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懲戒解雇でも解雇予告手当が支払われるケースがあります
懲戒解雇(会社のルール違反による解雇)を受けた労働者であっても、一定の条件を満たせば解雇予告手当を受け取れることがあります。この記事では、解雇予告のルールや、手当が支払われない場合の対応について、労働基準法の規定をもとに解説します。
- 解雇予告のルールは労働基準法で定められています
- 懲戒解雇でも予告なしの場合は手当の対象になります
- ただし行政官庁の認定が必要な例外があります

懲戒解雇から解雇予告手当の確認までの流れ
懲戒解雇(会社のルール違反などで重い処分を受けること)を受けた場合、解雇予告手当を受け取れるかを確認する必要があります。

手続きは、以下の5つの工程に分けて進めるのが一般的です。
- 解雇理由と通知内容の確認
- 解雇予告手当の支払い要件の確認
- 会社への支払い請求
- 労働基準監督署などへの相談
- 離職票などの書類受け取り
まず、会社から渡された解雇通知書を確認します。解雇の理由や、いつ付で解雇されるのかを正確に把握することが重要です。
次に、解雇予告手当の支払い要件を確認します。労働基準法では、30日前に予告をせずに即時に解雇する場合、会社は30日分以上の平均賃金を支払う義務があります。
ただし、懲戒解雇の場合、労働者の責に帰すべき事由による解雇であっても、労働基準監督署長による除外認定を受けているときは、会社に支払い義務が生じないことがあります。
試用期間中の場合でも、継続して14日を超えて働いているときは、原則として解雇予告の規定が適用されます。ただし、解雇制限期間に該当する場合は注意が必要です。
業務上の負傷や疾病により療養のため休業する期間、およびその後30日間は、原則として解雇することができません。
なお、私傷病(業務外の病気やケガ)による休職期間については、この解雇制限の規定は適用されません。自身の状況がどちらに該当するかを確認しましょう。
認定を受けていない場合は、会社に対して解雇予告手当の支払いを請求できます。会社が支払いに応じないときは、管轄の労働基準監督署などの窓口へ相談してください。
未払いの解雇予告手当について裁判を起こし、未払金と同額の付加金を請求する場合、その請求は、違反のあった時から3年以内に行う必要があります。
参考:労働基準法 第20条(解雇の予告)|e-Gov法令検索(デジタル庁)
最後に、失業保険の申請に必要な離職票などの書類を受け取ります。離職票の交付については、会社に対して請求する権利があります。
書類の不備や、解雇理由の記載内容に納得がいかない場合は、速やかに専門機関へ相談し、適切な対応をとることが大切です。
解雇予告手当の請求や確認の期限
解雇予告手当の請求期限については、請求権の性質や法令上の扱いを事前に確認することが重要です。

| 請求の内容 | 請求先 | 期限の目安 | 根拠となる法律 |
|---|---|---|---|
| 解雇予告手当の請求 | 会社への請求 | 特段の定めなし | |
| 付加金の請求 | 裁判所への請求 | 3年以内 | 労働基準法 第114条 |
解雇予告手当の支払いを求める場合、まずは会社に対して直接請求することが一般的です。会社が支払いに応じないときは、管轄の労働基準監督署などの窓口へ相談してください。
会社が解雇予告手当を支払わない場合、裁判所を通じて「付加金」の支払いを命じられることがあります。付加金とは、労働者の請求により、裁判所が未払いの手当と同額の支払いを命じることができる仕組みです。
ただし、付加金の請求は、会社が法律に違反したときから3年以内に行う必要があります。この期間を過ぎると、付加金の請求はできなくなります。
また、解雇予告手当の計算において、予告の日数が不足している場合も確認が必要です。例えば、30日前の予告を行わずに解雇する場合、会社は30日分以上を支払う義務があります。
予告期間が不足しているときは、不足日数分の平均賃金が支払われているかを確認しましょう。1日につき平均賃金を支払えば、その日数分だけ予告期間を短縮することも可能です。
参考:労働基準法 第20条(e-Gov法令検索)|デジタル庁
なお、試用期間中の労働者であっても、採用から14日を超えて継続して雇用されている場合は、解雇予告の規定が適用されます。ただし、試用期間中であっても、解雇の理由や状況によっては例外が生じる場合があります。
さらに、業務上の負傷や疾病により療養のため休業する期間、およびその後30日間は、原則として解雇が制限されます。ただし、この制限は業務上の事由による休業に適用されるもので、私傷病による休職には適用されません。
解雇予告手当が支払われる条件と例外
解雇予告手当は、会社が労働者を解雇する際に支払う費用です。
支払いの有無は、解雇の理由や予告のタイミングによって決まります。

解雇の予告に関するルール
会社が労働者を解雇する場合、原則として事前の予告が必要です。
予告の日数や、手当への切り替えに関するルールを整理しました。
- 解雇の予告が必要な日数:30日前
- 解雇予告手当の日数:30日分以上
- 試用期間中に解雇予告が不要となる上限:14日
- 解雇が制限される期間:30日間
会社は、予告の日数を短縮して即日解雇することも可能です。
ただし、不足する日数分の平均賃金を支払う必要があります。
参考:労働基準法 第20条(解雇の予告)|e-Gov法令検索(デジタル庁)
試用期間中の労働者であっても、14日を超えて働いている場合は、解雇予告の規定が適用されます。
「試用期間中だから予告なしで解雇できる」とは限りません。
ただし、解雇予告の適用除外は、個別の雇用契約ではなく労働基準法第21条により決まります。
また、業務上の負傷や疾病で療養のため休業する期間、およびその後30日間は、法律で解雇が制限されています。
なお、私傷病(業務外の病気)による休職期間には、この制限は適用されません。
解雇の理由による違い
解雇の理由が、労働者の責任によるものか、それ以外かによって扱いが変わります。
特に懲戒解雇の場合は、以下の点に注意が必要です。
労働者の重大なルール違反による懲戒解雇では、手当の支払いが不要になるケースがあります。
ただし、これには労働基準監督署などの行政官庁による認定が必要です。
会社が独断で「懲戒解雇だから支払わない」と決めることはできません。
天災事変などで事業継続が不可能な場合も、例外として認められることがあります。
しかし、これらについても行政官庁の認定が要件となります。
参考:労働基準法 第20条(解雇の予告)|e-Gov法令検索(デジタル庁)
もし会社が正当な理由なく手当を支払わない場合、裁判所を通じて、未払いの手当と同額の「付加金」の支払いを命じられる可能性があります。
ただし、この付加金の請求は、違反があった時から3年以内に行う必要があります。
立場別の状況と次に確認すべきこと
解雇の理由や手続きの進め方は、現在のあなたの立場によって異なります。
ご自身の状況が以下の表のどこに当てはまるかを確認してください。

| いまの立場 | 扱い | 次に見るところ |
|---|---|---|
| 正社員 | 在籍中 | 解雇の理由と予告の有無 |
| 契約社員 | 在籍中 | 契約期間と解雇のルール |
| パート・アルバイト | 在籍中 | 雇用契約の内容 |
| 休職中の人 | 在籍中 | 解雇が制限される期間 |
| 退職して任意継続を選んだ人 | 退職後 | 健康保険の継続手続き |
| 退職して国民健康保険に入った人 | 退職後 | 保険料の支払い方法 |
| 家族の扶養に入った人 | 退職後 | 扶養認定の条件 |
| 産前産後・育児休業中の人 | 在籍中 | 休業中の解雇制限 |
解雇予告手当の未払いや、解雇の正当性について相談が必要な場合は、窓口を使い分けてください。
会社との交渉を報酬目的で業として行うことは、弁護士や、団体交渉を行う労働組合などを除き、弁護士法により禁止されています。
労働条件や解雇のルールについて確認したいときは、労働基準監督署などの行政機関に相談できます。
ただし、個別の紛争解決や会社への直接的な交渉を代行してもらうことはできません。
失業保険などの給付について確認したいときは、管轄のハローワークへ相談してください。
待期期間は離職理由にかかわらず一律ですが、重責解雇かどうかなどにより給付制限や受給条件が異なります。
もし、会社との間で法的な争いになる可能性がある場合は、弁護士へ相談することを検討してください。
裁判を通じて未払いの解雇予告手当を請求する場合、裁判所の判断により、未払金と同額の付加金の支払いが命じられることもあります。
ただし、この請求は、違反のあった時から 3年以内に行う必要があります。
なお、試用期間中の場合でも、継続して 14日を超えて働いているときは、解雇予告の規定が適用されます。
解雇予告をせずに解雇する場合は、原則として 30日分以上を支払わなければなりません。
ただし、労働者の責に帰すべき事由による解雇であっても、行政官庁の認定がない限り、支払いは免除されません。
参考:労働基準法 第20条|e-Gov法令検索(デジタル庁)
手当が支払われないときの相談窓口
労働基準監督署に相談すれば、会社から手当を回収できますか?
労働基準監督署には、会社に対して支払いを強制する権限はありません。同署は、会社が労働基準法に違反していないかを調査し、是正を求める機関です。
是正勧告に従わない場合でも、未払い金の回収を直接代行することはできません。ただし、会社への指導を通じて、支払いを促すきっかけになるケースはあります。
退職代行業者に解雇予告手当の交渉を依頼しても大丈夫ですか?
退職代行業者が会社と交渉を行うことは、法律で制限されています。弁護士でない者が報酬を得て、会社との間で交渉を行うことは、弁護士法に抵触する恐れがあります。
代行業務の範囲は、退職の意思伝達や書類の受け渡しなどに限られます。未払い金の請求や解雇の有効性を争う交渉を依頼したい場合は、弁護士へ相談してください。
ハローワークは解雇予告手当の未払いについて相談に乗ってくれますか?
ハローワークは失業保険などの給付に関する窓口であり、未払い金の回収に関する相談は受け付けていません。未払いの問題については、労働基準監督署などの窓口へ相談してください。
離職票は事業主の届出に基づいてハローワークが交付し、ハローワークでは基本手当の受給手続きを行います。離職票の離職理由が事実と異なる場合は、まず基本手当の受給手続きの際にハローワークへ申し出ましょう。
会社が「懲戒解雇だから手当は払わない」と言ってきたら、そのまま受け入れるべきですか?
会社側の主張が正しいとは限りません。懲戒解雇であっても、労働基準法第20条の規定に基づき、解雇予告手当の支払いが必要なケースがあります。
労働者の責に帰すべき事由による解雇であっても、行政官庁の認定がない限り、原則として30日分以上の支払いが求められます。
参考:労働基準法 第20条(解雇の予告)|e-Gov法令検索(デジタル庁)
まずは、労働基準監督署などの行政機関に相談して、状況を確認してください。ただし、会社が法令違反を認めない場合は、裁判所を通じて未払金のほか、同額の付加金を請求できる可能性があります。
この請求は、違反のあった時から3年以内に行う必要があります。裁判による解決を目指す場合は、早めに弁護士へ相談することをおすすめします。
まとめ
懲戒解雇と解雇予告手当について、確認すべき点をまとめました。
- 懲戒解雇であっても、労働基準法第20条に基づき、手当の支払いが必要なケースがあります。
- ただし、労働者の責に帰すべき事由による解雇で、行政官庁の認定を受けた場合は例外となります。
- 試用期間中の場合でも、継続して 14日 を超えて勤務していれば、原則として解雇予告の規定が適用されます。
- 付加金を裁判所に請求できる期限は、違反があった時から 3年以内 です。
- 会社が支払わない場合は、労働基準監督署などの行政機関へ相談してください。
- 未払いの回収を求める交渉が必要な場合は、弁護士へ相談してください。
解雇に関する法的なルールや、今後の手続きの進め方については、法律・ルールの解説ページもあわせて参考にしてください。
この記事の根拠(本文内24か所・台帳5項目・一次資料1件)
制度の数値(台帳から出しています)
- 解雇予告手当の日数(予告しない場合・労働基準法第20条)30日分以上時点:2026-08確認:2026-08-19e-Gov法令検索(デジタル庁)|労働基準法 第20条(解雇の予告)
- 試用期間中に解雇予告が要らなくなる上限(労働基準法第21条)14日時点:2026-08確認:2026-08-19e-Gov法令検索(デジタル庁)|労働基準法 第21条
- 解雇してはならない期間(療養・産前産後の休業後・労働基準法第19条)30日間時点:2026-08確認:2026-08-19e-Gov法令検索(デジタル庁)|労働基準法 第19条(解雇制限)
- 付加金を請求できる期限(違反のあった時から・労働基準法第114条)3年以内時点:2026-08確認:2026-08-24e-Gov法令検索(デジタル庁)|労働基準法 第114条ただし書・附則第143条第2項
- 解雇の予告が必要な日数(労働基準法第20条)30日前時点:2026-08確認:2026-08-19e-Gov法令検索(デジタル庁)|労働基準法 第20条(解雇の予告)
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