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パートの退職金はいくらもらえるか
パートとして働く人が退職金を受け取れるかどうかは、勤務先の就業規則や退職金規程によって決まります。この記事では、退職金の計算方法や、制度がある企業の割合、受け取りまでの流れについて解説します。
- 退職金の有無は法律で決まっていない
- 金額は会社の規定により異なる
- 制度がある企業は全体の約7割

パートタイマーが退職金を受け取れるかどうかは、勤務先の就業規則や退職金規程の定めによります。退職金制度は法律で義務付けられたものではないため、すべての企業に必ず存在するわけではありません。
厚生労働省の調査によると、退職給付制度(一時金・年金)がある企業の割合は 74.9%となっています 。ただし、企業の規模によって制度の有無は異なります。
例えば、従業員1,000人以上の企業では 90.1%、30人から99人の企業では 70.1%となっています。勤務先の規模や規定を事前に確認することが大切です。
退職金の有無や金額は、以下のようなケースによっても左右される場合があります。
- 勤続年数が規定の条件(例:3年以上など)に満たない場合
- 契約更新の有無や、雇用形態が変更された場合
- 退職の理由が自己都合か、会社都合かによる違い
ただし、これらはあくまで一般的な例であり、実際の条件は各企業の規定に従います。自身の権利を確認するには、就業規則を直接確認しましょう。
パートの退職金はいくらになるか|計算の仕組みと具体例
パートタイマーの退職金がいくらになるかは、勤務先の制度によって決まります。退職金制度がない会社もあれば、勤続年数や給与額に応じて計算する会社もあります。

厚生労働省の調査によると、学歴や退職の理由によって、受け取る退職給付額の平均には差が見られます。
| 学歴・職種 | 退職理由 | 退職給付額の平均 |
|---|---|---|
| 大学・大学院卒(管理・事務・技術職) | 定年 | 18,960,000円 |
| 大学・大学院卒(管理・事務・技術職) | 会社都合 | 17,380,000円 |
| 大学・大学院卒(管理・事務・技術職) | 自己都合 | 14,410,000円 |
| 大学・大学院卒(管理・事務・技術職) | 早期優遇 | 22,660,000円 |
| 高校卒(管理・事務・技術職) | 定年 | 16,820,000円 |
| 高校卒(管理・事務・技術職) | 会社都合 | 13,850,000円 |
| 高校卒(管理・事務・技術職) | 自己都合 | 12,800,000円 |
| 高校卒(管理・事務・技術職) | 早期優遇 | 24,320,000円 |
| 高校卒(現業職) | 定年 | 11,830,000円 |
| 高校卒(現業職) | 会社都合 | 7,370,000円 |
| 高校卒(現業職) | 自己都合 | 9,210,000円 |
| 高校卒(現業職) | 早期優遇 | 21,460,000円 |
(もとにした一次情報:令和5年就労条件総合調査 結果の概況、2026年8月23日確認)
図は、学歴や退職の形態によって退職給付額の平均が異なることを示しています。
多くの会社では、退職金の計算式として「退職時の基本給 × 退職理由による係数 × 勤続年数による係数」という仕組みを採用しています。
例えば、基本給が20万円で、退職理由による係数が1.0、勤続年数による係数が0.5の場合、退職金は10万円となります。
ただし、係数の数値や計算方法は会社ごとに異なります。事前の確認が要ります。
退職金の計算には、以下のような例外的なケースも存在します。
一つは、「確定給付企業年金(DB)」や「確定拠出年金(DC)」から、年金または一時金で受け取る場合です。
二つ目は、勤続年数が一定期間に満たない場合に、支給対象外となるケースです。
三つ目は、自己都合退職の場合に、支給額が大幅に減額される仕組みを採用しているケースです。
ただし、これらの条件は就業規則や退職金規程によって定められています。
計算式に使われる言葉の意味
退職金の計算式には、会社ごとに決まった言葉が使われます。計算の基礎となる数値の意味を正しく理解しておきましょう。

退職金の計算に関わる給与の仕組み
計算式の「基本給」にあたる部分は、会社によって呼び方が異なります。パートタイマーの方の場合、以下の言葉が使われることがあります。
標準報酬月額(社会保険料の計算の基礎となる、一定の月額)や、月給、時給などが該当します。これらは、会社が定める退職金規定によって決まります。
また、退職金の計算には、基本給だけでなく諸手当が含まれる場合もあります。ただし、通勤手当や家族手当などは計算対象から除外されるケースも少なくありません。
ご自身の契約内容を、就業規則や雇用契約書などで確認することが大切です。不明な点は、勤務先の総務担当者や人事窓口へ問い合わせましょう。
退職金制度の有無と企業の規模
退職金を受け取れるかどうかは、勤務先の制度によって決まります。退職金は法律上の義務ではなく、就業規則や退職金規程の定めが根拠になります。
厚生労働省の調査によると、企業の規模によって退職給付制度(退職金などの仕組み)がある割合には違いが見られます。
| 従業員数 | 制度がある割合 |
|---|---|
| 1,000人以上 | 90.1% |
| 300〜999人 | 88.8% |
| 100〜299人 | 84.7% |
| 30〜99人 | 70.1% |
(もとにした一次情報:令和5年就労条件総合調査 結果の概況、2026年8月23日確認)
表からわかるように、従業員数が多い企業ほど、退職給付制度が整っている傾向があります。制度の有無は、勤務先の規模や規定によって異なります。
なお、退職一時金制度がない場合でも、確定拠出年金などの退職年金制度が導入されているケースもあります。制度の詳細や対象となる条件については、勤務先の担当部署へ問い合わせるのが確実です。
退職金の計算式には、基本給だけでなく、勤続年数や退職理由による係数が掛け合わされるのが一般的です。ただし、計算の仕組みは会社ごとに細かく定められています。
例えば、退職金が一時金ではなく、確定給付企業年金(DB)や確定拠出年金(DC)といった年金形式で支払われるケースがあります。また、勤続年数が一定期間に満たないと支給対象外となる場合もあります。
さらに、自己都合退職の場合に、会社都合退職よりも支給額が低くなる仕組みを採用している企業も少なくありません。これらの条件は、必ず就業規則や退職金規程で確認してください。
退職金制度がある企業の割合と金額が変わる条件
退職金は法律で支払いが義務付けられたものではありません。就業規則や退職金規程(会社のルールをまとめたもの)の定めに従って支払われます。

厚生労働省の調査によると、退職給付(一時金や年金などの仕組み)制度がある企業の割合は 74.9% です。
パートタイマーの方が退職金の計算対象になるかどうかは、就業規則や退職金規程の支給条件によって決まります。
標準報酬月額は社会保険料などの算定基礎であり、退職金規程に定めがない限り退職金の計算には用いません。
| 区分 | 基準の内容 | 数値 |
|---|---|---|
| 通常の労働者の基準 | 週の所定労働時間などの割合 | 4分の3 |
| 短時間労働者の加入要件 | 週の所定労働時間 | 20時間 |
| 短期契約の期間 | 被保険者とされない期間 | 2か月 |
(もとにした一次情報:日本年金機構)
参考:短時間労働者に対する健康保険・厚生年金保険の適用の拡大|日本年金機構
退職金の支給条件や金額は、以下のようなケースで変わる可能性があります。
社会保険の加入条件は、原則として退職金の支給条件ではありません。週の所定労働時間が20時間に満たない場合、制度の適用範囲が異なることがあります。
2つ目は、企業の規模です。特定適用事業所に該当するかどうかで、短時間労働者の加入要件が変わります。現在は被保険者数が51人以上が目安ですが、令和9年10月からは36人以上の企業も対象となる見込みです。
3つ目は、雇用契約の期間です。契約期間が2か月以内の場合、原則として被保険者とはなりません。ただし、契約更新により継続して雇用される見込みがある場合は、契約当初から対象となることがあります。
4つ目は、退職の理由です。自己都合か会社都合かによって、支給額に差が生じる規定を設けている企業があります。ただし、具体的な計算方法は各社の就業規則によります。
5つ目は、勤続年数です。一定の勤続年数に達していないと、退職金の支給対象外となる場合があります。ただし、会社独自の制度により、短期間でも支給されるケースはあります。
ご自身の契約内容がどのように関わるかは、勤務先の総務担当部署や人事窓口へ確認してください。契約書や就業規則を事前に確認しておくとスムーズです。
退職金が振り込まれる時期と受け取りの手順
退職金の受け取り時期や方法は、勤務先の就業規則によって決まります。退職後すぐに振り込まれる場合もあれば、数か月かかる場合もあります。

受け取りの手順は、在籍したまま休職している人と、退職した人で異なります。ご自身の状況に合わせて、以下の内容を確認してください。
在籍したまま休職している場合
休職中の場合、退職金はまだ発生していません。退職金は、原則として退職したタイミングで支払われる仕組みです。
休職期間が退職金の計算にどう影響するかは、会社の規程によります。勤続年数のカウントに休職期間が含まれるかどうかは、事前に確認が必要です。
ただし、休職の種類によっては勤続年数から除外されるケースもあります。例えば、私傷病による休職などが該当する可能性があるため、就業規則を確かめましょう。
退職した後の場合
退職後は、会社から指定された手続きを進めます。退職金の振込先口座を会社へ伝える必要がある場合もあります。退職金の種類が一時金か年金かによっても、受け取りの手順は異なります。
以下は社会保険の加入条件であり、退職金の計算対象を決める条件ではありません。
- 特定適用事業所になる厚生年金保険の被保険者数(短時間労働者を除く)が 51人以上
- 特定適用事業所になる厚生年金保険の被保険者数(令和9年10月から)が 36人以上
- 健康保険・厚生年金保険に短時間労働者が加入する要件(所定内賃金の月額)が 88,000円
社会保険の加入状況は、通常、退職金の計算の基礎となる給与額を左右するものではありません。また、以下の条件によっても加入の有無や計算が変わる場合があります。
なお、所定内賃金が88,000円以上という要件は、令和8年10月に撤廃される予定です。撤廃後は、この要件だけを理由に加入の対象外と判断することはできません。ただし、最低賃金の減額特例の対象になる方には例外があります。
- 週の所定労働時間が 20時間未満である場合
- 契約期間が 2か月以内の短期契約である場合
- 通常の労働者の 4分の3以上の労働時間・日数に満たない場合
参考:短時間労働者に対する健康保険・厚生年金保険の適用の拡大|日本年金機構
退職金の支払いや社会保険の適用に関する詳細なルールは、勤務先の就業規則や退職金規程に定められています。不明な点は、勤務先の総務・人事などの担当部署へ直接確認しましょう。
パートの退職金に関するよくある勘違い
パートタイマーは退職金をもらえないのですか。
いいえ、勤務先の制度に退職金規定があれば受け取れる可能性があります。退職金の有無は法律で義務付けられたものではなく、各企業の就業規則等によって決まります。
退職金制度がある企業の割合は 74.9% です 。ただし、パートが対象外となる規定を設けている会社もあります。
退職金から引かれる税金は、後からまとめて請求されますか。
いいえ、退職所得の住民税は、原則として退職金の支払時に会社がまとめて徴収(特別徴収)します。支払われる金額から、あらかじめ税金が差し引かれた後の金額が振り込まれる仕組みです。
退職所得控除などを差し引いて計算した「退職所得」に対して課税されます。ただし、会社が住民税の特別徴収を行わない場合は、自身で納付手続きを行う必要があります。
退職金の計算で、時給は関係ありませんか。
いいえ、時給や月給などの給与額は、退職金の計算に影響を与えることがあります。多くの会社では、退職時の給与額を計算の基礎としています。
パートの方の場合、計算の基礎が「月給」なのか「時給」なのかは会社により異なります。ただし、契約内容によって計算方法が異なる点に注意してください。
退職金の支払いを巡って会社と直接交渉すれば解決しますか。
本人は会社と直接交渉でき、労働組合を通じて団体交渉することもできます。代行などの業者が、会社と退職金の金額について直接交渉を行うことはできません。
もし、会社とのやり取りで法的な判断が必要な場面になった場合は、弁護士へ相談してください。ただし、会社側の規定内容を確認するなどの事務的なやり取りは可能です。
まとめ
パートタイマーの退職金について、確認すべきポイントをまとめます。
- 退職金の有無や計算方法は法律で決まっておらず、勤務先の就業規則や退職金規程に基づきます。退職金制度がある企業の割合は74.9%です。
- 計算の基礎となる金額は、会社によって異なります。支給時期や受け取りの手順も、在籍したまま休職しているか、退職するかによって変わる場合があります。
- 金額や支払いについて、本人による直接交渉や、労働組合による団体交渉も可能です。また、規定の確認などの事務的なやり取りもできます。
- 退職金からは、退職所得控除を反映した退職所得に対して、所得税や住民税が差し引かれます。
退職金の計算や税金について詳しく知りたい方は、税金の仕組みや退職金シミュレーションも参考にしてください。
この記事の根拠(本文内48か所・台帳23項目・一次資料3件)
制度の数値(台帳から出しています)
- 退職給付(一時金・年金)制度がある企業の割合74.9%時点:令和5年調査(令和4年1年間)確認:2026-07-26厚生労働省|令和5年就労条件総合調査 結果の概況
- 退職給付制度がある企業の割合(従業員1,000人以上)90.1%時点:令和5年調査(令和4年1年間)確認:2026-07-26厚生労働省|令和5年就労条件総合調査 結果の概況
- 退職給付制度がある企業の割合(従業員30〜99人)70.1%時点:令和5年調査(令和4年1年間)確認:2026-07-26厚生労働省|令和5年就労条件総合調査 結果の概況
- 退職給付額の平均:大学・大学院卒(管理・事務・技術職)・定年18,960,000円時点:令和5年調査(令和4年1年間)確認:2026-07-26厚生労働省|令和5年就労条件総合調査 結果の概況
- 退職給付額の平均:大学・大学院卒(管理・事務・技術職)・会社都合17,380,000円時点:令和5年調査(令和4年1年間)確認:2026-07-26厚生労働省|令和5年就労条件総合調査 結果の概況
- 退職給付額の平均:大学・大学院卒(管理・事務・技術職)・自己都合14,410,000円時点:令和5年調査(令和4年1年間)確認:2026-07-26厚生労働省|令和5年就労条件総合調査 結果の概況
- 退職給付額の平均:大学・大学院卒(管理・事務・技術職)・早期優遇22,660,000円時点:令和5年調査(令和4年1年間)確認:2026-07-26厚生労働省|令和5年就労条件総合調査 結果の概況
- 退職給付額の平均:高校卒(管理・事務・技術職)・定年16,820,000円時点:令和5年調査(令和4年1年間)確認:2026-07-26厚生労働省|令和5年就労条件総合調査 結果の概況
- 退職給付額の平均:高校卒(管理・事務・技術職)・会社都合13,850,000円時点:令和5年調査(令和4年1年間)確認:2026-07-26厚生労働省|令和5年就労条件総合調査 結果の概況
- 退職給付額の平均:高校卒(管理・事務・技術職)・自己都合12,800,000円時点:令和5年調査(令和4年1年間)確認:2026-07-26厚生労働省|令和5年就労条件総合調査 結果の概況
- 退職給付額の平均:高校卒(管理・事務・技術職)・早期優遇24,320,000円時点:令和5年調査(令和4年1年間)確認:2026-07-26厚生労働省|令和5年就労条件総合調査 結果の概況
- 退職給付額の平均:高校卒(現業職)・定年11,830,000円時点:令和5年調査(令和4年1年間)確認:2026-07-26厚生労働省|令和5年就労条件総合調査 結果の概況
- 退職給付額の平均:高校卒(現業職)・会社都合7,370,000円時点:令和5年調査(令和4年1年間)確認:2026-07-26厚生労働省|令和5年就労条件総合調査 結果の概況
- 退職給付額の平均:高校卒(現業職)・自己都合9,210,000円時点:令和5年調査(令和4年1年間)確認:2026-07-26厚生労働省|令和5年就労条件総合調査 結果の概況
- 退職給付額の平均:高校卒(現業職)・早期優遇21,460,000円時点:令和5年調査(令和4年1年間)確認:2026-07-26厚生労働省|令和5年就労条件総合調査 結果の概況
- 退職給付制度がある企業の割合(従業員300〜999人)88.8%時点:令和5年調査(令和4年1年間)確認:2026-07-26厚生労働省|令和5年就労条件総合調査 結果の概況
- 退職給付制度がある企業の割合(従業員100〜299人)84.7%時点:令和5年調査(令和4年1年間)確認:2026-07-26厚生労働省|令和5年就労条件総合調査 結果の概況
- パート・アルバイトが通常の被保険者になる基準(4分の3基準)4分の3時点:2026-07(日本年金機構の当該ページの更新日 2026年6月26日)確認:2026-07-27日本年金機構|適用事業所と被保険者
- 健康保険・厚生年金保険に短時間労働者が加入する要件(週の所定労働時間)20時間時点:2026-07(日本年金機構の当該ページの更新日 2026年4月17日)確認:2026-07-27日本年金機構|短時間労働者に対する健康保険・厚生年金保険の適用の拡大
- 健康保険・厚生年金保険の被保険者とされない短期契約の期間2か月時点:2026-07(日本年金機構の当該ページの更新日 2026年6月26日)確認:2026-07-27日本年金機構|適用事業所と被保険者
- 特定適用事業所になる厚生年金保険の被保険者数(短時間労働者を除く)51人時点:2026-07(日本年金機構の当該ページの更新日 2026年4月17日)確認:2026-07-27日本年金機構|短時間労働者に対する健康保険・厚生年金保険の適用の拡大
- 特定適用事業所になる厚生年金保険の被保険者数(令和9年10月から)36人時点:令和9年10月から確認:2026-07-27日本年金機構|短時間労働者に対する健康保険・厚生年金保険の適用の拡大
- 健康保険・厚生年金保険に短時間労働者が加入する要件(所定内賃金の月額)88,000円時点:2026-07(令和8年10月に撤廃予定)確認:2026-07-27日本年金機構|短時間労働者に対する健康保険・厚生年金保険の適用の拡大
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