64歳11か月で退職したときの失業保険の手続き

64歳11か月で退職したときの失業保険の手続きはどうすればいいですか

64歳11か月で退職し、65歳を迎える方の失業保険(基本手当)の手続きについて解説します。退職時の年齢によって、受給できる仕組みや手続きのタイミングが異なる場合があります。この記事では、離職後の流れや給付までの期間を整理しています。

  • 離職票を揃えてハローワークへ行く
  • 求職の申し込みを行う
  • 失業の認定を受ける
  • 支給決定後に振込を待つ

最終更新: / 出典: 厚生労働省

失業保険の手続きを進める5つの工程

失業保険(離職後に仕事を探す期間の生活を支えるための給付)を受け取るには、いくつかの手順があります。手続きの進め方は、大きく分けて次の5つの工程になります。

  1. 離職票(会社から発行される、離職したことを証明する書類)を受け取る
  2. ハローワークへ行き、求職の申し込みをする
  3. 待期期間(失業の状態であることを確認するための、給付が始まらない期間)を過ごす
  4. 失業認定を受ける
  5. 基本手当(失業の状態にあるときに支給される、雇用保険の給付金)を受け取る

離職票が届いたら、管轄のハローワークへ向かいましょう。手続きには、離職票や本人確認書類、証明写真などが必要です。ただし、会社から書類が届くまでに時間がかかる場合があります。写真は、手続きのたびにマイナンバーカードを提示すれば省略できます。

離職票を提出して求職を申し込み、受給資格決定を受けた日から7日の待期期間が始まります。この期間は、どのような理由の離職であっても、給付の対象にはなりません。

待期期間終了後、自己都合による退職などの場合は、原則として1か月の給付制限期間があります。ただし、直前5年間に正当な理由のない自己都合退職が2回以上ある場合は、3か月となる場合があります。

その後は、4週間ごとにハローワークへ行き、失業の認定を受けます。認定を受けた後、5営業日ほどで基本手当が振り込まれます。

なお、基本手当の受給には期限があります。原則として離職日の翌日から1年ですが、この期間を過ぎると、所定給付日数が残っていても支給されません。

ただし、妊娠・出産・育児などの理由で30日以上職業に就けないときは、その日数を加算できます。加算後の期間は、最長で4年です。延長は自動ではないため、公共職業安定所長へ申し出る必要があります。

基本手当日額(1日あたりの基本手当の金額)は、離職前の賃金によって決まります。支給される金額には、年齢や賃金に応じた上限と下限があります。

基本手当日額と賃金日額の範囲
区分 基本手当日額 賃金日額
29歳以下 7,450円 14,900円
30〜44歳 8,270円 16,540円
45〜59歳 9,110円 18,220円
60〜64歳 7,830円 17,400円
全年齢(下限) 2,562円 3,203円

表からわかるように、年齢や直前の賃金によって、受け取れる金額の範囲が異なります。

給料が高いほど、もらえる割合は下がる1日にもらえる額8,270円2,562円16,540円賃金日額→もし割合が下がらなければ実際の額ここから下がる上限は30〜44歳16,540円から上は増えません
賃金日額から基本手当日額が決まるまで制度の適用時点:令和8年8月1日/確認日:2026-08-10/出典:厚生労働省

図は、賃金日額から基本手当日額がどのように算出されるかを示しています。

参考:雇用保険の基本手当(失業給付)を受給される皆さまへ|厚生労働省


参考:ハローワークインターネットサービス|雇用保険の具体的な手続き|厚生労働省

手続きの期限と、いつまでに何をすべきか

ハローワークで離職票を提出して求職を申し込み、受給資格決定を受けた後に待期期間があります。これは、失業の状態であることを確認するための、給付が始まらない期間です。

待期期間は、離職理由にかかわらず共通で 7日 です。この期間中に就労した場合は、待期期間の満了が後ろにずれることがあります。

失業保険の手続きと期間の目安
工程 内容 注意点
求職の申し込み ハローワークで行う 離職票などの書類が必要です
待期期間 給付が始まらない期間 7日 が経過するまで
失業認定 受給資格の確認 4週間 ごとに手続きが必要です

厚生労働省「雇用保険の基本手当(失業給付)を受給される皆さまへ」を参考に作成

基本手当の受給期間は、離職日の翌日から原則として 1年 です。ただし、この期間を過ぎると、所定給付日数が残っていても支給されません。

妊娠・出産・育児などの理由で30日以上就業できない場合は、その日数を加算できます。加算後の期間は、最長で 4年 まで延長可能です。

なお、60歳以上の定年退職等の場合は、求職の申し込みをしない期間(1年を限度)を合算できます。延長の手続きは自動ではないため、管轄のハローワークへ申し出る必要があります。

離職理由によっては、給付が始まるまでに制限がかかる場合があります。正当な理由のない自己都合退職は、待期満了後、原則として 1か月 の給付制限期間があります。

ただし、その退職を除く直前5年間に、正当な理由のない自己都合退職が2回以上ある場合は、給付制限が 3か月 になることがあります。

早くに仕事が決まった場合に検討できる制度として、再就職手当があります。この手当は、基本手当の支給残日数が、所定給付日数の 3分の1以上 ある場合に、要件を満たせば受け取れる可能性があります。

ただし、再就職手当は、安定した職業に就いたことや、公共職業安定所長が必要と認めることなどが条件となります。過去に就業促進手当を受けたことがある場合などは、支給されないケースもあります。

また、賃金日額の計算において、時給や日給などの形態によっては、最低保障の率が 70% と定められています。ただし、計算方法により異なる場合があります。

失業認定を受けた後の振込については、認定日から 5営業日 程度かかるのが目安です。具体的な手続きのタイミングや、ご自身の状況に合わせた詳細な条件については、管轄のハローワークで確認してください。

参考:雇用保険の基本手当(失業給付)を受給される皆さまへ|厚生労働省


参考:雇用保険法 第17条(e-Gov法令検索)|e-Gov法令検索

64歳で退職したあとの、給付までの待ち時間

ハローワークでの手続き完了後、実際に給付が始まるまでには、離職理由によって異なる待ち時間が発生します。

まず、離職票を提出して求職を申し込んだ受給資格決定日から 7日 の待期期間が設けられます。ただし、この期間中に就職が決まった場合などは扱いが異なります。

待期期間のあとに、給付制限(一定期間、基本手当の支給が止まる仕組み)がある場合、その期間が経過するまで受給はできません。

自己都合による退職の場合、原則として 1か月 の給付制限がかかります。

ただし、その退職を除く直前5年間に、正当な理由のない自己都合退職が2回以上ある場合は、給付制限が 3か月 に延びます。

会社の都合なら、待つのは7日だけ待期7日会社都合基本手当が出る自己都合1か月基本手当が出るくり返し3か月茶色は出ない期間、青緑は出る期目もりは実際の日数どおりですそのあと認定日5営業日4週間後
退職の理由でどれだけ待つかが変わる制度の適用時点:令和8年8月1日/確認日:2026-08-10/出典:厚生労働省

図のとおり、退職の理由によって、給付が始まるまでの期間は変わります。ご自身の離職理由がどちらに該当するか、事前の確認が要ります。

なお、基本手当の受給期間は、離職日の翌日から原則として 1年 です。

この期間を過ぎると、所定給付日数が残っていても支給されません。ただし、妊娠・出産・育児などの理由で30日以上働けないときは、期間の延長が可能です。

延長後の期間は、最長で 4年 と定められています。ただし、延長は自動ではないため、公共職業安定所長へ申し出る必要があります。

失業認定を受けたあとの振込については、認定日から 5営業日 程度かかるのが一般的です。

受給にあたっては、4週間 ごとの失業認定手続きを、忘れずに行う必要があります。

参考:雇用保険の基本手当(失業給付)を受給される皆さまへ[PDF]|厚生労働省

受給期間の延長については、管轄のハローワークの窓口で詳細を確認してください。手続きを怠ると、受給できるはずの基本手当が受け取れなくなる恐れがあります。

また、認定日当日に指定された口座へ振り込まれるわけではありません。認定手続きが完了し、ハローワーク側での処理を経てから、指定の銀行口座へ入金されます。

給付が始まるまでのスケジュールを把握しておくことは、生活設計において重要です。離職理由や状況によって、受給開始時期が大きく前後する点に注意しましょう。

64歳11か月で退職して、65歳から受給する場合

退職したタイミングによって、受給できる基本手当の仕組みが変わります。65歳になる前に退職したか、65歳になってから退職したかによって、手続きの性質が異なります。

65歳になる前に退職し、65歳になってから受給する場合

64歳11か月で退職した場合でも、離職日に満65歳未満であるときに限り、65歳未満として扱われます。この場合、離職した翌日から受給期間のカウントが始まります。

基本手当を受け取れる期間には、原則として以下のルールがあります。

  • 離職日の翌日から起算して 1年
  • 受給期間を延長できる上限は 4年

参考:雇用保険の基本手当(失業給付)を受給される皆さまへ[PDF]|厚生労働省

受給期間は、所定の給付日数が残っていても、この期間を過ぎると支給されなくなります。ただし、妊娠や出産、育児などの理由で30日以上働けないときは、その日数を加算できる場合があります。

また、60歳以上の定年退職などの場合は、求職の申込みをしない期間(1年を限度)を合算できる仕組みもあります。ただし、これらは自動的に適用されるわけではありません。

65歳以降に退職して受給する場合

65歳に達してから退職した場合は、基本手当ではなく、高年齢求職者給付金の対象となることがあります。65歳以降に離職した場合でも、要件を満たせば高年齢求職者給付金を受け取れます。

受給期間の延長は、自動的に行われるものではありません。延長が必要なときは、厚生労働省令の定めるところにより、公共職業安定所長に申し出る必要があります。

参考:雇用保険の基本手当(失業給付)を受給される皆さまへ[PDF]|厚生労働省

手続きの詳細は、管轄のハローワークへ相談してください。離職理由や加入期間によって、受給できる条件が異なるため、事前の確認が重要です。

参考:ハローワークインターネットサービス|雇用保険の具体的な手続き|厚生労働省

なお、再就職手当の受給を検討している場合は、基本手当の支給残日数が所定給付日数の 3分の1以上であることなどの要件があります。

ただし、これらは要件の一部であり、安定した職業への就職など、公共職業安定所長が必要と認める条件も含まれます。

また、基本手当日額には上限があります。60歳から64歳までの区分では 7,830円 と定められています。ただし、賃金日額の計算方法などにより、実際の支給額は変動します。

手続きがうまくいかないときの相談先

ハローワークでの手続きや、その後の給付に関する疑問が生じたときは、窓口へ相談できます。状況によって、相談する場所や内容が異なります。

ハローワークの窓口で相談する場合

失業の手続きや、基本手当の受給に関する具体的なルールについて確認したいときは、管轄のハローワークへ相談してください。窓口では、受給に関する以下の内容を確認できます。

  • 失業の認定の間隔は、原則として 4週間 です。
  • 認定日から振込までの日数は、おおよそ 5営業日 です。

参考:ハローワークインターネットサービス|雇用保険の具体的な手続き|厚生労働省

ただし、認定日や振込のタイミングは、個別の状況によって変わることがあります。正確な日程については、窓口で直接確認してください。

また、再就職手当の受給要件や、受給期間の延長手続きについても相談可能です。再就職手当は、支給残日数が所定給付日数の 3分の1以上 あることなどが条件となります。

ただし、安定した職業に就くことなど、他にも要件があります。過去に受給したことがある場合は、支給されないこともあるため注意が必要です。

受給期間は、離職日の翌日から原則として 1年 です。ただし、妊娠や出産、育児などの理由で働けないときは、その日数を加算して最長 4年 まで延長できます。

延長は自動で行われません。厚生労働省令の定めるところにより、公共職業安定所長に申し出る必要があります。

会社やその他の機関に相談する場合

離職票などの書類が届かない場合は、まずは退職した会社へ連絡してください。会社が書類の作成や送付を忘れている可能性があります。

会社が記載した離職理由に異議がある場合は、事情を確認できる資料を持ってハローワークへ相談してください。会社が対応しない場合、解決のために専門的な知識が必要になることがあります。

離職理由が「自己都合」か「会社都合」かで、給付制限の期間が変わる点にも注意が必要です。自己都合の場合、原則として 1か月 の制限がかかります。

ただし、直前5年間に正当な理由のない自己都合退職が2回以上ある場合は、3か月 となる場合があります。

参考:雇用保険の基本手当(失業給付)を受給される皆さまへ[PDF]|厚生労働省

なお、特定の教育訓練を受ける場合など、一定の条件を満たせば給付制限が解除されるケースもあります。該当するかどうかは、ハローワークの窓口で確認してください。

参考:令和7年4月以降に教育訓練等を受ける場合、給付制限が解除され、基本手当を受給できます|厚生労働省

失業保険に関するよくある勘違い

基本手当は、働けない期間に支給される手当ですか。

いいえ、基本手当は、働く意思と能力があるにもかかわらず、職業に就けない失業状態の人に支給されるものです。

病気やケガなどで、働ける状態にない場合は、別の制度の対象になることがあります。ただし、受給期間の延長ができる場合もあります。

ハローワークへの登録だけで、求職活動の実績になりますか。

いいえ、登録しただけでは、求職活動の実績にはなりません。求人への応募や、許可を受けた職業紹介事業者が行う職業相談などが対象です。

求人情報を閲覧しただけでは、実績になりません。具体的な活動内容は、ハローワークの窓口で確認してください。

待期期間中にアルバイトをしても、待期期間は変わりませんか。

いいえ、待期期間中に就労した場合は、待期期間の満了が後ろにずれることがあります。

就労した日は、7日に算入されません。失業している日が通算で7日に達するまで、待期期間は続きます。

自己都合で退職した場合、給付制限は必ずかかりますか。

いいえ、正当な理由のない自己都合退職には、原則として1か月の給付制限がかかります。

ただし、離職理由やこれまでの退職歴によって扱いは変わります。直前5年間に正当な理由のない自己都合退職が2回以上ある場合は、3か月となる場合があります。

退職代行を利用すれば、失業保険の受給について会社と交渉できますか。

いいえ、退職代行では、会社と交渉する権限がありません。離職理由や退職に伴う金品の返還について、会社と争いがある場合は、弁護士へ相談してください。

退職代行業者では、法律に基づいた交渉は扱えません(弁護士法72条)。

再就職手当は、早く就職すれば必ずもらえますか。

いいえ、再就職手当の受給には、いくつかの要件を満たす必要があります。

例えば、基本手当の支給残日数が3分の1以上であることなどが条件です。ただし、過去に受給歴がある場合など、支給されないケースもあります。

受給期間は、退職後すぐに使い切らないといけませんか。

基本手当の受給期間は、離職日の翌日から原則として1年です。

ただし、妊娠・出産・育児などの理由で30日以上働けないときは、その日数を加算できます。加算の手続きをハローワークで行うことで、受給できる期間を延ばせます。

参考:雇用保険の基本手当(失業給付)を受給される皆さまへ[PDF]|厚生労働省

まとめ

  • 離職した時点では65歳未満の被保険者として扱われます。
  • 受給期間は離職日の翌日から1年が原則です。
  • ただし、妊娠や出産などで働けない期間がある場合は、最長4年まで延長できます。
  • 待期期間7日の間に就労した場合は、満了日が後ろにずれることがあります。
  • 自己都合退職の場合、原則として1か月の給付制限がかかります。
  • 今回を除く直前5年間に正当な理由のない自己都合退職が2回以上ある場合は、3か月となります。

なお、60歳以上の定年等による離職では、求職の申込みをしない期間(1年を限度)を合算できる仕組みもあります。

手続きの具体的な流れや、必要な書類については退職後の手続きガイドもあわせて確認してください。

失業保険の仕組みを詳しく知りたい場合は失業保険の解説ページを参考にしてください。

この記事の根拠(本文内62か所・台帳19項目・一次資料4件)

制度の数値(台帳から出しています)

一次資料

数値は一次情報で確かめてから台帳に入れています(情報源について)。リンク先の内容が変わっているのを見つけたら訂正の受付までお知らせください。

この記事の編集責任者

JPSM INTERNET SERVICE 代表

小笠原 治輝おがさわら はるき

休職から退職までの手続きを自分で経験しました。傷病手当金の申請、雇用保険の受給期間延長、健康保険と年金の切り替えを実際に進めた経験があります。記事は、厚生労働省・e-Gov法令検索・ハローワークの一次情報と突き合わせて確認しています。