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保育士の退職金はいくらになるか
保育士として働いてきた方が、退職時に受け取れる退職金の目安や計算方法について解説します。退職金の額は、勤続年数や退職の理由、勤務先の制度によって大きく変わります。
- 退職金の計算式は会社ごとに異なります
- 退職金の有無は就業規則の定めに従います
- 退職理由によって支給額が変わる場合があります

保育士の退職金はいくらになるか|計算式と目安の例
保育士が受け取る退職金の額は、勤務先の制度によって決まります。退職金は法律で支払いが義務付けられているわけではありません。そのため、制度の有無や支給額は、就業規則や退職金規程の定めに従います。

厚生労働省の調査によると、常用労働者30人以上の民営企業で、退職給付(一時金・年金)制度がある企業の割合は74.9%です。ただし、企業の規模によって割合が異なる傾向があります。
従業員数が1,000人以上の企業では90.1%、300〜999人の企業では88.8%となっています。一方、100〜299人の規模では84.7%、30〜99人の規模では70.1%です。
一般的な計算式には、勤続年数や退職時の基本給、退職理由などが関係します。計算式は会社ごとに異なるため、就業規則(職場のルールを定めた書類)を確認することが大切です。
また、役職や勤続年数によっても変動します。
厚生労働省の調査による、退職給付額の平均(勤続20年以上かつ45歳以上の退職者に限る)は以下の通りです。学歴や職種、退職理由によって数値が異なります。
- 大学・大学院卒(管理・事務・技術職)・自己都合の場合:14,410,000円
- 大学・大学院卒(管理・事務・技術職)・会社都合の場合:17,380,000円
- 大学・大学院卒(管理・事務・技術職)・定年の場合:18,960,000円
- 大学・大学院卒(管理・事務・技術職)・早期優遇の場合:22,660,000円
- 高校卒(管理・事務・技術職)・自己都合の場合:12,800,000円
- 高校卒(管理・事務・技術職)・会社都合の場合:13,850,000円
- 高校卒(管理・事務・技術職)・定年の場合:16,820,000円
- 高校卒(管理・事務・技術職)・早期優遇の場合:24,320,000円
- 高校卒(現業職)・自己都合の場合:9,210,000円
- 高校卒(現業職)・会社都合の場合:7,370,000円
- 高校卒(現業職)・定年の場合:11,830,000円
- 高校卒(現業職)・早期優遇の場合:21,460,000円
この数値はあくまで統計上の平均であり、個人の退職金額を保証するものではありません。例えば、早期優遇制度が適用される場合は、自己都合よりも高い支給額になる可能性があります。
ご自身の退職金がいくらになるかは、勤務先の規定を事前に確認してください。退職理由が「自己都合」か「会社都合」かによっても、支給額に差が出る場合があります。
また、退職金にかかる税金の計算には「退職所得控除」などが関わります。受け取り方が一時金か年金かによって、税負担が変わる点にも注意が必要です。詳細は、勤務先の担当部署や税務署へ確認しましょう。
計算式に使われる言葉の意味
退職金の計算式には、聞き慣れない言葉が使われることがあります。計算の根拠となる言葉の意味を正しく理解しておきましょう。

学歴や職種による違い
退職金の平均額は、学歴や職種、退職の理由によって異なります。厚生労働省の調査結果(令和5年就労条件総合調査)をまとめました。
| 区分 | 退職理由 | 平均額 |
|---|---|---|
| 大学・大学院卒(管理・事務・技術職) | 定年 | 18,960,000円 |
| 大学・大学院卒(管理・事務・技術職) | 会社都合 | 17,380,000円 |
| 大学・大学院卒(管理・事務・技術職) | 早期優遇 | 22,660,000円 |
| 大学・大学院卒(管理・事務・技術職) | 自己都合 | 14,410,000円 |
| 高校卒(管理・事務・技術職) | 定年 | 16,820,000円 |
| 高校卒(管理・事務・技術職) | 会社都合 | 13,850,000円 |
| 高校卒(管理・事務・技術職) | 自己都合 | 12,800,000円 |
| 高校卒(管理・事務・技術職) | 早期優遇 | 24,320,000円 |
| 高校卒(現業職) | 定年 | 11,830,000円 |
| 高校卒(現業職) | 会社都合 | 7,370,000円 |
| 高校卒(現業職) | 自己都合 | 9,210,000円 |
| 高校卒(現業職) | 早期優遇 | 21,460,000円 |
(もとにした一次情報:令和5年就労条件総合調査 結果の概況、2026年8月23日確認)
図から、学歴や職種、退職の理由によって、受け取る金額の目安が大きく変わることがわかります。
計算の基礎となる要素
計算式で使われる言葉には、主に「退職理由」と「算定基礎」の2つの側面があります。これらが組み合わさって、最終的な金額が決まります。
退職理由には、定年や会社都合、自己都合などがあります。理由によって、計算に使う係数が変わる仕組みです。ただし、会社独自の規定により区分が異なる場合もあります。
算定基礎(計算の元となる金額)には、基本給や役職手当などが含まれます。会社によって、どの手当を対象にするかが異なります。賞与が含まれるケースもあります。
退職金の有無は、勤務先の制度によって決まります。厚生労働省の調査では、退職給付制度がある企業の割合は74.9%です。
制度の有無は、企業の規模によっても傾向が分かれます。従業員1,000人以上の企業では90.1%、30人から99人の企業では70.1%となっています。
また、従業員100人から299人の企業における制度導入率は84.7%です。規模が大きくなるほど、制度が整っている傾向が見て取れます。
退職金の金額が変わる条件
退職金の有無や金額は、勤務先の制度設計によって大きく左右されます。退職金は法律で支払いが義務付けられたものではありません。

支払いの根拠となるのは、会社が定める就業規則や退職金規程です。制度が整っているかどうかは、勤務先の条件を確認する必要があります。
厚生労働省の調査によると、退職給付(一時金や年金などの制度)がある企業の割合は 74.9% です。
企業の規模によって制度の普及率は異なります。従業員1,000人以上の企業では 90.1% と高い傾向にあります。
一方、従業員300〜999人の規模では 88.8%、従業員100〜299人では 84.7% となります。
さらに、従業員30人から99人の規模では 70.1% となり、規模が小さくなるほど制度の有無は分かれます。
金額を左右する主な条件は、以下の通りです。
| 要素 | 内容 | 金額への影響 |
|---|---|---|
| 勤続年数 | 働いた期間 | 長いほど増える傾向 |
| 退職理由 | 辞める理由 | 理由により係数が変わる |
| 算定基礎 | 計算の元となる給与 | 手当の範囲により変わる |
金額の計算には、役職や職種による違いも関わります。例えば、同じ高校卒でも「管理・事務・技術職」と「現業職」では、退職給付額の平均に差が出る場合があります。
調査によれば、高校卒(管理・事務・技術職)の定年退職時の平均額は 16,820,000円 です。
対して、高校卒(現業職)の定年退職時の平均額は 11,830,000円 となっています。ただし、これらはあくまで平均値です。
また、退職理由によっても金額は大きく変動します。高校卒(管理・事務・技術職)の自己都合退職時の平均額は 12,800,000円 です。
一方、高校卒(現業職)の自己都合退職時の平均額は 9,210,000円 となっています。ただし、個別の条件により異なります。
制度の内容を正確に把握するには、事前の確認が要ります。就業規則などの規定を読み、ご自身の条件がどのように反映されるかを確認してください。
不明な点は、勤務先の総務担当者や人事窓口へ問い合わせるのが確実です。規程のどこに「算定基礎」や「退職理由による係数」が記載されているかを探しましょう。
なお、算定基礎に含まれる項目は会社ごとに異なります。基本給だけでなく、役職手当や特定の諸手当が対象となるか、規程の細部まで確認することが大切です。
また、退職給付制度の支給形態には「退職一時金制度のみ」「退職年金制度のみ」「両制度併用」があります。どちらの形式を採用しているかによっても、受け取り方や総額の考え方が変わります。
制度の改定が行われる場合、適用されるタイミングに注意が必要です。現在は対象外であっても、将来的に制度が拡充され、対象となる可能性があることも念頭に置きましょう。
退職金が振り込まれる時期と方法
退職金の受け取り時期や方法は、勤務先の規定によって決まります。退職後にいつ、どのような形で手元に届くのかを事前に把握しておくことが大切です。

在籍したまま休職している場合
病気などで休職し、そのまま退職するケースでは、退職の手続きが完了した後に支払われるのが一般的です。休職中であっても、退職の手続きが済むまでは支払い義務は発生しません。
退職金は、就業規則などで支給日が定められている場合、請求してもその支給日までは支払われないことがあります。ただし、具体的な支払日は会社の就業規則に従うため、事前の確認が要ります。
休職期間が退職金の算定基礎となる勤続年数に含まれるかどうかは、勤務先の規定によります。休職中の給与が算定に含まれない場合、退職金額に影響する可能性があるため注意が必要です。
退職した後に受け取る場合
退職後に退職金を受け取る際は、会社が指定する口座へ振り込まれる形が主流です。振込手数料をどちらが負担するかについても、勤務先の規定を確認しておくとよいでしょう。
退職金の支払時期は、会社によって異なります。退職した月の末日や、翌月の特定の日にまとめて支払われる例が見られます。退職後すぐに必要となる場合は、あらかじめ支払日を把握しておきましょう。
退職金が一時金として支払われるのか、あるいは年金形式で分割して支払われるのかも、制度によって異なります。受け取り方法によって税金の計算も変わるため、規程の確認が重要です。
制度の変更と将来の対象範囲
退職金制度は、会社の経営状況や社会情勢によって改定されることがあります。制度の変更が行われる場合、適用されるタイミングに注意が必要です。
現在は制度の対象外であっても、将来的に制度が拡充され、対象となる可能性があります。制度の改定時期や、対象となる条件がどのように変わるのかを、定期的に確認しておきましょう。
| 従業員数 | 制度がある割合 | 出典 |
|---|---|---|
| 1,000人以上 | 90.1% | 令和5年就労条件総合調査 |
| 300〜999人 | 88.8% | 令和5年就労条件総合調査 |
| 100〜299人 | 84.7% | 令和5年就労条件総合調査 |
| 30〜99人 | 70.1% | 令和5年就労条件総合調査 |
(もとにした一次情報:令和5年就労条件総合調査 結果の概況、2026年8月23日確認)
退職金に関するよくある勘違い
退職金があれば、会社と金額の交渉ができますか?
いいえ、退職金の額は会社が定める規定に基づいて決まります。退職金は法律で支払額が定められたものではありません。
ただし、規定の計算式と異なる金額しか提示されない場合は、就業規則の確認が必要です。交渉が困難な事案は、弁護士などの専門家へ相談してください。
退職金から住民税が引かれるのはなぜですか?
退職金は「退職所得」として扱われ、所得税と住民税の課税対象になるからです。原則として、退職金から退職所得控除額を差し引いた残額の2分の1に対して課税されます。
原則として、支払時に会社がまとめて徴収する特別徴収が行われます。ただし、退職所得の受給に関する申告書を提出しない場合、所得税等は退職金額の20.42%が源泉徴収されます。
退職金は、辞めたらすぐに全額もらえますか?
いいえ、支払われる時期は勤務先の規定によります。退職した月の末日や、翌月の特定の日に支払われる例が見られます。
手元に届くタイミングは会社によって異なるため、事前の確認が要ります。振込手数料の負担についても、あわせて就業規則を確認しておくとよいでしょう。
退職金は、勤続年数が長ければ必ず高くなりますか?
いいえ、勤続年数だけで決まるわけではありません。退職金の計算には、退職時の基本給や退職理由などが関係します。
勤続年数が長くても、計算の基礎となる金額や退職の理由によって、受け取る額が変わる場合があります。例えば、自己都合退職か定年退職かによっても差が生じます。
退職金の平均額は、職種や退職理由で変わりますか?
はい、変わります。例えば、大学・大学院卒(管理・事務・技術職)の定年退職時の平均額は 18,960,000円 です。
一方で、同じ学歴でも自己都合退職の場合は 14,410,000円 となり、理由によって差が生じます。ただし、これらはあくまで平均値であり、個別の金額を保証するものではありません。
退職金制度は、すべての会社にありますか?
いいえ、すべての会社にあるわけではありません。退職金制度がある企業の割合は 74.9% です。
また、企業の規模によっても傾向が異なります。従業員1,000人以上の企業では 90.1% と高い割合ですが、30〜99人の企業では 70.1% に留まります。
まとめ
保育士の退職金について、確認したポイントをまとめました。
- 退職金の有無や金額は、勤務先の制度設計によって決まります。
- 退職金の計算には、勤続年数や退職時の基本給、退職理由などが関係します。
- 支払時期や方法は、就業規則や退職金規程の定めによって決まります。
- 退職金は退職所得として扱われますが、退職所得控除などにより所得税と住民税が生じない場合もあります。
- 制度の有無は、従業員数によって割合が異なる傾向があります。
退職金制度がある企業の割合は、従業員1,000人以上の企業では 90.1% ですが、30〜99人の規模では 70.1% となります。
ただし、これらはあくまで統計上の数値であり、個別の条件により異なります。退職金の計算や受け取りに関する詳しい仕組みは、退職金の解説ページにまとめています。
税金の仕組みについては、税金の解説ページも参考にしてください。
この記事の根拠(本文内65か所・台帳17項目・一次資料1件)
制度の数値(台帳から出しています)
- 退職給付(一時金・年金)制度がある企業の割合74.9%時点:令和5年調査(令和4年1年間)確認:2026-07-26厚生労働省|令和5年就労条件総合調査 結果の概況
- 退職給付制度がある企業の割合(従業員1,000人以上)90.1%時点:令和5年調査(令和4年1年間)確認:2026-07-26厚生労働省|令和5年就労条件総合調査 結果の概況
- 退職給付制度がある企業の割合(従業員300〜999人)88.8%時点:令和5年調査(令和4年1年間)確認:2026-07-26厚生労働省|令和5年就労条件総合調査 結果の概況
- 退職給付制度がある企業の割合(従業員100〜299人)84.7%時点:令和5年調査(令和4年1年間)確認:2026-07-26厚生労働省|令和5年就労条件総合調査 結果の概況
- 退職給付制度がある企業の割合(従業員30〜99人)70.1%時点:令和5年調査(令和4年1年間)確認:2026-07-26厚生労働省|令和5年就労条件総合調査 結果の概況
- 退職給付額の平均:大学・大学院卒(管理・事務・技術職)・自己都合14,410,000円時点:令和5年調査(令和4年1年間)確認:2026-07-26厚生労働省|令和5年就労条件総合調査 結果の概況
- 退職給付額の平均:大学・大学院卒(管理・事務・技術職)・会社都合17,380,000円時点:令和5年調査(令和4年1年間)確認:2026-07-26厚生労働省|令和5年就労条件総合調査 結果の概況
- 退職給付額の平均:大学・大学院卒(管理・事務・技術職)・定年18,960,000円時点:令和5年調査(令和4年1年間)確認:2026-07-26厚生労働省|令和5年就労条件総合調査 結果の概況
- 退職給付額の平均:大学・大学院卒(管理・事務・技術職)・早期優遇22,660,000円時点:令和5年調査(令和4年1年間)確認:2026-07-26厚生労働省|令和5年就労条件総合調査 結果の概況
- 退職給付額の平均:高校卒(管理・事務・技術職)・自己都合12,800,000円時点:令和5年調査(令和4年1年間)確認:2026-07-26厚生労働省|令和5年就労条件総合調査 結果の概況
- 退職給付額の平均:高校卒(管理・事務・技術職)・会社都合13,850,000円時点:令和5年調査(令和4年1年間)確認:2026-07-26厚生労働省|令和5年就労条件総合調査 結果の概況
- 退職給付額の平均:高校卒(管理・事務・技術職)・定年16,820,000円時点:令和5年調査(令和4年1年間)確認:2026-07-26厚生労働省|令和5年就労条件総合調査 結果の概況
- 退職給付額の平均:高校卒(管理・事務・技術職)・早期優遇24,320,000円時点:令和5年調査(令和4年1年間)確認:2026-07-26厚生労働省|令和5年就労条件総合調査 結果の概況
- 退職給付額の平均:高校卒(現業職)・自己都合9,210,000円時点:令和5年調査(令和4年1年間)確認:2026-07-26厚生労働省|令和5年就労条件総合調査 結果の概況
- 退職給付額の平均:高校卒(現業職)・会社都合7,370,000円時点:令和5年調査(令和4年1年間)確認:2026-07-26厚生労働省|令和5年就労条件総合調査 結果の概況
- 退職給付額の平均:高校卒(現業職)・定年11,830,000円時点:令和5年調査(令和4年1年間)確認:2026-07-26厚生労働省|令和5年就労条件総合調査 結果の概況
- 退職給付額の平均:高校卒(現業職)・早期優遇21,460,000円時点:令和5年調査(令和4年1年間)確認:2026-07-26厚生労働省|令和5年就労条件総合調査 結果の概況
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