PR本記事にはプロモーションが含まれます(現時点で成果報酬の契約はありません)
退職代行には、労働組合が運営するものと弁護士が担当するものがあります。組合が運営するサービスでは、組合員として団体交渉の形で会社と話し合える場合があります(労働組合法第6条)。ただし、訴訟や損害賠償の請求など法律事務にあたるものは弁護士に限られます(弁護士法第72条)。利用する前に、運営しているのがどこか、組合への加入がどうなるかを確かめてください。
派遣社員が退職する際の手続きと、守るべき期限
派遣社員の方が退職する場合、派遣元(雇用主)と派遣先(就業場所)の両方に関わる手続きが必要です。この記事では、退職を決めてから失業保険の申請に至るまでの流れや、会社とのやり取りで困ったときの相談先を解説します。
- 派遣元への退職意思の伝達
- 派遣先への引き継ぎと退職日の調整
- 離職票などの書類の受け取り
- ハローワークでの失業保険の手続き
- 退職後の健康保険や年金の手続き

派遣社員が退職するまでの5つの工程
派遣社員が仕事を辞める場合、派遣先(実際に働く場所)と派遣元(雇用契約を結んでいる会社)の両方が関わります。手続きの進め方は、以下の5つの工程に分けられます。

- 派遣元への退職の意思表示
- 派遣先への退職の報告と業務の引き継ぎ
- 派遣元との退職条件の確認
- 備品の返却と離職に関する書類の受け取り
- 退職後の各種手続き(社会保険や雇用保険など)
最初の工程は、雇用契約を結んでいる派遣元の担当者へ伝えます。派遣先へ直接伝える前に、派遣元の就業規則や契約内容を事前に確認することが望ましいです。
ただし、契約期間の定めがある場合は、中途解約に関する規定も併せて確認してください。契約満了による終了か、自己都合による途中退職かによっても手順が異なります。
次に、派遣先での業務を円滑に終わらせるための準備をします。派遣先には、いつまで働けるのか、業務の引き継ぎをどう進めるかを伝えます。
担当者だけでなく、チーム内で共有すべき事項も整理しておくとスムーズです。後任者が決まっていない場合は、マニュアルの作成や進捗状況のリスト化を検討しましょう。
派遣元との間では、退職日や有給休暇の消化、最終的な給与の支払いについて確認を行います。有給休暇をすべて消化して退職したい場合は、あらかじめ取得計画を提示して調整が必要です。
ただし、業務の状況により調整が必要になる場合もあります。また、退職に伴う交通費の精算や、通勤手当の停止時期についても併せて確認しておくと安心です。
退職が近づいたら、派遣元から離職票(失業給付の手続きに必要な書類)などの書類を受け取ります。また、源泉徴収票や雇用保険被保険者証なども、あわせて受け取り漏れがないか確認しましょう。
書類に不備があると、その後の手続きに影響することがあります。離職票は原則として必要ですが、交付が遅れている場合は離職票なしで仮手続きができるため、ハローワークへ相談してください。
最後の工程は、退職した後の手続きです。健康保険や年金、雇用保険の切り替えなど、ご自身の状況に合わせて必要な手続きを行います。転職先が決まっている場合は、新しい会社での加入手続きを確認してください。
一方で、離職後すぐに再就職しない場合、健康保険は任意継続・国民健康保険・家族の扶養から選び、年金は状況に応じた切り替えが必要です。また、退職後に家族の扶養へ入る場合は、被扶養者となるための手続きも忘れないようにしましょう。
なお、派遣先との間でトラブルになり、法的な交渉が必要な場面では、弁護士でなければ扱えない用件があります。ここでは、一般的な手続きの流れについてまとめています。
未払い分の請求など、会社との交渉が要る場合は弁護士へ。ここでは扱えません(弁護士法72条)。
退職の手続きをいつまでに済ませるか
退職が決まったら、次に考えることは「いつまでに手続きを終えるか」です。
手続きには、派遣元への申し出と、役所などへの申請の2種類があります。

会社への申し出は、退職日を確定させるために行います。
一方、役所への手続きは、退職後の生活を支えるためのものです。
どちらも期限を過ぎると、給付の受取が遅れたり、手続きが複雑になったりします。
主な手続きのタイミングを以下の表にまとめました。
| 手続きの内容 | いつまでに行うか | 主な窓口 |
|---|---|---|
| 退職の申し出 | 派遣元の就業規則や契約内容で定められた時期まで | 派遣元 |
| 離職票の請求 | 退職後、書類が届き次第 | 派遣元 |
| 失業保険の申請 | 離職票が届き次第 | ハローワーク |
| 健康保険・年金の切り替え | 退職日の翌日から速やかに | 市区町村の窓口 |
会社への退職の申し出については、民法の規定が関わります。
期間の定めのない雇用契約の場合、解約の申し入れから2週間を経過することで終了します。
当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から二週間を経過することによって終了する。
引用:民法 第627条第1項(e-Gov法令検索)
ただし、派遣契約には「契約期間」が定められていることが一般的です。
契約期間の途中で辞める場合は、派遣元の就業規則を確認してください。
就業規則には、退職の何日前までに申し出るべきか、独自のルールが記載されています。
契約期間満了による退職か、自己都合による中途退職かでも、確認すべき内容が変わります。
退職後の役所での手続きは、退職した翌日から新しい制度への切り替えが必要です。
健康保険や年金の切り替えを忘れると、保険証が使えなくなるなどの不都合が生じます。
健康保険は、国民健康保険への加入や、家族の扶養に入るなどの選択肢があります。
年金についても、国民年金への切り替え手続きを市区町村の窓口で行う必要があります。
失業保険(雇用保険)の手続きは原則として離職票が必要ですが、届かない場合は仮手続きができることがあります。
離職票が届いたら、速やかに管轄のハローワークへ足を運びましょう。
書類の不備や届くタイミングの遅れにより、受給開始が遅れるケースもあります。
退職後は、派遣元から届く書類をこまめにチェックすることが大切です。
いまの立場によって変わる、退職後の動き
退職後の手続きは、あなたがどのような状況にあるかによって、進めるべき内容が異なります。

会社に在籍したまま休んでいる場合と、すでに退職して新しい制度へ切り替える場合では、守るべきルールが別物だからです。
ご自身の現在の立場と、これから向かう方向を整理しておきましょう。
| いまの立場 | 扱い | 次に見るところ |
|---|---|---|
| 正社員 | 雇用契約を結んでいる | 退職の手続き |
| 契約社員 | 期間の定めがある雇用 | 退職の手続き |
| パート・アルバイト | 雇用契約を結んでいる | 退職の手続き |
| 休職中で在籍している人 | 社会保険の資格が継続中 | 休職中の保障 |
| 退職して任意継続を選んだ人 | 以前の健康保険を継続 | 保険料の支払い |
| 退職して国民健康保険に入った人 | 市区町村の保険に加入 | 保険料の支払い |
| 家族の扶養に入った人 | 家族の健康保険に加入 | 扶養の条件 |
| 産前産後・育児休業の人 | 雇用関係は継続している | 休業中の保障 |
健康保険の切り替えが必要な場合、手続きの窓口は状況により異なります。
任意継続の手続きは、以前加入していた健康保険組合や協会けんぽへ行います。ただし、加入できる期間には制限があるため注意が必要です。
一方、国民健康保険への加入は、お住まいの市区町村の役所が窓口となります。保険料の算定は前年の所得に基づきます。
家族の扶養に入る場合は、扶養者の勤務先の健保組合等へ申請が必要です。扶養に入れるかどうかは、年収などの条件を満たす必要があります。
休職中の場合は、雇用関係が継続しているため、会社を通じて手続きを行います。産前産後・育児休業中も、基本的には会社が窓口となります。
年金についても、厚生年金から国民年金へ切り替える手続きが必要になる場合があります。手続きは、お近くの年金事務所や市区町村の窓口で行います。
失業保険(雇用保険)の手続きには原則として離職票が必要ですが、届かない場合は仮手続きができることがあります。離職票が届いたら、速やかに管轄のハローワークへ相談しましょう。
ご自身の状況に合わせて、適切な窓口へ早めに問い合わせるようにしてください。
手続きの際は、離職票や健康保険資格喪失証明書などの書類が必要になることがあります。派遣元から書類が届くタイミングは、退職理由や会社の事務処理によって前後する場合があります。
また、国民健康保険や国民年金の手続きは、原則として退職日の翌日から14日以内に行います。自治体によっては、窓口の受付時間が限られているため、事前に確認しておくとスムーズです。
もし、手続きの進め方や必要書類について不安がある場合は、各制度の担当窓口へ直接電話で確認することをおすすめします。ただし、窓口によって回答が異なる場合がある点には留意してください。
会社とスムーズに話が進まないときの相談先
退職の手続きを進める際、派遣元とのやり取りが滞るケースがあります。
会社側の対応が遅い、あるいは退職の申し出が受け入れられないといった状況です。

そのようなときは、一人で抱え込まずに外部の窓口を利用することを検討してください。
状況によって、相談できる場所が異なります。
派遣元との契約や労働条件について相談したい場合
契約内容や退職ルールについて意見が食い違っているときは、労働局などの公的な窓口が利用できます。
労働局には、労働問題に関する相談を受け付ける体制が整っています。
都道府県の労働局に設置されている「総合労働相談コーナー」でも相談が可能です。
解雇や退職に関するトラブルを含め、さまざまな労働問題について話を聞いてもらえます。
ただし、これらの窓口は会社との間に入って直接交渉を行う権限を持っているわけではありません。
あくまで制度の仕組みを教えたり、解決に向けた助言を行ったりする場所です。
法的な争いになり、弁護士でなければ扱えないような複雑な用件である場合は、別途、弁護士へ相談する必要があります。
民間の中には「退職代行」をうたう業者もありますが、交渉権限の有無には注意してください。
離職票などの書類が届かないなど、手続きに困っている場合
退職後に離職票などの必要書類が届かないときは、ハローワークに相談してください。
ハローワークは、雇用保険の管理を行っている機関です。
会社が書類を交付しない場合、ハローワークから会社に対して、書類を出すよう指導が行われることがあります。
まずは管轄のハローワークへ状況を伝えてください。
また、未払いの賃金がある場合などは、労働基準監督署が窓口となります。
労働基準法に基づき、会社が守るべきルールについて確認したいときに適しています。
どの窓口に相談すべきか迷ったときは、まずは最寄りのハローワークや労働局へ電話で確認することをおすすめします。
ご自身の状況を伝えると、適切な相談先を案内してもらえます。
トラブルの性質に応じた相談先の使い分け
相談先を選ぶ際は、解決したい問題が「契約の解釈」か「手続きの不備」かを見極めましょう。
契約違反の疑いがあるなら労働局、雇用保険の手続きに関する不備ならハローワークが適しています。
ただし、未払い残業代の請求など、金銭的な解決を強く求める場合は、労働基準監督署への相談がスムーズです。
状況が深刻な場合は、証拠となるメールや契約書を整理してから窓口へ向かいましょう。
窓口へ行く際は、いつ、誰に、どのような内容を伝えたかという記録を持っておくと役立ちます。
電話相談では、具体的な解決策だけでなく、次に取るべき手順を確認してください。
派遣の退職に関するよくある勘違い
派遣先に直接、退職の意思を伝えてもよいですか。
原則として、雇用契約を結んでいる派遣元へ伝える必要があります。派遣先はあなたの雇用主ではないため、退職の決定権や手続きを行う権限を持っていません。
ただし、派遣先との関係性により、事前の相談として現場へ伝えるケースもあります。トラブルを防ぐため、まずは派遣元の担当者に相談してください。
退職代行を使えば、派遣元との交渉をすべて任せられますか。
弁護士や労働組合ではない退職代行業者には、会社と退職条件などを交渉する権限はありません。主に本人に代わって退職の意思を伝えるためのサービスです。
未払い賃金や退職条件について交渉が必要な場合は、弁護士または加入できる労働組合へ相談してください。ただし、代行会社によって対応範囲は異なります。
派遣先での契約期間が終わるまで、辞めることはできませんか。
契約期間の定めがあっても、やむを得ない事由がある場合や、一定の例外を除く1年超の契約で働き始めから1年が経過した場合は退職できます。ただし、何が「やむを得ない」にあたるかは個別の状況によります。
病気や介護などの事情がある場合は、早めに派遣元の担当者へ相談しましょう。契約内容や就業規則に基づき、手続きの進め方が決まります。
退職が決まれば、すぐに失業保険を受け取れますか。
退職後すぐに受け取れるわけではありません。失業保険(基本手当)の受給には、ハローワークでの求職申し込みと、一定の待期期間を経る必要があります。
受給要件を満たしているか、またいつから支給されるかは管轄のハローワークで確認してください。離職票などの必要書類が揃うまで時間がかかる場合もあります。
退職後の書類が届かないときはどうすればよいですか。
離職票などの書類が届かない場合は、まずは派遣元へ連絡して状況を確認してください。会社が書類を交付しない場合、ハローワークから指導が行われることもあります。
賃金の未払いなど、労働条件に関するトラブルがある場合は、労働基準監督署が窓口となります。状況に応じて、適切な機関へ相談を進めてください。
参考:ハローワークインターネットサービス|雇用保険の具体的な手続き|厚生労働省
まとめ
- 退職の意思は、雇用契約を結んでいる派遣元へ伝えるのが原則です。
- 退職日を決めるための申し出と、退職後の生活を支えるための手続きがあります。
- 健康保険などの継続方法は、ご自身の状況によって選択肢が分かれます。
- 派遣元とのやり取りが困難な場合は、労働局などの相談窓口があります。
- 失業保険の受給には、ハローワークでの手続きと待期期間が必要です。
退職が決まったら、まずは派遣元の担当者へ連絡し、退職日や離職票の発行について確認しましょう。離職票は失業保険の手続きに不可欠な書類です。
ただし、派遣元から離職票が届かない場合は、速やかに連絡するか、管轄のハローワークへ相談してください。
また、健康保険や年金の切り替えは、退職後の生活に直結します。国民健康保険への加入や、任意継続の手続きには期限があるため、早めの準備が推奨されます。
ただし、加入できる条件は個々の加入状況により異なります。
退職に関する具体的な流れや、必要な書類については退職の手続き全般のページにまとめています。あわせて、健康保険などの切り替えについては保険の解説記事も参考にしてください。