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再就職手当を最大限に受け取るための条件と手順
失業保険(基本手当)を受給している方が、支給残日数が一定以上ある状態で安定した職業に就いた場合に支払われるのが再就職手当です。この記事では、手当を最大限に受け取るための支給残日数の条件や、申請までの具体的な流れを解説します。
- 支給残日数が所定給付日数の3分の1以上あること
- 厚生労働省令で定める安定した職業に就くこと
- 公共職業安定所長が再就職と認めること

再就職手当を申請するまでの5つの工程
再就職手当を申請するプロセスは、大きく分けて5つの工程があります。
再就職手当は、基本手当の受給手続後、待期満了後に一定の要件を満たして再就職した場合に支払われる一時金です。

手続きの全体像は、以下の通りです。
- 再就職の決定と、条件の確認
- ハローワークへの報告と、再就職手当の申請準備
- 会社からの証明書の受け取り
- ハローワークへの申請書の提出
- 審査と手当の受取
1つ目の工程は、再就職の条件を確認することです。
基本手当の支給残日数が、所定給付日数の 3分の1以上あるか確認しましょう。
ただし、厚生労働省令で定める安定した職業に就くことや、公共職業安定所長が必要と認めることなどの要件もあります。
「早く就職すれば必ずもらえる」わけではない点に注意してください。
参考:雇用保険の基本手当(失業給付)を受給される皆さまへ|厚生労働省
2つ目の工程は、ハローワークへの報告です。
再就職が決まったら、管轄のハローワークへ速やかに伝えます。
この際、窓口で再就職手当の申請に必要な書類を具体的に確認してください。
3つ目の工程は、会社からの証明書の受け取りです。
再就職した会社に、所定の証明書への記入を依頼します。
採用年月日や就業条件、雇用形態などを正確に記入してもらう必要があります。
4つ目の工程は、申請書の提出です。
用意した書類を、管轄のハローワークへ提出します。
提出方法や必要書類の詳細は、窓口や電話で事前に確認しておくとスムーズです。
5つ目の工程は、審査と受取です。
ハローワークが提出書類を審査し、要件を満たしていると判断されれば手当が支払われます。
審査の結果、支給されない場合もあるため注意が必要です。
申請にあたって、以下の点に留意してください。
- 就職日前3年以内の就職について、再就職手当または常用就職支度手当を受けた場合は、支給されません。
- 再就職した先が、今回の離職前の事業主やその関連事業主である場合は対象外です。
- 受給手続後の7日間の待期が満了する前に再就職した場合は、支給要件から外れます。
参考:ハローワークインターネットサービス|雇用保険の具体的な手続き|厚生労働省
参考:雇用保険の基本手当(失業給付)を受給される皆さまへ|厚生労働省
申請の期限と手続きのタイミング
再就職手当の申請には、守るべき期限があります。手続きのタイミングを逃すと、要件を満たしていても支給されない可能性があるため注意が必要です。

再就職が決まったあとの、主な手続きのタイミングをまとめました。ご自身の状況と照らし合わせて確認してください。
| 手続きの内容 | タイミング | 備考 |
|---|---|---|
| 再就職の報告 | 再就職が決まったとき | ハローワークへ伝えます |
| 証明書の依頼 | 再就職が決まったあと | 新しい会社へ記入を依頼します |
| 申請書の提出 | 書類がすべて揃ったとき | ハローワークへ提出します |
再就職手当の申請期限は、原則として就職日の翌日から1か月以内です。1か月の申請期限を過ぎても、就職日の翌日から2年以内であれば申請できます。
基本手当の受給期間は、離職日の翌日から原則として 1年 です。
参考:雇用保険の基本手当(失業給付)を受給される皆さまへ[PDF]|厚生労働省
ただし、妊娠・出産・育児などの理由で引き続き30日以上就業できない場合は、その日数を加算できます。加算後の受給期間は、最長で 4年 まで延長可能です。
なお、延長は自動で行われません。厚生労働省令の定めるところにより、公共職業安定所長へ申し出る必要があります。
また、再就職した日から一定の期間が経過していると、支給対象外となる場合があります。支給の可否は、管轄のハローワークが判断します。
支給要件には、基本手当の支給残日数が所定給付日数の 3分の1以上 であることなどが含まれます。ただし、以下のケースでは支給されないことがあります。
- 就職日前3年以内の就職について、再就職手当または常用就職支度手当を受けた場合
- 再就職した先が、以前に雇用されていた会社やその関連会社である場合
- 受給資格決定後の待期が満了する前に就職した場合
手続きをスムーズに進めるために、再就職が決まった段階で、早めに管轄のハローワークへ相談してください。申請に必要な書類や、具体的な期限について案内を受けられます。
窓口では、待期期間 7日 の経過状況や、自己都合による給付制限 1か月 の有無についても確認できます。
詳細は、ハローワークインターネットサービスでも確認可能です。
参考:ハローワークインターネットサービス|雇用保険の具体的な手続き|厚生労働省
再就職手当はいくらもらえるか
再就職手当の金額は、上限が適用される基本手当日額、支給残日数および支給率によって決まります。計算には、「基本手当日額(雇用保険で受給できる1日当たりの額)」が使われます。

賃金日額は、原則として離職直前6か月間に支払われた賃金総額を180で割って算出します。ただし、賃金日額には年齢に応じた上限額と、全年齢共通の下限額が設定されています。
賃金日額の上限額は年齢により異なり、29歳以下なら 14,900円、30〜44歳なら 16,540円、45〜59歳なら 18,220円、60〜64歳なら 17,400円 です。
下限額については、全年齢で 3,203円 と定められています。なお、賃金日額の算出方法には、時給や日給、出来高払いの種類によって 70% の最低保障が適用される場合があります。
参考:雇用保険法(昭和四十九年法律第百十六号)第17条(賃金日額)|e-Gov法令検索
支給残日数が「3分の1以上」残っている場合
基本手当の支給残日数が所定給付日数の 3分の1以上 なら、基本手当日額に残日数の 3分の1以上 ではなく、60%または70%を乗じます。
この場合、残っている日数が多ければ多いほど、受け取れる金額も多くなる仕組みです。ただし、厚生労働省令で定める安定した職業に就くことなどが条件となります。
また、公共職業安定所長が必要と認める場合なども、支給の判断に関わります。支給額の詳細は、管轄のハローワークで確認することが可能です。
支給残日数が「3分の1未満」の場合
基本手当の支給残日数が、所定給付日数の 3分の1以上 を下回っているときは、再就職手当は支給されません。
早くに再就職が決まったとしても、残っている日数が少ないと対象外となります。受給期間内であっても、残日数が不足していれば受け取れないため注意が必要です。
なお、就職日前3年以内の就職について再就職手当または常用就職支度手当を受けた場合などは、支給されません。例外的な状況については、事前にハローワークへ相談してください。
参考:雇用保険の基本手当(失業給付)を受給される皆さまへ[PDF]|厚生労働省
再就職手当が支払われないケース
支給要件を満たしているように見えても、再就職手当が支払われないケースがあります。
雇用保険法令で定められた支給要件をすべて満たすかどうかを、ハローワークが審査します。

主な例外をまとめました。
ご自身の状況に当てはまるものがないか確認してください。
| ケース | 理由の例 | 備考 |
|---|---|---|
| 過去の受給 | 以前に再就職手当を受けたことがある | 支給要件によります |
| 就業の形態 | 以前に働いていた会社に再就職した | 一定の条件を満たさない場合 |
| 雇用期間 | 再就職した仕事の雇用期間が短い | 安定した職業と認められない場合 |
再就職した先が、今回の離職前の事業主である場合などは、支給の対象外となります。
離職前の事業主や、その事業主と資本・資金・人事・取引面で密接な関係にある事業主への再就職は対象外です。
また、再就職した仕事が、一定の期間を超えて継続して働けるものと認められない場合も、対象外となることがあります。
具体的には、1年を超えて勤務することが確実と認められない場合などが該当します。
さらに、受給期間の経過も注意が必要です。
受給期間は原則として離職日の翌日から1年ですが、所定給付日数が330日または360日の場合はこれより長くなります。
参考:雇用保険の基本手当(失業給付)を受給される皆さまへ[PDF]|厚生労働省
ただし、妊娠や出産、育児などの理由で引き続き30日以上就業できない場合は、期間の延長が可能です。
延長後の期間は4年が上限となります。
延長には、公共職業安定所長への申し出が必要です。
また、60歳以上の定年退職などの場合は、求職の申込みをしない期間(1年を限度)を合算できる仕組みもあります。
ただし、これらは自動的に適用されるわけではありません。
もし、自分が対象になるか判断に迷う場合は、管轄のハローワークへ相談してください。
申請の前に、窓口で直接確認することが確実です。
手続きがうまくいかないときの相談先
再就職手当の申請や受給について、判断に迷う場面は少なくありません。
制度のルールは複雑なため、自分だけで判断せず、適切な窓口へ相談してください。

ハローワークの窓口で、再就職手当がもらえるか判定してもらえますか。
はい、ハローワークの窓口で相談できます。
ご自身の再就職の状況が、支給要件を満たしているかどうかを、窓口で確認することが可能です。
会社とのトラブルについて、ハローワークに相談できますか。
いいえ、ハローワークは雇用保険の手続きを行う場所であり、会社との個人的なトラブルを解決する権限はありません。
会社との契約内容は総合労働相談コーナー、未払い賃金は労働基準監督署などへ相談できます。
求人サイトへの登録だけで、求職活動の実績になりますか。
いいえ、サイトへの登録だけでは求職活動の実績にはなりません。
求人への応募や、許可を受けた職業紹介事業者による職業相談などが、実績として認められる対象です。
職業訓練の申し込みをすれば、求職活動の実績になりますか。
公共職業訓練等の受講期間中などは、求職活動実績が必要とされない場合があります。
訓練の申込みや選考に伴う活動の扱いは、管轄のハローワークで確認してください。
再就職手当の申請に必要な求職活動の回数は決まっていますか。
再就職手当自体には、一律に2回以上という求職活動実績の回数要件はありません。
ご自身に必要な回数は、管轄のハローワークで確認してください。
再就職手当の支給要件には、支給残日数が所定給付日数の 3分の1以上であることなど、複数の条件があります。
ただし、これらはあくまで要件の一部であり、最終的な支給の可否は公共職業安定所長が判断します。
参考:ハローワークインターネットサービス|雇用保険の具体的な手続き|厚生労働省
もし、申請書類の書き方や、自分が対象になるかどうかの判断に迷ったときは、管轄のハローワークへ相談してください。
事前の確認を行うことで、申請時のミスを防ぐことにつながります。
なお、受給期間の延長についても、窓口で相談が可能です。
離職日の翌日から起算して 1年経過していると、所定給付日数が残っていても支給されません。
ただし、妊娠や出産、育児などの理由で引き続き就業できない場合は、期間の延長が可能です。
延長後の受給期間は、離職日の翌日から最長で 4年となります。
ただし、延長は自動的に適用されるものではありません。
厚生労働省令に基づき、公共職業安定所長へ申し出る必要があります。
参考:雇用保険の基本手当(失業給付)を受給される皆さまへ[PDF]|厚生労働省
再就職手当を満額に近づけるための条件
再就職手当には、基本手当の全額をそのまま受け取るという意味での「満額」はありません。支給額は、就職日の前日までの失業認定後に残っている基本手当の日数、基本手当日額、高い方または低い方の支給率によって決まります。最大限に受け取るには、基本手当を受給し始めてから再就職を遅らせるのではなく、できるだけ多くの支給日数を残した段階で就職し、高い方の支給率が適用されることが重要です。ただし、早く就職するだけでは支給されません。
まず、就職日の前日時点における支給残日数が、所定給付日数の3分の1以上あることが必要です。さらに、次の要件をすべて満たさなければなりません。
- 基本手当の受給資格決定を受け、失業の認定を経ていること
- 7日の待期が満了した後に就職していること
- 長期にわたり継続して勤務することが確実と認められる安定した職業に就くこと
- 原則として、雇用保険の被保険者になる条件で雇用されること
- 離職前の事業主や、資本・人事・取引などで密接な関係にある事業主への再就職でないこと
- 受給資格決定前から採用が内定していた事業主への就職でないこと
- 所定の期間内に再就職手当または常用就職支度手当を受給していないこと
自己都合退職などで給付制限を受ける場合は、待期満了後の1か月に就職するとき、ハローワークまたは許可・届出のある職業紹介事業者等の紹介が必要です。求人サイトから自分で直接応募した就職では、この期間中の紹介要件を満たしません。したがって、最大限の受給を目指す場合は、応募経路と就職予定日を決める前に、受給資格者証を持参してハローワークで支給残日数と紹介要件を確認するのが確実です。

参考:Q&A~労働者の皆様へ(基本手当、再就職手当)~|厚生労働省
再就職手当を最大限に受け取るための確認基準
再就職手当の「満額」とは、基本手当の残額をすべて受け取ることではありません。支給額は、就職日の前日までの失業認定後に確定する支給残日数に、基本手当日額と所定の支給率を掛けて決まります。そのため、本人の条件内で最大限に受け取るには、支給要件を満たしたうえで、支給残日数が高い方の支給率となる区分に入っているかを確認することが重要です。
判断の基準日は、内定日や申請日ではなく就職日です。基本手当を受け取るほど支給残日数は減るため、就職を先延ばしにして基本手当を受給すると、通常は再就職手当の計算対象も少なくなります。一方、待期満了前の就職は対象外なので、単に早ければよいわけではありません。
就職を決める前には、受給資格者証を基に、次の事項をハローワークで確認してください。
- 就職日の前日時点で、支給残日数が所定給付日数の3分の1以上あるか
- 高い方の支給率が適用される残日数の区分に入っているか
- 7日の待期が就職日前に満了するか
- 給付制限中の場合、応募経路に関する紹介要件を満たすか
- 就職先で長期継続して働く見込みがあり、雇用保険の被保険者となるか
特に自己都合退職で給付制限を受ける人は、待期満了後の1か月に、ハローワーク等の紹介によらず就職すると支給対象になりません。応募前に紹介要件を確認し、就職日の前日までに必要な失業認定を受けることが、受取額を減らさず申請要件も外さないための実務上の要点です。
参考:Q&A~労働者の皆様へ(基本手当、再就職手当)~|厚生労働省
まとめ
- 再就職手当は、一定の要件を満たした場合に支給される一時金です。
- 支給には基本手当の残日数が3分の1以上必要で、支給額は残日数、上限適用後の基本手当日額および支給率によって決まります。
- 申請には期限があるため、手続きのタイミングに注意が必要です。
- 求職活動の実績は、サイトへの登録や閲覧だけでは認められません。
- 支給の可否や必要な実績の回数は、管轄のハローワークが判断します。
ただし、就職日前3年以内の就職について再就職手当または常用就職支度手当を受けた場合などは、支給対象外です。また、基本手当の受給期間1年を過ぎると、所定給付日数が残っていても支給されません。
ただし、妊娠・出産・育児などの理由がある場合は、最長4年まで延長できる仕組みがあります。
手続きの進め方や、ご自身の状況が対象になるかについては、失業保険(雇用保険)の制度をあわせて確認しておくと役立ちます。書類の準備などで不明な点があれば、必要書類の確認も進めておきましょう。
この記事の根拠(本文内29か所・台帳11項目・一次資料5件)
制度の数値(台帳から出しています)
- 再就職手当の対象になる支給残日数(所定給付日数に対する割合)3分の1以上時点:2026-08確認:2026-08-19e-Gov法令検索(デジタル庁)|雇用保険法 第56条の3第1項第1号(就業促進手当)
- 基本手当の受給期間(離職日の翌日から・原則)1年時点:2026-08確認:2026-08-19e-Gov法令検索(デジタル庁)|雇用保険法 第20条第1項第1号(支給の期間及び日数)
- 受給期間を延長できる上限(加算後の期間・雇用保険法第20条第1項)4年時点:2026-08確認:2026-08-19e-Gov法令検索(デジタル庁)|雇用保険法 第20条第1項(支給の期間及び日数)
- 待期期間7日時点:令和8年8月1日確認:2026-08-10厚生労働省|ハローワークインターネットサービス|雇用保険の具体的な手続き
- 自己都合の給付制限(原則)1か月時点:令和8年8月1日確認:2026-08-10厚生労働省|令和7年4月以降に教育訓練等を受ける場合、給付制限が解除され、基本手当を受給できます
- 賃金日額の上限額(29歳以下)14,900円時点:令和8年8月1日確認:2026-08-10厚生労働省|雇用保険の基本手当(失業給付)を受給される皆さまへ[PDF]
- 賃金日額の上限額(30〜44歳)16,540円時点:令和8年8月1日確認:2026-08-10厚生労働省|雇用保険の基本手当(失業給付)を受給される皆さまへ[PDF]
- 賃金日額の上限額(45〜59歳)18,220円時点:令和8年8月1日確認:2026-08-10厚生労働省|雇用保険の基本手当(失業給付)を受給される皆さまへ[PDF]
- 賃金日額の上限額(60〜64歳)17,400円時点:令和8年8月1日確認:2026-08-10厚生労働省|雇用保険の基本手当(失業給付)を受給される皆さまへ[PDF]
- 賃金日額の下限額(全年齢)3,203円時点:令和8年8月1日確認:2026-08-10厚生労働省|雇用保険の基本手当(失業給付)を受給される皆さまへ[PDF]
- 時給・日給・出来高払の最低保障の率(雇用保険法17条2項1号)70%時点:令和8年8月1日確認:2026-08-10e-Gov法令検索|雇用保険法(昭和四十九年法律第百十六号)第17条(賃金日額)
一次資料
- e-Gov法令検索(デジタル庁)|雇用保険法 第56条の3第1項第1号(就業促進手当)
- 厚生労働省|雇用保険の基本手当(失業給付)を受給される皆さまへ
- 厚生労働省|ハローワークインターネットサービス|雇用保険の具体的な手続き
- 厚生労働省|令和7年4月以降に教育訓練等を受ける場合、給付制限が解除され、基本手当を受給できます
- 厚生労働省|Q&A~労働者の皆様へ(基本手当、再就職手当)~
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