会社が倒産したあとの失業保険は、離職票を揃えてハローワークで手続きをすることで受け取れます
会社が倒産して離職することになった方は、雇用保険の基本手当(失業保険)を受け取る権利があります。この記事では、倒産による離職の場合に、いつまでに、どのような手順で手続きを進めればよいのかを解説します。
- 離職票をハローワークへ提出する
- 求職の申し込みを行う
- 失業の認定を受ける
- 基本手当が指定口座に振り込まれる

会社が倒産したあとの失業保険受給までの流れ
会社が倒産した場合、雇用保険から基本手当(失業中に支払われる給付金)を受け取るための手続きが必要です。

受給までの主な工程は、以下の5つのステップに分けられます。
- 会社から離職票などの書類を受け取る
- ハローワークへ求職の申し込みをする
- 待期期間(失業状態であることを確認するための期間)を過ごす
- 失業認定を受ける
- 基本手当が振り込まれる
まず、離職票が届いたら管轄のハローワークへ向かい、求職の申し込みを行います。手続き後、7日 の待期期間が設けられます。
待期期間終了後は、4週間 ごとに失業認定を受ける必要があります。認定後、基本手当は 5営業日 程度で指定口座に振り込まれます。
受給にあたって、以下の点に注意が必要です。
- 基本手当の受給期間は、離職日の翌日から原則として 1年 です。
- 妊娠や出産、育児などの理由で30日以上働けない場合は、受給期間を延長できます。
- 延長したあとの受給期間は、最長で 4年 です。
受給期間を過ぎると、たとえ給付日数が残っていても支給されなくなります。延長の手続きは自動ではないため、公共職業安定所長へ申し出る必要があります。
参考:ハローワークインターネットサービス|雇用保険の具体的な手続き|厚生労働省
参考:雇用保険の基本手当(失業給付)を受給される皆さまへ[PDF]|厚生労働省
倒産による離職の場合、自己都合退職とは異なり、給付制限期間は設けられません。ただし、最終的な離職理由は、本人への確認や調査を経てハローワークが判定します。
もし離職票の理由が自己都合となっている場合は、ハローワークの窓口で事実関係を相談してください。会社側が手続きを遅延している場合も、速やかに管轄のハローワークへ相談しましょう。
また、再就職手当の受給を検討している方は、支給残日数の条件に注意してください。基本手当の支給残日数が、所定給付日数の 3分の1以上あることが要件の一つです。
ただし、再就職手当は「安定した職業に就いた」ことなどが公共職業安定所長に認められる必要があります。過去に受給歴がある場合など、例外的に支給されないケースもあります。
受給額の計算には、離職前の賃金に基づいた「賃金日額」が用いられます。基本手当日額の上限額は年齢によって異なります。詳細は、以下の各年齢別の項目をご確認ください。
- 29歳以下の場合:上限 7,450円
- 30〜44歳の場合:上限 8,270円
- 45〜59歳の場合:上限 9,110円
- 60〜64歳の場合:上限 7,830円
賃金日額の算出には、14,900円 などの上限も適用されます。正確な金額は、ハローワークでの手続き時に確認することをおすすめします。
手続きを忘れないための期限とスケジュール
基本手当を受け取るまでの流れには、離職理由によって異なる期間が含まれます。
手続きを進める上で、いつから給付が始まるのかを把握しておくことが大切です。

離職理由が自己都合によるものか、倒産などの会社都合によるものかによって、給付までの待ち時間が変わります。
以下の表に、離職理由ごとの違いをまとめました。
| 離職の理由 | 給付までの待ち時間 | 備考 |
|---|---|---|
| 会社都合(倒産など) | なし | 待期期間のみ |
| 自己都合(原則) | 1か月 | 給付制限期間 |
| 自己都合(繰り返し) | 3か月 | 給付制限期間 |
図のとおり、離職理由によって給付までの待ち時間が変わります。
倒産などの場合は、待期期間7日が終わればすぐに給付の対象となります。
一方で、自己都合による離職の場合は、一定の期間を待つ必要があります。
原則として1か月の給付制限期間があります。
ただし、離職日前5年間に正当な理由のない自己都合退職が2回以上ある場合は、3か月の間、給付が制限されることがあります。
給付が始まったあとも、定期的な手続きが必要です。
ハローワークでの失業認定は、原則として4週間の間隔で行われます。
この認定を受けることで、基本手当が支払われます。
認定日から基本手当が振り込まれるまでは、通常5営業日かかります。
振込日は金融機関によって異なるため、余裕を持って資金計画を立てましょう。
また、基本手当の受給期間は、離職日の翌日から原則として1年です。
この期間を過ぎると、たとえ給付日数が残っていても支給されなくなります。
ただし、妊娠や出産、育児などの理由で引き続き30日以上職業に就けないときは、その日数を加算できます。
延長したあとの受給期間は、最長で 4年 です。
受給期間の延長は自動で行われません。
対象となる場合は、厚生労働省令の定めるところにより、公共職業安定所長(ハローワーク)へ申し出る必要があります。
なお、60歳以上の定年退職などの場合は、求職の申し込みをしない期間(1年を限度)を合算できる仕組みもあります。
ご自身の状況に合わせて、ハローワークの窓口で詳細を確認してください。
参考:雇用保険の基本手当(失業給付)を受給される皆さまへ[PDF]|厚生労働省
離職票の受け取りから振込までの手順
離職票が届いたら、管轄のハローワークへ行く準備を始めます。
離職票、本人確認書類、写真、本人名義の預金通帳やキャッシュカードを用意してください。

窓口で求職の申し込みを行い、失業の状態であると認められると、基本手当の受給に向けた手続きが進みます。
手続きの過程で、基本手当日額が決定します。
基本手当日額は、離職前の賃金をもとに算出した賃金日額から計算されます。
賃金日額には、年齢や収入に応じた上限と下限があります。
| 区分 | 賃金日額 | 基本手当日額 |
|---|---|---|
| 全年齢 | 3,203円 〜 17,400円 | 2,562円 〜 7,830円 |
| 29歳以下 | 14,900円 | 7,450円 |
| 30〜44歳 | 16,540円 | 8,270円 |
| 45〜59歳 | 18,220円 | 9,110円 |
| 60〜64歳 | 17,400円 | 7,830円 |
賃金日額の範囲によって、受け取れる基本手当日額が決まります。
受給が始まると、ハローワークでの失業認定を受けるたびに、指定の口座へ基本手当が振り込まれます。
認定日から振込までは、通常5営業日程度かかります。
なお、基本手当の受給期間は、離職日の翌日から原則として1年です。
ただし、妊娠や出産などの理由で引き続き30日以上就業できない場合は、最大4年を受給期間に加算できます。
60歳以上の定年退職などの場合は、求職の申し込みをしない期間(1年を限度)を合算できる仕組みもあります。
受給期間の延長や合算を希望する場合は、ハローワークへ申し出てください。
また、早期に安定した職業に就いた場合には、再就職手当を受け取れる可能性があります。
支給残日数が所定給付日数の3分の1以上であることなど、一定の要件を満たす必要があります。
振込までの流れは、現在の状況によって異なります。
以下の表を参考に、ご自身の立場を確認してください。
| いまの立場 | 扱い | 次に見るところ |
|---|---|---|
| 正社員 | 雇用保険の被保険者 | 離職票の受け取り |
| 契約社員 | 雇用保険の被保険者 | 離職票の受け取り |
| パート・アルバイト | 条件を満たせば雇用保険の被保険者 | 離職票の受け取り |
| 休職中で在籍している人 | 雇用保険の被保険者 | 会社の休職制度 |
| 退職して任意継続を選んだ人 | 健康保険の被保険者 | 保険料の支払い |
| 退職して国民健康保険に入った人 | 国民健康保険の被保険者 | 保険料の支払い |
| 家族の扶養に入った人 | 被扶養者 | 扶養認定の手続き |
| 産前産後休業や育児休業の人 | 雇用保険の被保険者 | 休業給付金の手続き |
参考:ハローワークインターネットサービス|雇用保険の具体的な手続き|厚生労働省
手続きの詳細は、管轄のハローワークで確認してください。
手続きがうまくいかないときの相談先
ハローワークでの手続きや給付の仕組みについて、疑問や不安が生じる場面はあります。状況に応じて、相談する窓口を使い分けることが大切です。

雇用保険の給付や条件に関する相談
給付の条件や受給中のルールについて確認したい場合は、管轄のハローワークへ相談してください。支給される金額や再就職手当の要件などは、個別の状況によって判断されます。
再就職手当については、以下の要件を満たす必要があります。ただし、過去に受給歴がある場合などは対象外となる可能性があります。
- 再就職手当の対象となる支給残日数が、所定給付日数の 3分の1以上 であること
- 厚生労働省令で定める安定した職業に就くこと
- 公共職業安定所長が必要と認めること
また、時給や日給などの最低保障の率が 70% であることや、認定日から振込までの期間が 5営業日 であることも確認してください。
参考:雇用保険の基本手当(失業給付)を受給される皆さまへ[PDF]|厚生労働省
受給期間についても注意が必要です。原則として離職日の翌日から 1年 ですが、妊娠や出産などの理由がある場合は、最長で 4年 まで延長できる場合があります。
ただし、延長は自動ではないため、ハローワークへの申請が必要です。また、60歳以上の定年等の場合は、求職の申込みをしない期間を合算できる仕組みもあります。
基本手当日額には上限額が設けられています。年齢区分によって上限が異なるため、ご自身の年齢に該当する額を確認してください。
- 29歳以下:7,450円
- 30〜44歳:8,270円
- 45〜59歳:9,110円
- 60〜64歳:7,830円
会社とのトラブルや賃金に関する相談
会社から離職票が届かない場合や、未払いの賃金がある場合は、別の窓口が検討対象になります。未払い賃金など労働基準法違反が疑われるときは、労働基準監督署へ相談してください。
賃金の計算方法や、最低保障に関するルールについては、以下の法令に基づいた確認が可能です。
参考:雇用保険法(昭和四十九年法律第百十六号)第17条(賃金日額)|e-Gov法令検索
なお、令和7年4月以降に教育訓練等を受ける場合、給付制限が解除され、基本手当を受給できる仕組みもあります。制度の変更点については、最新の情報を確認してください。
参考:令和7年4月以降に教育訓練等を受ける場合、給付制限が解除され、基本手当を受給できます|厚生労働省
具体的な手続きの流れについては、ハローワークインターネットサービスの案内も参考にしてください。
参考:ハローワークインターネットサービス|雇用保険の具体的な手続き|厚生労働省
会社が倒産したときの失業保険に関するよくある疑問
倒産による離職でも、待期期間は発生しますか
はい、発生します。離職理由が倒産によるものであっても、受給の前に7日間の待期期間が必要です。この期間は、離職理由にかかわらず共通のルールです。
待期期間中にアルバイトをしても大丈夫ですか
アルバイト自体は禁止されていませんが、働いた日数は待期期間の7日に算入されません。失業している日が通算で7日に達するまで、待期期間の満了は後ろにずれます。
求人情報を閲覧しただけで、求職活動実績になりますか
いいえ、閲覧しただけでは実績になりません。求人への応募や、許可・届け出のある職業紹介事業者が行う職業相談などが対象です。詳細は管轄のハローワークで確認してください。
自己都合での離職を繰り返していると、給付制限はどうなりますか
倒産による離職で特定受給資格者と判定された場合は、給付制限がありません。過去に自己都合離職があっても、今回が倒産による離職であれば、この給付制限は適用されません。
受給期間を過ぎてしまったら、もうもらえませんか
原則として、離職日の翌日から1年以内に受給を終える必要があります。ただし、妊娠・出産・育児などの理由で30日以上働けない場合は、期間の延長が可能です。受給期間に加算できる期間の上限は4年です。
再就職手当は、早く決まれば必ずもらえますか
早く就職しても、必ずもらえるわけではありません。支給残日数が所定給付日数の3分の1以上であることなどの要件があります。また、過去に受給したことがある場合などは対象外となることもあります。
退職代行業者に、会社への交渉を依頼できますか
弁護士や労働組合でない退職代行業者は、原則として会社との法的な交渉はできません。会社との間で法的な交渉が必要な場合は、弁護士へ相談してください。弁護士や労働組合でない代行業者は、退職の意思伝達が主な対応範囲です。
参考:雇用保険の基本手当(失業給付)を受給される皆さまへ[PDF]|厚生労働省
まとめ
会社が倒産したときの失業保険の手続きについて、大切な点をまとめました。
- 倒産による離職は、特定受給資格者として扱われる場合があります。
- 受給の前に、離職理由にかかわらず7日間の待期期間が必要です。
- 離職理由によって、給付までの待ち時間が変わります。
- 倒産による離職で特定受給資格者と判定された場合は、自己都合離職に対する給付制限は適用されません。
- 未払い賃金の交渉はハローワークではできず、労働基準監督署などが窓口になります。
- 弁護士や労働組合でない退職代行業者は、原則として会社との法的な交渉はできません。
基本手当の受給期間は、離職日の翌日から原則として1年間です。ただし、妊娠や出産などの理由で働けない場合は、最長で4年まで延長できる場合があります。
延長の手続きは自動ではないため、管轄のハローワークへ申し出る必要があります。
また、再就職手当を受け取るには、基本手当の支給残日数が所定給付日数の3分の1以上であることなどの要件を満たす必要があります。ただし、過去に受給歴がある場合など、条件により支給されないケースもあります。
手続きの進め方や受給の条件については、離職後の手続きの流れや失業保険の仕組みをあわせて確認してください。
この記事の根拠(本文内61か所・台帳19項目・一次資料4件)
制度の数値(台帳から出しています)
- 待期期間7日時点:令和8年8月1日確認:2026-08-10厚生労働省|ハローワークインターネットサービス|雇用保険の具体的な手続き
- 失業の認定の間隔4週間時点:令和8年8月1日確認:2026-08-10厚生労働省|ハローワークインターネットサービス|雇用保険の具体的な手続き
- 認定日から振込までの日数5営業日時点:令和8年8月1日確認:2026-08-10厚生労働省|ハローワークインターネットサービス|雇用保険の具体的な手続き
- 基本手当の受給期間(離職日の翌日から・原則)1年時点:2026-08確認:2026-08-19e-Gov法令検索(デジタル庁)|雇用保険法 第20条第1項第1号(支給の期間及び日数)
- 受給期間を延長できる上限(加算後の期間・雇用保険法第20条第1項)4年時点:2026-08確認:2026-08-19e-Gov法令検索(デジタル庁)|雇用保険法 第20条第1項(支給の期間及び日数)
- 再就職手当の対象になる支給残日数(所定給付日数に対する割合)3分の1以上時点:2026-08確認:2026-08-19e-Gov法令検索(デジタル庁)|雇用保険法 第56条の3第1項第1号(就業促進手当)
- 基本手当日額の上限額(29歳以下)7,450円時点:令和8年8月1日確認:2026-08-10厚生労働省|雇用保険の基本手当(失業給付)を受給される皆さまへ[PDF]
- 基本手当日額の上限額(30〜44歳)8,270円時点:令和8年8月1日確認:2026-08-10厚生労働省|雇用保険の基本手当(失業給付)を受給される皆さまへ[PDF]
- 基本手当日額の上限額(45〜59歳)9,110円時点:令和8年8月1日確認:2026-08-10厚生労働省|雇用保険の基本手当(失業給付)を受給される皆さまへ[PDF]
- 基本手当日額の上限額(60〜64歳)7,830円時点:令和8年8月1日確認:2026-08-10厚生労働省|雇用保険の基本手当(失業給付)を受給される皆さまへ[PDF]
- 賃金日額の上限額(29歳以下)14,900円時点:令和8年8月1日確認:2026-08-10厚生労働省|雇用保険の基本手当(失業給付)を受給される皆さまへ[PDF]
- 自己都合の給付制限(原則)1か月時点:令和8年8月1日確認:2026-08-10厚生労働省|令和7年4月以降に教育訓練等を受ける場合、給付制限が解除され、基本手当を受給できます
- その退職を除く直前5年間に正当な理由のない自己都合退職が2回以上ある場合の給付制限3か月時点:令和8年8月1日確認:2026-08-10厚生労働省|令和7年4月以降に教育訓練等を受ける場合、給付制限が解除され、基本手当を受給できます
- 賃金日額の下限額(全年齢)3,203円時点:令和8年8月1日確認:2026-08-10厚生労働省|雇用保険の基本手当(失業給付)を受給される皆さまへ[PDF]
- 賃金日額の上限額(60〜64歳)17,400円時点:令和8年8月1日確認:2026-08-10厚生労働省|雇用保険の基本手当(失業給付)を受給される皆さまへ[PDF]
- 基本手当日額の下限額(全年齢)2,562円時点:令和8年8月1日確認:2026-08-10厚生労働省|雇用保険の基本手当(失業給付)を受給される皆さまへ[PDF]
- 賃金日額の上限額(30〜44歳)16,540円時点:令和8年8月1日確認:2026-08-10厚生労働省|雇用保険の基本手当(失業給付)を受給される皆さまへ[PDF]
- 賃金日額の上限額(45〜59歳)18,220円時点:令和8年8月1日確認:2026-08-10厚生労働省|雇用保険の基本手当(失業給付)を受給される皆さまへ[PDF]
- 時給・日給・出来高払の最低保障の率(雇用保険法17条2項1号)70%時点:令和8年8月1日確認:2026-08-10e-Gov法令検索|雇用保険法(昭和四十九年法律第百十六号)第17条(賃金日額)
一次資料
- 厚生労働省|ハローワークインターネットサービス|雇用保険の具体的な手続き
- e-Gov法令検索(デジタル庁)|雇用保険法 第20条第1項第1号(支給の期間及び日数)
- 厚生労働省|雇用保険の基本手当(失業給付)を受給される皆さまへ[PDF]
- 厚生労働省|令和7年4月以降に教育訓練等を受ける場合、給付制限が解除され、基本手当を受給できます
数値は一次情報で確かめてから台帳に入れています(情報源について)。リンク先の内容が変わっているのを見つけたら訂正の受付までお知らせください。