きを自分で経験しました。傷病手当金の申請、雇用保険の受給期間延長、健康保険と年金の切り替えを実際に進めた経験があります。記事は、厚生労働省・e-Gov法令検索・ハローワークの一次情報と突き合わせて確認しています。