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退職金の制度とは?仕組みと主な種類

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退職代行には、労働組合が運営するものと弁護士が担当するものがあります。組合が運営するサービスでは、組合員として団体交渉の形で会社と話し合える場合があります(労働組合法第6条)。ただし、訴訟や損害賠償の請求など法律事務にあたるものは弁護士に限られます(弁護士法第72条)。利用する前に、運営しているのがどこか、組合への加入がどうなるかを確かめてください。

退職金の制度とは、会社が退職する従業員に支払うお金の仕組みです

退職金は、会社が従業員のこれまでの貢献に対して支払うものです。退職金の金額や受け取り方は、法律で一律に決まっているわけではなく、勤めている会社の就業規則や退職金規程によって異なります。この記事では、退職金の計算方法や、退職理由による違いについて解説します。

  • 退職金は法律上の義務ではなく、会社の規定に基づき支払われます
  • 退職理由や勤続年数によって金額が大きく変わることがあります
  • 受け取り方は一時金や年金など、会社によって選択肢が異なります

最終更新: / 出典: 厚生労働省

退職金の平均額と金額を左右する要素

退職金の金額は、会社が定めた計算式によって決まります。計算式は企業ごとに異なるため、就業規則や退職金規程を事前に確認することが重要です。

一般的な計算式には、勤続年数や退職時の基本給、退職理由などが用いられます。ただし、企業によっては役職や貢献度を反映する係数を設ける場合もあります。

計算の仕組みを理解するために、厚生労働省の調査による平均額の例を挙げます。以下の数値は、勤続20年以上かつ45歳以上の退職者を対象とした調査結果です。

  • 大学・大学院卒(管理・事務・技術職)・定年の場合:18,960,000円
  • 高校卒(管理・事務・技術職)・定年の場合:16,820,000円

参考:令和5年就労条件総合調査 結果の概況|厚生労働省

学歴や職種によって、受け取る額の目安が異なる傾向が見られます。例えば、大学・大学院卒の定年の平均額は18,960,000円です。

一方、高校卒(管理・事務・技術職)の定年の平均額は16,820,000円となっています。職種が「現業職」の場合は、金額が異なる可能性があります。

高校卒(現業職)の定年における平均額は11,830,000円です。職種によって計算の基礎となる要素が異なる場合があるため注意しましょう。

また、退職理由によっても支給額は変動します。自己都合退職の場合、定年退職や会社都合退職と比較して、支給額が低く設定されるケースが一般的です。

大学・大学院卒(管理・事務・技術職)の例では、定年の18,960,000円に対し、自己都合退職の平均額は14,410,000円となります。

会社都合退職の場合、大学・大学院卒(管理・事務・技術職)の平均額は17,380,000円です。退職の経緯により、支給割合が大きく変わる可能性があります。

早期優遇制度が適用される場合も、通常の退職金とは異なる計算がなされます。大学・大学院卒(管理・事務・技術職)の早期優遇時の平均額は22,660,000円です。

早期優遇は、会社が定める一定の条件を満たした際に適用されます。ただし、制度の有無や具体的な支給条件は、所属する会社の規定を必ず確認してください。

ご自身の退職金がいくらになるかを知るには、勤務先の規定を確認しましょう。計算の詳細は、所属する会社の制度によって決まります。

いま、退職金の計算式や平均額を確認しているところだとします。どちらをしたいですか。

当てはまらない方法を選ぶ必要はありません。いまの自分に近いほうを選んでください。

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計算式に使われる言葉の意味

退職金の計算式には、聞き慣れない言葉が使われることがあります。言葉の意味を正しく理解しておくと、規定の読み解きがスムーズになります。

学歴や職種による違い

退職給付(一時金・年金)の平均額は、学歴や職種によって差が出る傾向があります。厚生労働省の調査結果から、いくつかの例をまとめました。

学歴・職種・退職理由別の退職給付額の平均
学歴・職種 退職理由 平均額
大学・大学院卒(管理・事務・技術職) 会社都合 17,380,000円
大学・大学院卒(管理・事務・技術職) 自己都合 14,410,000円
大学・大学院卒(管理・事務・技術職) 早期優遇 22,660,000円
高校卒(管理・事務・技術職) 会社都合 13,850,000円
高校卒(管理・事務・技術職) 自己都合 12,800,000円
高校卒(管理・事務・技術職) 早期優遇 24,320,000円
高校卒(現業職) 定年 11,830,000円
高校卒(現業職) 会社都合 7,370,000円
高校卒(現業職) 自己都合 9,210,000円
高校卒(現業職) 早期優遇 21,460,000円

(もとにした一次情報:令和5年就労条件総合調査 結果の概況、確認日:2026-08-23)

早期優遇(青緑)がどの学歴でも最高定年大学卒1,896万円高卒・事務1,682万円高卒・現業1,183万円会社の都合大学卒1,738万円高卒・事務1,385万円高卒・現業737万円自分の都合大学卒1,441万円高卒・事務1,280万円高卒・現業921万円早期優遇大学卒2,266万円高卒・事務2,432万円高卒・現業2,146万円
学歴と辞め方で違う退職給付額の平均制度の適用時点:令和5年調査(令和4年1年間)/確認日:2026-07-26/出典:厚生労働省

図から、学歴や職種、退職の理由によって、受け取る額の目安が異なることがわかります。

計算の基礎となる要素

計算式に用いられる要素には、主に「勤続年数」と「退職時の給与」があります。これらがどのように組み合わされるかは、会社ごとに定められた規定によります。

勤続年数は、入社してから退職するまでの期間を指します。退職金制度によっては、勤続年数が長くなるほど、計算に使う係数が大きくなる仕組みがあります。

退職時の給与は、基本給や役職手当などの金額を指します。会社によっては、退職直前の数か月間の平均額を用いる場合や、特定の月額を用いる場合があります。

ただし、計算の基礎となる「給与」の定義は会社ごとに異なります。基本給のみを対象とする場合もあれば、諸手当を含めて算出する場合もあります。

また、勤続年数の数え方にも注意が必要です。試用期間を勤続年数に含めるかどうかは、企業の就業規則によって判断が分かれます。

さらに、退職理由によって計算式自体が変わるケースもあります。自己都合退職の場合、勤続年数に応じた係数が減額される仕組みを採用する企業も少なくありません。

参考:令和5年就労条件総合調査 結果の概況|厚生労働省

退職理由や企業の規模で変わる金額の目安

退職金を受け取れるかどうかは、勤務先の制度によって決まります。退職金は法律で支払いが義務付けられたものではありません。

支払いの有無や金額は、会社が定める就業規則や退職金規程の定めに従います。ただし、規程に記載がなくても、労働契約や労使慣行などにより支払われる場合があります。

厚生労働省の調査によると、退職給付制度(退職金や年金などの仕組み)がある企業の割合は、従業員数が多いほど高くなる傾向があります。

退職給付制度がある企業の割合
企業の規模(従業員数) 制度がある割合
全体 74.9%
1,000人以上 90.1%
300〜999人 88.8%
100〜299人 84.7%
30〜99人 70.1%

(もとにした一次情報:令和5年就労条件総合調査 結果の概況、確認日:2026-08-23)

参考:令和5年就労条件総合調査 結果の概況|厚生労働省

退職金の金額は、退職の理由によっても変動します。例えば、会社都合による退職や早期優遇制度を利用する場合、自己都合よりも受取額が増える傾向があります。

大学・大学院卒(管理・事務・技術職)の例では、定年退職時の平均額は 18,960,000円 です。一方、自己都合の場合は 14,410,000円 となります。

また、高校卒(現業職)の場合、定年時の平均額は 11,830,000円 です。これに対し、会社都合による退職では 7,370,000円 となります。

早期優遇制度が適用されるケースでは、大学・大学院卒(管理・事務・技術職)で 22,660,000円、高校卒(現業職)で 21,460,000円 と、高い水準になる傾向が見られます。

退職金の受取額は、退職の形態によって大きく分かれます。主なケースは以下の通りです。

  • 定年退職:あらかじめ定められた年齢に達して退職する場合。
  • 会社都合退職:解雇や事業所の閉鎖など、会社側の事情で退職する場合。
  • 自己都合退職:転職や結婚、病気など、自身の意思で退職する場合。
  • 早期優遇制度:会社が定める一定の条件を満たし、早期に退職する場合。

ただし、退職理由が「自己都合」であっても、規程によっては減額されないケースもあります。また、会社都合であっても、懲戒解雇などの場合は支給対象外となる可能性があります。

実際の金額は、個人の勤続年数や職種、各企業の退職金規程によって大きく異なります。自身の受取額を正確に把握するには、勤務先の就業規則や退職金規程を必ず確認してください。

規程の確認方法が不明な場合は、社内の人事部や総務部などの担当窓口へ問い合わせるのが確実です。退職前に、支給条件や計算方法の詳細を改めて確認しておきましょう。

いま、退職金の制度や企業の規模による有無を確認している状態だとします。どちらをしたいですか。

どちらを選んでも、この先は最後まで読めます。近いほうを選んでください。

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退職金が振り込まれる時期と受け取り方

会社から直接振り込まれる場合

退職金を受け取る方法は、勤務先の制度によって異なります。多くの場合は、会社から指定の銀行口座へ直接振り込まれます。

振り込まれる時期は、会社が定める就業規則や退職金規程によって決まります。退職後すぐに支払われるケースもあれば、数か月かかるケースもあります。

支払いのタイミングを把握しておくには、事前の確認が要ります。退職前に、規程に記載された支払時期を確認しておくとスムーズです。

会社の決算時期や事務手続きの都合だけで、定められた支払時期を遅らせることはできません。

外部の基金などを通じて受け取る場合

会社が直接支払うのではなく、外部の基金などを通じて受け取る場合があります。確定給付企業年金(会社が将来の給付額を約束する年金制度)などがこれにあたります。

この場合、基金型では本人が企業年金基金へ請求し、基金の裁定を経て給付が支払われます。会社とは別に、基金からの通知が届くことがあります。

受け取りの手続きには、基金への申請が必要になる場合があります。受取方法や時期については、会社または基金の窓口へ確認してください。ただし、基金の種類によっては、受取開始時期に制限がある場合もあります。

受け取り方の種類と注意点

退職金の受け取り方は、大きく分けて「一時金」と「年金」の2種類があります。一時金は、退職時にまとめて受け取る方法です。

一方、年金形式は、一定期間または一生涯にわたって分割で受け取る方法です。ただし、制度によっては「一時金か年金か」を本人が選択できる場合もあります。

また、企業型DCの加入者資格を喪失した場合は、原則6か月以内にiDeCoや転職先の企業型DCなどへ資産を移換する手続きが必要です。窓口は、勤務先の担当部署や、運営管理機関となります。

受け取り時期や方法を誤ると、税負担が変わることもあります。自身の制度がどの形式を採用しているか、事前に就業規則や規程で確認しておきましょう。

退職金の制度に関するよくある勘違い

退職金を受け取るとき、税金は一切かかりませんか

いいえ、退職金は退職所得控除を上回る場合に、所得税、復興特別所得税および住民税が課税されます。

退職金から計算した課税退職所得金額に税金がかかります。

原則として、退職所得控除後の残額の2分の1に対して、税金が計算されます。

退職金は、会社に請求すれば必ずすぐに支払われますか

いいえ、支払われる時期は会社が定める規程によって決まります。

退職後すぐに振り込まれるケースもあれば、数か月かかるケースもあります。

支払いのタイミングについては、事前に就業規則や退職金規程を確認してください。

退職金の金額について、会社と直接交渉して増やすことはできますか

交渉はできますが、会社が応じなければ、原則として規程に基づいて計算されます。

規程に定められた計算式に基づき、勤続年数や退職理由などが反映されます。

法律的な交渉が必要な場合は、弁護士へ相談してください。ここでは扱えません。

退職金制度がある会社なら、全員が退職金をもらえますか

いいえ、制度があっても、受け取れる条件を満たさない場合があります。

例えば、勤続年数が一定期間に満たない場合などは、支給の対象外となることがあります。

支給の要件については、勤務先の退職金規程を個別に確認してください。

退職金は法律で支払いが義務付けられていますか

いいえ、退職金制度の有無は会社ごとに異なります。

退職金制度の設置は法律上の義務ではありませんが、就業規則、労働協約、労働契約や労使慣行などが支給の根拠になります。

制度がある企業の割合は 74.9% です。

参考:令和5年就労条件総合調査 結果の概況|厚生労働省

従業員数によって退職金制度の有無は変わりますか

制度の有無は会社の規模によって傾向が異なります。

従業員1,000人以上の企業では 90.1% が制度を導入しています。

一方、従業員30〜99人の企業では 70.1% となります。

参考:令和5年就労条件総合調査 結果の概況|厚生労働省

退職金制度の主な種類と仕組み

退職金制度は、受け取り方から「退職一時金制度」と「退職年金制度」に大別でき、両方を併用する企業もあります。退職一時金制度は、退職時などにまとまった金額を支給する仕組みです。退職年金制度は、原則として一定の期間にわたり分割して給付します。公的年金そのものは、ここでいう会社の退職給付制度には含まれません。

退職一時金の主な準備方法には、会社が社内で支給原資を準備する方式と、社外の共済制度を利用する方式があります。社外制度の代表例は、中小企業退職金共済制度や特定退職金共済制度です。中小企業退職金共済制度では、事業主が共済機構と契約して掛金を納付し、退職時には共済機構から従業員へ退職金が支払われます。

退職年金の代表的な制度は、確定給付企業年金(DB)と企業型確定拠出年金(企業型DC)です。

  • 確定給付企業年金(DB):加入期間などを基に給付の算定方法があらかじめ定められ、事業主や企業年金基金が年金資産を管理・運用します。
  • 企業型確定拠出年金(企業型DC):事業主が拠出した掛金を加入者ごとに管理し、加入者自身の運用結果によって将来の給付額が変わります。
  • 退職一時金制度:会社の規程で定めた算定方法により、会社または共済制度などから一時金を受け取ります。

同じ「退職金制度」という呼び方でも、給付額があらかじめ算定される制度と、掛金や運用結果から給付額が決まる制度では、従業員が負う運用リスクや退職・転職時の手続きが異なります。また、一つの会社が退職一時金と企業年金を組み合わせていることもあります。自分に適用される種類は、就業規則、退職金規程、企業年金規約、加入者向け資料で確認してください。

参考:年金制度の仕組みと考え方 第15 私的年金(企業年金・個人年金)制度|厚生労働省


参考:令和5年就労条件総合調査 結果の概況|厚生労働省

まとめ

退職金の制度について、確認した内容は以下の通りです。

  • 退職金の金額は、会社が定めた計算式によって決まります。
  • 計算式には、勤続年数や退職時の給与などが用いられます。
  • 退職金を受け取れるかどうかは、勤務先の制度や条件によります。
  • 退職金を受け取る方法は、勤務先の制度によって異なります。
  • 退職金には、原則として退職所得控除後の残額の2分の1を基に所得税と住民税がかかります。
  • 支払われる時期は、会社が定める規程によって決まります。

退職金制度の設置は法律上の義務ではありませんが、就業規則、労働協約、労働契約や労使慣行などが支給の根拠となります。ただし、企業の規模によって制度の有無には差があります。

例えば、従業員1,000人以上の企業では90.1%に制度がありますが、30〜99人規模の企業では70.1%に留まります。

参考:令和5年就労条件総合調査 結果の概況|厚生労働省

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この記事の根拠(本文内47か所・台帳17項目・一次資料3件)

制度の数値(台帳から出しています)

一次資料

数値は一次情報で確かめてから台帳に入れています(情報源について)。リンク先の内容が変わっているのを見つけたら訂正の受付までお知らせください。

この記事の編集責任者

JPSM INTERNET SERVICE 代表

小笠原 治輝おがさわら はるき

休職から退職までの手続きを自分で経験しました。傷病手当金の申請、雇用保険の受給期間延長、健康保険と年金の切り替えを実際に進めた経験があります。記事は、厚生労働省・e-Gov法令検索・ハローワークの一次情報と突き合わせて確認しています。