忌引き休暇が有給になるかどうかは、会社の就業規則によります
忌引き休暇(慶弔休暇)は法律で定められた休みではなく、会社が独自に決める制度です。そのため、休みが有給になるか、欠勤扱いになるかは勤務先のルールによって異なります。この記事では、休みを取る際の手順や、法律で保障されている有給休暇との違いを解説します。
- 忌引き休暇は会社が任意で定める制度です
- 法律で定められた休みではありません
- 会社独自の就業規則を確認する必要があります

忌引き休暇を取るための5つの手順
忌引き休暇(身内の不幸による休暇)の手続きは、会社の規定によって異なります。まずは以下の手順で進めるのが一般的です。

- 就業規則(会社のルールを定めたもの)を確認する
- 上司へ電話やメールで休暇の連絡をする
- 休暇の期間と理由を伝える
- 会社から指定された書類を提出する
- 必要に応じて証明書類(会葬礼状など)を提出する
忌引き休暇は法律で定められた権利ではありません。会社が独自に定めている制度です。そのため、休暇の扱いは会社ごとに異なり、慶弔休暇として規定されている場合もあります。
休暇の申請にあたっては、まず就業規則で「対象となる親族の範囲」や「取得できる日数」を確認しましょう。これらは会社によって大きく異なるためです。不明な点は、総務部などの人事担当窓口へ相談してください。
忌引き休暇の代わりに、年次有給休暇(労働者に与えられる、賃金が支払われる休み)を使うことも可能です。有給休暇の仕組みは、以下の表にまとめています。
| 項目 | 数値 | 内容 |
|---|---|---|
| 1回の法定付与日数の上限 | 20労働日 | 勤続6年6か月以上の場合 |
| 時季指定義務の対象となる日数 | 10労働日 | 使用者が取得を促す対象 |
| 使用者が取得させる必要がある日数 | 5労働日 | 1年以内に取得させる日数 |
(厚生労働省「年次有給休暇とはどのような制度ですか」をもとに作成)
年次有給休暇が付与されるには、雇入れの日から6か月継続勤務し、全労働日の80%以上出勤している必要があります。通常の労働者には、最初に10労働日付与されます。
なお、週の所定労働時間が30時間未満で、かつ週の所定労働日数が4日以下の場合は、比例付与の対象となります。
ただし、週30時間以上・週5日以上・年間217日以上のいずれかに該当すれば、通常の労働者と同じ日数です。
有給休暇の請求権には時効があります。付与日から2年経過すると時効となります。未使用分は翌年度へ繰り越せますが、繰り越せるのは前年度分のみである点に注意してください。
休みを申請するタイミングと期限
忌引き休暇を申請するタイミングは、会社の就業規則を確認してください。事前の申請が必要な場合と、事後の報告でよい場合があるため、事前の確認が要ります。

急な不幸で、どうしても事前に連絡ができない状況も考えられます。その場合は、落ち着いてから速やかに会社へ連絡してください。ただし、連絡方法や期限は会社ごとに異なります。
忌引き休暇の代わりに、年次有給休暇を使う場合も、申請のルールは会社ごとに決まっています。有給休暇の申請期限や、休む日の指定方法について、あらかじめ確認しておくとスムーズです。
年次有給休暇の付与日数には、働き方によって違いがあります。
週の所定労働時間が30時間未満で、かつ週の所定労働日数が4日以下の人は、通常とは異なる日数で付与される「比例付与(ひれいふよ)」の対象になります。
| 条件 | 付与される日数 | 備考 |
|---|---|---|
| 週30時間以上、または週5日以上 | 通常の労働者と同じ日数 | 年間所定労働日数が217日以上の場合も含む |
| 週30時間未満、かつ週4日以下 | 週の所定労働時間が30時間未満で、かつ週の所定労働日数が4日以下 | 比例付与の対象 |
厚生労働省「年次有給休暇とはどのような制度ですか」をもとに作成
年次有給休暇を取得するには、原則として全労働日の80%を出勤している必要があります。
また、雇入れの日から6か月継続勤務し、出勤率の要件を満たすと、最初の年次有給休暇が付与されます。10労働日が、通常の労働者に最初に付与される日数です。
なお、年次有給休暇の請求権には時効があります。付与日から2年経過すると時効となるため、注意が必要です。
未使用分は翌年度へ繰り越せますが、時効によって権利が消滅する点は留意してください。ただし、会社が時季指定義務を負うケースなど、詳細な運用は就業規則を必ず確認しましょう。
使用者が時季を指定して取得させる義務があるのは、法定の年次有給休暇が10労働日以上付与される労働者です。この場合、使用者は基準日から1年以内に、労働者ごとに5労働日を確実に取得させる必要があります。
申請の手順や連絡先については、所属部署の管理職や人事・労務担当窓口へ確認してください。会社によっては、忌引きの証明として会葬礼状などの提出を求められる場合もあります。
忌引き休暇と有給休暇の違い
忌引き休暇と年次有給休暇は、どちらも仕事を休むための制度ですが、その性質は大きく異なります。忌引き休暇は会社が独自に定める制度です。一方、年次有給休暇は法律で定められた権利です。

忌引き休暇は、会社が「慶弔休暇(けいちょうきゅうか)」として定めている場合、その規定に従って休みます。会社によっては、忌引き休暇に給料が出る場合と、出ない場合の両方があります。
ただし、支給の有無や対象となる親族の範囲は、各社の就業規則によって異なります。申請時には必ず自社の規定を確認しましょう。
年次有給休暇は、一定の要件を満たせば、原則として労働者が指定した時季に取得できる権利です。法律では、継続勤務が6か月以上、かつ全労働日の出勤率が80%以上の場合に、付与しなければならないと定めています。
なお、週の所定労働時間が30時間未満で、週の所定労働日数が4日以下または年間所定労働日数が48日から216日の労働者は、「比例付与」の対象となります。
ただし、週30時間以上や週5日以上などの条件に該当すれば、通常の労働者と同じ日数です。
年次有給休暇の請求権には時効があります。付与日から2年経過すると、その権利は消滅します。ただし、未使用分は翌年度へ繰り越すことが可能です。
また、会社には年次有給休暇を確実に取得させる義務があります。法定の付与日数が10労働日以上の労働者に対し、使用者は基準日から1年以内に5労働日を確実に取得させなければなりません。
忌引き休暇の代わりに年次有給休暇を使うと、法律で保障された休暇を消化することになります。どちらの制度を使うかによって、残りの休暇日数や給料の扱いが変わるため、事前の確認が要ります。
| いまの立場 | 制度の扱い | 次に見るところ |
|---|---|---|
| 正社員 | 会社の規定に従う | 就業規則 |
| 契約社員 | 会社の規定に従う | 雇用契約書 |
| パート・アルバイト | 会社の規定に従う | 就業規則 |
| 休職中で在籍している人 | 会社の規定に従う | 休職規定 |
| 退職して任意継続を選んだ人 | 社会保険の継続 | 健康保険組合 |
| 退職して国民健康保険に入った人 | 市区町村の手続き | 役所の窓口 |
| 家族の扶養に入った人 | 扶養家族としての扱い | 健康保険組合 |
| 産前産後・育児休業の人 | 休業中の保障 | 雇用保険の制度 |
厚生労働省「年次有給休暇とはどのような制度ですか」をもとに作成
制度が適用されないときの相談先
忌引き休暇や年次有給休暇の扱いで、会社との間に認識のずれが生じる場合があります。制度が正しく適用されているか不安なときは、状況に応じて以下の窓口へ相談してください。

会社とのルールについて確認したい場合
忌引き休暇は法律で義務付けられたものではなく、会社が独自に定める制度です。そのため、休暇の対象となる親族の範囲や日数は、各社の就業規則によって決まります。
もし、自分が対象であるはずなのに休暇が認められない場合は、まずは就業規則を再度確認しましょう。規定の解釈について会社と話し合い、解決しないときは労働局の総合労働相談コーナーへ相談できます。
ただし、会社との交渉が必要な事案については、弁護士でなければ扱えない用件もあります。ここでは、公的な労働相談の窓口についてまとめています。
法律に基づく権利について確認したい場合
年次有給休暇は、法律で定められた権利です。雇入れの日から6か月勤務し、全労働日の80%を満たすと、最初の年次有給休暇が付与されます。
会社が法定の付与を拒んだり、取得を不当に制限したりしている場合は、労働基準監督署へ相談してください。労働基準監督署は、法令違反がないかを調査する権限を持っています。
なお、年次有給休暇の請求権は、付与日から2年経過すると時効により消滅します。ただし、前年度の未使用分については、翌年度へ繰り越すことが可能です。
また、使用者は年5日の有給休暇を取得させる義務があります。対象となるのは、法定の年次有給休暇が10労働日以上付与される労働者です。
使用者は、基準日から1年以内に5労働日を確実に取得させなければなりません。本人の請求による取得や計画年休を含めて、この日数に達していれば義務を果たしていることになります。
なお、週の所定労働時間が30時間未満かつ週の所定労働日数が4日以下の労働者の場合は、通常の労働者とは異なる「比例付与」が適用されることがあります。
比例付与の対象となる労働者は、年間の所定労働日数が48日から216日の範囲で日数が定められます。
ただし、週30時間以上、または週5日以上、あるいは年間217日以上の勤務がある場合は、通常の労働者と同じ扱いとなります。
相談窓口を利用する際は、就業規則の写しや、休暇の申請履歴、会社とのやり取りの記録などを準備しておくとスムーズです。状況に応じて、労働局や労働基準監督署などの適切な窓口を選びましょう。
忌引き休暇に関するよくある勘違い
忌引き休暇は、法律で定められた権利ですか。
いいえ、忌引き休暇は法律で義務付けられた制度ではありません。
会社が福利厚生として独自に設ける制度です。
対象となる親族の範囲や休暇日数は、各社の就業規則に従います。
忌引き休暇が認められない場合、有給休暇を使えば休めますか。
はい、年次有給休暇の付与要件を満たしていれば、有給休暇として休むことが可能です。
忌引き休暇の対象外となる親族の不幸であっても、有給休暇の申請は可能です。
ただし、会社が定める申請期限や手続きを遵守する必要があります。
忌引き休暇の代わりに有給休暇を使った場合、有給休暇の時効はどうなりますか。
年次有給休暇の請求権は、付与日から 2年で時効となります。
未使用分は、前年度分に限り翌年度へ繰り越せますが、時効による消滅には注意が必要です。
忌引き休暇の申請を忘れた場合、後からでも認められますか。
会社や就業規則の規定によります。
事前の申請を必須としている場合、事後の報告が認められるかは会社の判断次第です。
まずは速やかに上司や人事担当者へ連絡し、指示を仰ぎましょう。
有給休暇を取得するための条件を教えてください。
雇入れの日から 6か月継続勤務し、全労働日の 80%以上出勤していることが条件です。
条件を満たすと、最初の付与として 10労働日が付与されます。
週の労働時間が短い場合でも、有給休暇はもらえますか。
週の所定労働時間が30時間未満で、週の所定労働日数が4日以下または年間所定労働日数が48日から216日の場合は、比例付与の対象となります。
ただし、週30時間以上、または週5日以上、あるいは年間所定労働日数が217日以上の場合は、通常の労働者と同じ日数が付与されます。
会社から有給休暇の日時を指定されることはありますか。
法定の年次有給休暇が 10労働日付与される労働者に対し、会社は時季を指定して取得させる義務があります。
ただし、本人の請求による取得や計画年休を含めて、基準日から1年以内に 5労働日取得させていれば、会社が追加で指定する必要はありません。
まとめ
忌引き休暇と有給休暇の使い分けについて、重要なポイントを整理しました。
- 忌引き休暇は会社が定める制度です。対象となる親族の範囲や日数は、必ず就業規則を確認してください。
- 年次有給休暇は、雇入れから 6か月 勤務し、全労働日の 80% 以上出勤すると付与されます。
- 有給休暇の請求権には 2年 の時効があります。未使用分は前年度分に限り翌年度へ繰り越せますが、時効による消滅には注意が必要です。
- 忌引き休暇が適用されない場合でも、要件を満たせば有給休暇を利用できます。
ただし、休暇の申請手順や事後報告の可否は、勤務先の規定により異なります。事前の確認を忘れないようにしましょう。
休暇の申請方法やルールについて、より詳しく知りたい方は有給休暇の仕組みもあわせて確認してください。
この記事の根拠(本文内35か所・台帳8項目・一次資料4件)
制度の数値(台帳から出しています)
- 通常の労働者に対する1回の法定付与日数の上限20労働日時点:2026-04-01確認:2026-08-18厚生労働省|年次有給休暇をとる条件は?
- 使用者の時季指定義務の対象となる法定付与日数10労働日時点:2026-04-01確認:2026-08-18厚生労働省|年次有給休暇の時季指定(労働者向け)
- 使用者が1年以内に確実に取得させる必要がある年次有給休暇の日数5労働日時点:2026-04-01確認:2026-08-18厚生労働省|年次有給休暇の時季指定(労働者向け)
- 年次有給休暇が最初に付与されるまでの継続勤務期間6か月時点:2026-04-01確認:2026-08-18厚生労働省|年次有給休暇とはどのような制度ですか
- 年次有給休暇が付与される出勤率の下限80%時点:2026-04-01確認:2026-08-18厚生労働省|年次有給休暇をとる条件は?
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- 年次有給休暇が比例付与になる条件週の所定労働時間が30時間未満で、かつ週の所定労働日数が4日以下時点:2026-04-01確認:2026-08-18厚生労働省|年次有給休暇とはどのような制度ですか
- 年次有給休暇の請求権の時効2年時点:2026-04-01確認:2026-08-18厚生労働省|年次有給休暇権の時効は?
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