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仕事が辞めたいけれど次がないときに、何を優先すべきか
退職を考えているけれど次の仕事が決まっていない20代の方は、まず生活費の確保と、退職後の社会保険の手続きを確認してください。この記事では、退職から再就職までの流れと、失業保険などの制度を、手続きの期限とともに解説します。
- 退職後の生活を支える失業保険の受給手順
- 社会保険の切り替え手続き
- 退職に伴う金品の返還請求
- 再就職に向けた準備の進め方

仕事が辞めたいけれど次がないときに進める5つの工程
次の仕事が決まっていない状態で退職を検討する場合、生活基盤を維持するための準備が重要です。
焦って退職すると、収入の途絶による生活への影響が大きくなる恐れがあります。

まずは以下の5つの工程に沿って、段階的に準備を進めましょう。
- 1. 生活費と公的制度の確認
- 2. 退職後の社会保険と税金のシミュレーション
- 3. 退職に向けた会社との調整
- 4. 離職票などの必要書類の確認
- 5. 求職活動の開始
第1工程では、手元の貯蓄額を確認し、退職後の生活を支える期間を算出します。
あわせて、病気などで働けない場合に備え、健康保険から支給される傷病手当金などの制度が利用できるか、加入中の保険組合の規定を確認しておきましょう。
ただし、傷病手当金は支給要件があるため注意が必要です。
第2工程では、退職後に支払う保険料や税金の額を予測します。
健康保険を継続する「任意継続」か、市区町村の「国民健康保険」へ切り替えるかによって、負担額が異なる場合があります。
住民税についても、前年の所得に基づき請求される仕組みを理解しておきましょう。
第3工程では、退職の意思を会社に伝えます。
民法では、期間の定めのない雇用契約の場合、解約の申入れから2週間を経過することで雇用が終了すると定められています。
ただし、就業規則によって退職の申し出期限が定められている場合があるため、事前に確認が必要です。
第4工程では、離職票などの必要書類の受け取りについて確認します。
離職票は失業給付の手続きに必要ですが、届かない場合はハローワークで仮の受給手続きをできることがあります。
あわせて、雇用保険被保険者証や年金手帳などの、次の職場でも必要となる書類も手元に揃えておきましょう。
第5工程では、ハローワークなどで求職の申し込みを行います。
失業の状態にあるときは、管轄のハローワークの判断により、基本手当(失業保険)の受給ができる場合があります。
受給要件を満たしているか、事前に窓口や電話で確認しておくとスムーズです。
待期期間は離職理由にかかわらず発生し、正当な理由のない自己都合退職では、さらに給付制限が設けられる場合があります。
退職後に遅れずに進めるべき手続きの期限
退職後は、会社を通じて加入していた社会保険や年金の種別を切り替える必要があります。手続きには期限があるものもあり、遅れると制度の利用に影響が出る場合があります。

手続きのタイミングは、退職後の生活設計によって異なります。ご自身の状況に合わせて、以下の表を参考にしてください。
| 手続きの内容 | 期限の目安 | 備考 |
|---|---|---|
| 健康保険の切り替え | 退職日の翌日から速やかに | 国民健康保険への加入や、任意継続の手続きがあります。 |
| 年金の種別変更 | 退職日の翌日から速やかに | 第1号被保険者(国民年金)への切り替えが必要です。 |
| 失業給付の申請 | 離職票が届き次第 | 受給資格の判定は、管轄のハローワークが行います。 |
国民健康保険と国民年金の手続きは市区町村で行い、任意継続は加入していた健康保険の保険者へ申し出ます。国民健康保険へ加入する場合は、退職後に市区町村へ申込みが必要です。ただし、自治体によって受付時間が異なる場合があります。
健康保険の「任意継続」を選択する場合、資格喪失日から20日以内に資格取得申出書を提出する必要があります。期限を過ぎると、任意継続の選択ができなくなるため注意してください。
20歳以上60歳未満で再就職せず配偶者の扶養にも入らない場合は、退職日の翌日から14日以内に国民年金第1号被保険者への切り替え手続きを行います。手続きを忘れると、未納期間が生じる可能性があるため、早めの確認が推奨されます。
ただし、扶養に入る場合は手続きが異なります。
失業給付(基本手当)を受け取るための手続きは、ハローワークで行います。会社から離職票などの書類が届いてから、管轄のハローワークへ相談し、求職の申し込みを行ってください。
離職票が届く時期は、会社側の事務処理状況によって前後することがあります。もし、退職から時間が経過しても書類が届かない場合は、以前勤務していた会社へ状況を確認しましょう。
必要書類や受付方法は窓口によって異なる場合がありますが、国民健康保険の届出期限は被保険者となった日から14日以内です。ご自身の状況を、それぞれの窓口で直接確認することが確実です。
また、住民税の支払い方法についても、あわせて確認しておくと安心です。
住民税は前年の所得に基づいて計算されるため、退職後も支払いが発生します。退職時期などにより、残額は給与等からの一括徴収、再就職先での特別徴収、または納付書による普通徴収となります。自治体の税務窓口で詳細を確認してください。
手続きをスムーズに進めるためには、会社から受け取る書類を漏れなく揃えることが重要です。離職票のほかに、雇用保険被保険者証や年金手帳なども、次の職場や窓口で必要になる場合があります。
いまの状況と次に確認すべきこと
退職後の生活を支える仕組みは、現在の働き方や、退職後の選択によって異なります。
ご自身がどの立場に該当するかによって、確認すべき窓口や手続きが変わります。

まずは、ご自身の現在の状況を整理しましょう。
以下の表は、立場ごとの一般的な扱いと、次に確認すべき事項をまとめたものです。
| 現在の立場 | 制度上の扱い | 次に見るところ |
|---|---|---|
| 正社員 | 社会保険に加入 | 会社の担当部署 |
| 契約社員 | 社会保険に加入 | 会社の担当部署 |
| パート・アルバイト | 社会保険の加入条件による | 会社の担当部署 |
| 休職中で在籍している人 | 社会保険の資格を継続 | 会社の担当部署 |
| 退職して任意継続を選んだ人 | 健康保険の資格を継続 | 加入した健康保険組合 |
| 退職して国民健康保険に入った人 | 新しい保険の被保険者 | お住まいの市区町村 |
| 家族の扶養に入った人 | 家族の被保険者の扶養 | 扶養に入っている家族の保険組合 |
| 産前産後・育児休業の人 | 社会保険の資格を継続 | 会社の担当部署 |
退職後の手続きにおいて、会社と交渉が必要な場面があります。
例えば、退職に伴う未払い賃金の請求や、離職票の交付を求める場合です。
ただし、弁護士でない一般の退職代行事業者は会社との法的交渉を扱えませんが、労働組合には団体交渉権があります。
金銭的なトラブルや法的な交渉が必要な用件であれば、弁護士へ相談してください。
また、失業給付(基本手当)を受け取るための判定は、管轄のハローワークが行います。
受給要件には、離職の日以前の被保険者期間などの条件があります。
ご自身の状況が受給の要件を満たしているかどうかは、ハローワークの窓口で確認してください。
離職票が届かない場合でも、一定期間経過後はハローワークで仮の受給手続きをできることがあります。
なお、離職票が届かない場合は、まずは勤務先の担当部署へ発行状況を確認しましょう。
会社側が手続きを失念しているケースも考えられるためです。
離職票が届かない原因には、会社側の事務処理の遅れ以外に、離職理由の記載内容に関する相違も含まれます。
会社が届け出た離職理由が、ご自身の認識と異なる場合は、ハローワークで相談してください。
ハローワークでは、離職理由の確認や、必要に応じて会社への事実確認を行う仕組みがあります。
受給要件の判定に影響するため、書類の内容は慎重に確認しましょう。
手続きがうまくいかないときに相談できる窓口
退職後の手続きを進める中で、会社とのやり取りがスムーズに進まない場面があります。
離職票などの書類が届かない、あるいは支払われるべきお金が戻ってこないといった状況です。

そのようなときは、一人で抱え込まずに公的な窓口へ相談してください。
トラブルの内容によって、相談すべき場所が異なります。
会社との金銭や書類のやり取りで困っている場合
退職に伴う未払い賃金の請求や、離職票の交付を求める場合です。
会社が法律で定められた対応をしてくれないときは、労働に関する相談窓口が役立ちます。
未払い賃金は労働基準監督署などへ、離職票が交付されない場合はハローワークへ相談してください。
会社に対して、法律に基づいた対応を求めるための助言が得られる場合があります。
ただし、労働基準監督署には会社との具体的な交渉を代行する権限はありません。
個別のトラブルを解決するために、弁護士へ相談することも検討してください。
また、労働に関する悩み全般については、厚生労働省が設置する総合労働相談コーナーも利用できます。
電話相談や面接相談を通じて、解決に向けた考え方を確認できる場合があります。
失業給付などの制度の利用について困っている場合
失業給付(基本手当)を受け取るための判定や、受給の条件についてです。
自分が制度の対象になるか、いつから受け取れるかといった疑問があります。
失業給付に関する判断は、管轄のハローワークが行います。
受給の要件を満たしているか、手続きの進め方はどうすべきかは、ハローワークの窓口で確認してください。
また、健康保険の切り替えや国民健康保険への加入について困ったときは、お住まいの市区町村の窓口へ相談してください。
制度の仕組みや、手続きに必要な書類について案内を受けることができます。
ただし、自治体によって窓口の受付時間や必要な持ち物が異なる場合があります。
事前に電話などで確認しておくと、手続きがスムーズに進むでしょう。
なお、国民年金の種別変更や免除の手続きについては、年金事務所が窓口となります。
失業による収入減少で支払いが困難な場合は、早めに相談することをおすすめします。
退職と生活に関するよくある勘違い
退職すれば、すぐに失業給付(基本手当)がもらえますか
退職後すぐに受け取れるわけではありません。
離職票の提出と求職の申し込みを行って受給資格決定を受けた日から、通算7日間の待期を経る必要があります。
受給要件や受給開始時期の詳細は、管轄のハローワークで確認してください。
7日間の待期は離職理由にかかわらず共通ですが、離職理由によって給付制限の有無や期間が異なります。
休職中であれば、社会保険料の支払いは止まりますか
休職中であっても、健康保険や厚生年金の資格が継続していれば保険料は発生します。
保険料が免除されるのは、産前産後休業や育児休業などの特定の期間に限られます。
ご自身の状況による扱いは、勤務先の担当部署へ確認してください。
ただし、会社独自の規定により扱いが異なる場合があります。
退職後の健康保険は、国民健康保険に加入するしかありませんか
国民健康保険以外に、以前の健康保険の資格を継続できる「任意継続」という仕組みがあります。
どちらが適しているかは、保険料の金額や加入条件によって異なります。
お住まいの市区町村や、協会けんぽ・健康保険組合など加入していた健康保険の保険者へ確認してください。
ただし、任意継続には加入できる期間などの制限があります。
会社から離職票が届かない場合、自分でハローワークへ行って解決できますか
離職者は会社に離職証明書の交付を請求でき、会社から交付を受けられない場合はハローワークへ相談できます。
まずは会社へ、離職票の交付を依頼してください。
会社が交付に応じない場合は、管轄のハローワークへ相談してください。
ただし、会社側の事情により発行までに時間がかかる場合もあります。
退職に伴う未払いの賃金などは、会社に請求しなくても戻ってきますか
会社が自動的に支払うとは限りません。
労働基準法では、労働者の請求があれば、争いのある部分を除き、会社は7日以内に賃金を支払い、金品を返還しなければなりません。
支払われない場合は、労働基準監督署などの相談窓口を利用することも検討してください。
ただし、請求のタイミングや方法については、事前に専門家へ相談することをおすすめします。
20代が退職前後に確認したい若者向け支援
20代で次の仕事が決まっていなくても、退職後の手続きと再就職の準備を一人で進める必要はありません。正社員就職を目指す若年者は、国が設置する「わかものハローワーク」や、通常のハローワーク内にある「わかもの支援コーナー」などを利用できます。就業経験が少ない人や離転職を繰り返している人も対象とされ、職業相談、求人紹介、応募書類の添削、面接指導などの支援を受けられます。
退職前には、勤務を続けながら求人や相談窓口を調べ、退職後すぐに相談できる状態を整えておくとよいでしょう。相談時には、これまで担当した仕事、身につけた技能、避けたい働き方、希望する勤務条件を整理して持参します。職種が決まっていない場合も、担当者との相談を通じて応募先や必要な訓練を検討できます。ただし、各施設で利用条件、予約方法、提供する支援が異なるため、所在地を管轄する窓口へ事前に確認してください。
雇用保険の基本手当についても、20代は年齢区分を確認する必要があります。基本手当日額は離職前の賃金を基に算定され、30歳未満の上限は7,450円です。これは一律の支給額ではなく、実際の金額は賃金や受給資格によって決まります。
参考:基本手当について|厚生労働省・ハローワークインターネットサービス
なお、わかものハローワークでの就職相談と、基本手当の受給資格決定は同じ手続きとは限りません。雇用保険の申請先は住所を管轄するハローワークに確認し、若者向け相談窓口では応募準備や職業選択の支援を受ける、というように目的を分けて利用してください。
20代は国民年金の免除と納付猶予を確認する
次の仕事が決まらないまま退職し、厚生年金に加入する勤務先へすぐ再就職せず、配偶者の扶養にも入らない20代は、国民年金への切り替えに加えて、保険料を無理なく納められるか確認しましょう。失業や収入減少で納付が難しい場合でも、手続きをせず未納のままにするのではなく、保険料免除または納付猶予を申請できる可能性があります。
参考:転職をご検討中の方へ 国民年金の加入、保険料免除・納付猶予制度のご案内|日本年金機構
20代が特に確認したいのは、免除と納付猶予では所得審査の対象が異なる点です。免除は本人・配偶者・世帯主の所得が審査されますが、20代が対象年齢に含まれる納付猶予では、本人と配偶者の所得が審査され、世帯主の所得は審査対象に含まれません。そのため、退職後に親と同居しており、親の所得を理由に免除が認められない場合でも、納付猶予に該当する可能性があります。学生は納付猶予ではなく、学生納付特例の対象になるかを確認してください。
失業による特例を希望するときは、離職票や雇用保険受給資格者証など、退職の事実を確認できる書類を準備します。申請先は住所地の市区町村の国民年金窓口または年金事務所で、電子申請や郵送を利用できる場合もあります。免除や猶予は自動的には適用されないため、国民年金への加入手続きと一緒に相談すると漏れを防げます。
承認された期間は受給資格期間に算入されますが、免除と納付猶予では将来の老齢基礎年金額への反映方法が異なります。再就職後に家計が安定したら、追納によって年金額を増やせるかも年金事務所で確認しましょう。
まとめ
仕事をやめる準備を進める際は、生活の基盤となるお金と制度を整理しておくことが大切です。
これまでに確認したポイントを振り返り、今後の備えに役立ててください。
- 失業給付(基本手当)は、ハローワークでの求職申し込みと一定の待期期間が必要です。
- 離職票などの書類が届かない場合は、会社へ依頼するかハローワークへ相談してください。
- 未払いの賃金などは、労働者の請求があれば会社は7日以内に返還する義務があります。
- ただし、会社が倒産している場合や、請求方法によって対応が異なる場合があります。
手続きの進め方や、退職後の具体的な流れについては、退職の手続き全般に関する解説もあわせて確認してください。
また、体調が優れず仕事が難しいと感じる場合は、傷病手当金などの制度についても調べておくことが役立ちます。
この記事の根拠(本文内1か所・台帳1項目・一次資料5件)
制度の数値(台帳から出しています)
- 基本手当日額の上限額(29歳以下)7,450円時点:令和8年8月1日確認:2026-08-10厚生労働省|雇用保険の基本手当(失業給付)を受給される皆さまへ[PDF]
一次資料
- 厚生労働省|就職活動中の方へ
- 厚生労働省|雇用保険の基本手当(失業給付)を受給される皆さまへ[PDF]
- 厚生労働省・ハローワークインターネットサービス|基本手当について
- 日本年金機構|転職をご検討中の方へ 国民年金の加入、保険料免除・納付猶予制度のご案内
- 日本年金機構|国民年金保険料の免除制度・納付猶予制度
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