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退職代行には、労働組合が運営するものと弁護士が担当するものがあります。組合が運営するサービスでは、組合員として団体交渉の形で会社と話し合える場合があります(労働組合法第6条)。ただし、訴訟や損害賠償の請求など法律事務にあたるものは弁護士に限られます(弁護士法第72条)。利用する前に、運営しているのがどこか、組合への加入がどうなるかを確かめてください。
懲戒解雇とは、就業規則に違反した労働者に対して行われる最も重い懲戒処分です
会社から懲戒解雇を言い渡された人や、解雇の手続きを進める担当者に向けて、懲戒解雇の仕組みを解説します。懲戒解雇は、通常の解雇とは異なり、労働者の重大な過失に基づいて行われるものです。この記事では、解雇予告のルールや、トラブルになった際の相談先についてまとめています。
- 懲戒解雇は就業規則に基づき行われる
- 解雇予告が必要な日数や手当のルールがある
- 納得がいかない場合は専門機関へ相談できる

懲戒解雇とは、就業規則の違反などに対して行われる重い処分です
懲戒解雇は、会社が従業員に対して行う処分の中で、最も重い種類に分類されます。
これは、従業員が会社のルールを著しく破ったときに行われるものです。

懲戒解雇が行われる背景には、就業規則の規定があります。
常時 10人 以上の労働者を使用する事業場では、就業規則を作成し、行政官庁に届け出る義務があります。
就業規則には、退職に関する事項や解雇の事由が記載されていなければなりません。
会社は、あらかじめ定められたルールに基づかない限り、懲戒解雇を行うことはできません。
懲戒解雇が検討される主なケースには、次のようなものがあります。
- 重大な犯罪行為や、会社に対する横領などの不正行為
- 度重なる無断欠勤や、業務命令への著しい違反
- 会社の名誉を著しく傷つける行為
懲戒解雇は、労働者にとって非常に大きな不利益を伴う処分です。
退職金が支払われない場合や、再就職に影響が出る場合もあります。
そのため、会社側には、その処分が客観的に見て妥当であるという根拠が求められます。
単に「ルールに違反した」という理由だけでは、不当な解雇とされることがあります。
解雇の際には、労働基準法に基づいたルールが関係します。
解雇の予告に関する規定は、労働基準法第20条に定められています。
原則として、使用者は労働者を解雇しようとする場合、少なくとも 30日前 前に予告しなければなりません。
ただし、1日につき平均賃金を支払うことで、予告期間を短縮することも可能です。
予告をしない場合は、 30日分以上 の平均賃金を支払う必要があります。
ただし、労働者の責に帰すべき事由による解雇などは、例外となる場合があります。
その例外が適用されるには、行政官庁の認定が必要となる点に注意してください。
なお、解雇予告手当を支払わない使用者には、裁判所の判断により、同額の付加金の支払が命じられることもあります。
また、業務上の負傷や疾病で療養のために休業している期間などは、解雇が制限されます。
この制限は、休業期間およびその後 30日間 間に適用されます。
参考:労働基準法 第19条|e-Gov法令検索(デジタル庁)
ただし、業務上の負傷・疾病ではない「私傷病」による休職の場合は、この制限の対象外です。
なお、試用期間中の従業員であっても、 14日 を超えて継続して使用されている場合は、解雇予告の規定が適用されます。
未払い分の請求など、会社との交渉が要る場合は弁護士へ。ここでは扱えません(弁護士法72条)。
解雇の手続きが進むまでの5つの工程
懲戒解雇は会社が決定しますが、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当でない場合は無効です。就業規則に懲戒手続きの定めがある場合は、その手順に従って進める必要があります。

手続きの進み方は、会社によって細かな違いがあります。しかし、一般的には次のような工程をたどります。
| 工程 | 内容 | 目的 |
|---|---|---|
| 1. 事実の確認 | 問題となった行為の調査 | 証拠の収集 |
| 2. 本人への聴取 | 言い分の確認 | 弁明の機会の確保 |
| 3. 規程の照合 | 就業規則との照らし合わせ | 処分の妥当性の検討 |
| 4. 決定と通知 | 処分の決定と書面での通知 | 結果の伝達 |
| 5. 手続きの完了 | 離職票などの書類交付 | 雇用関係の終了 |
会社は、従業員にルール違反の疑いがある場合、まず事実関係を調べます。このとき、客観的な証拠を揃えることが求められます。
次に、就業規則に定めがある場合などは、本人に言い分を述べる機会を与えます。これは、一方的な判断を防ぐために重要な工程です。ただし、会社によっては懲戒委員会などの組織を経て判断を下す場合もあります。
調査が終わると、社内の規定に基づき、最終的な処分を決定します。決定した内容は、書面で本人に通知するのが一般的です。
常時10人以上の労働者を使用する事業場では、就業規則を作成し、行政官庁に届け出る義務があります。就業規則には、解雇の事由も記載されます。
解雇の際には、原則として30日前前に予告する必要があります。ただし、1日につき平均賃金を支払えば、予告期間を短縮することも可能です。
予告を行わない場合は、30日分以上以上の平均賃金を支払わなければなりません。ただし、労働者の責に帰すべき事由による解雇などの例外には、行政官庁の認定が必要となる場合があります。
参考:労働基準法 第20条|e-Gov法令検索(デジタル庁)
また、業務上の負傷や疾病で療養のために休業している期間、およびその後30日間は、解雇が制限されます。ただし、私傷病による休職の場合は、この制限には当たりません。
試用期間中の従業員であっても、14日を超えて継続して雇用されている場合は、通常の解雇予告の規定が適用されます。
なお、解雇予告手当の支払いを怠った場合、労働者の請求により、未払金と同額の付加金の支払いが命じられるケースもあります。ただし、この請求は、違反のあった時から3年以内に行う必要があります。
解雇予告や手当の支払いに関する期限
解雇を行う場合、会社は労働基準法に基づいた予告の手続きを行う必要があります。解雇の予告には、原則として 30日前 前に行うことが求められます。

会社がこの予告を行わずに、即時に解雇を成立させる場合は、解雇予告手当を支払う必要があります。この手当の額は、 30日分以上 の平均賃金です。
参考:労働基準法 第20条(解雇の予告)|e-Gov法令検索(デジタル庁)
ただし、1日につき平均賃金を支払うことで、予告の日数を短縮することも可能です。例えば、10日前に予告を行う場合は、不足する20日分の平均賃金を支払う形となります。
労働者の責めに帰すべき事由(解雇予告による保護を要しないほど重大・悪質な義務違反など)による解雇などの例外があります。ただし、この例外を適用するには、労働基準監督署などの行政官庁による認定が必要となるため、事前の確認が要ります。
また、試用期間中の人であっても、 14日 を超えて働いている場合は、解雇予告の規定が適用されます。試用期間中であれば常に予告が不要というわけではありません。
解雇の制限に関するルールもあります。業務上の負傷や疾病で療養のために休業している期間、およびその後の 30日間 は、原則として解雇することができません。ただし、私傷病による休職にはこの制限は適用されません。
もし会社が解雇予告の手続きに違反した場合、労働者は裁判所に対して、未払いの手当と同額の付加金を請求できることがあります。この請求ができる期限は、違反があった時から 3年以内 です。
なお、常時 10人 以上の労働者を使用する事業場では、就業規則の作成と届出が義務付けられています。解雇の事由や退職に関するルールは、この就業規則に定められていることが一般的です。
| いまの立場 | 扱い | 次に見るところ |
|---|---|---|
| 正社員 | 解雇予告の対象 | 解雇予告手当 |
| 契約社員 | 解雇予告の対象 | 契約更新のルール |
| パート・アルバイト | 解雇予告の対象 | 解雇予告手当 |
| 試用期間中(14日以内) | 解雇予告が不要な場合がある | 試用期間の規定 |
| 試用期間中(14日超) | 解雇予告の対象 | 解雇予告手当 |
| 業務上の休業中 | 解雇が制限される | 解雇制限の期間 |
| 退職して任意継続を選んだ人 | 健康保険の資格が継続 | 保険料の支払い |
| 退職して国民健康保険に入った人 | 新しい保険への加入が必要 | 加入手続きの期限 |
| 家族の扶養に入った人 | 健康保険の被扶養者になる | 扶養認定の条件 |
懲戒解雇の理由となるケースと具体的な内容
会社への重大な違反行為によるケース
懲戒解雇の理由は、就業規則に定められた懲戒事由に該当する必要があります。
常時10人以上の労働者を使用する事業場では、解雇の事由を含む就業規則を作成し、所轄労働基準監督署長に届け出る義務があります。

参考:労働基準法 第89条|e-Gov法令検索(デジタル庁)
会社が独自に決めた理由で、いきなり処分を下すことはできません。
ただし、就業規則に記載があっても、その内容が社会通念上妥当でない場合は無効となる可能性があります。
違反の程度や過去の指導歴によって、判断が分かれるケースも少なくありません。
具体的なケースとしては、次のようなものがあります。
・会社に対する横領や背任(信頼を裏切る行為)
・重大な経歴詐称(採用時に嘘をついたこと)
・度重なる無断欠勤や、業務命令への著しい拒否
これらは、会社との信頼関係を維持できないと判断される材料になります。
ただし、一度のミスが直ちに懲戒解雇に直結するとは限りません。
事案の重大性や、改善の機会が与えられていたかなどが考慮されます。
職場での秩序を乱す行為によるケース
職場内のルールや、他の従業員への影響に関する行為も対象になり得ます。
例えば、職場での暴力行為や、深刻なハラスメント(嫌がらせ)などが挙げられます。
これらは、職場環境を著しく悪化させる行為として扱われます。
また、会社の機密情報を外部に漏らす行為も、重大な違反とみなされることがあります。
これらは、会社の運営や社会的信用を損なう恐れがあるためです。
情報の種類や、漏洩によって生じた損害の大きさも判断材料となります。
もし、会社から懲戒解雇を言い渡された場合、その理由が妥当かを確認する必要があります。
交渉が必要な場合は弁護士へ相談してください。
ここでは、弁護士法に基づき、個別の法律相談や交渉は行えません。
処分の妥当性に疑問があるときは、労働局の相談窓口や、お金のかからない相談先にまとめています。
まずは、ご自身の状況を整理して相談することをおすすめします。
解雇の有効性に関する相談は、総合労働相談コーナーなどが窓口となります。
解雇の扱いに納得がいかないときの相談先
退職代行業者に頼めば、解雇の無効を訴えてもらえますか
退職代行は、退職の意思を会社に伝えるためのサービスです。民間業者は会社と交渉できませんが、弁護士や、本人が加入した労働組合は会社と交渉できます。法的な交渉が必要な場合は、弁護士へ相談してください。

解雇された理由が不当だと感じたら、すぐに会社と話し合えばよいですか
話し合いだけで解決するとは限りません。会社側が処分の正当性を主張し続ける場合もあります。まずは、労働局の総合労働相談コーナーなどの公的な窓口を利用し、客観的なアドバイスを受けるのが一つの方法です。
ハローワークに相談すれば、解雇の妥当性を判断してもらえますか
ハローワークは、失業保険の手続きや求職活動を支援する機関であり、解雇の妥当性を判定する場ではありません。解雇理由の適切さを確認したい場合は、労働局などの相談窓口を活用してください。
解雇予告手当をもらっていれば、解雇そのものは有効になりますか
手当の支払いが、解雇の正当性を保証するわけではありません。手当は、解雇の予告期間を置かない場合の手続きの一つです。解雇の理由が客観的に見て妥当であるかどうかは、別途判断される問題となります。
解雇の扱いに納得がいかないときは、一人で抱え込まずに外部の窓口を活用してください。
状況を整理するために、会社から渡された解雇通知書や、これまでの経緯を記したメモ、就業規則などを手元に用意しておくとスムーズです。
相談先には、労働局の相談窓口や、法律の専門家である弁護士などが含まれます。ご自身の状況に合わせて、適切な窓口を選んでください。ただし、解決を目指す場合は、早めに専門家へ相談することをおすすめします。
解雇予告手当の未払いや、不当な解雇に関するトラブルが発生している場合、裁判所を通じて未払金と同額の「付加金」の支払いを命じられるケースもあります。
ただし、この請求は違反のあった時から 3年以内 に行う必要があります。
また、事業場で常時10人以上の労働者を使用している場合、就業規則を作成し、行政官庁に届け出る義務があります。就業規則には退職に関する事項(解雇の事由を含む)が記載されているため、確認の対象となります。
もし、業務上の負傷や疾病で療養のために休業している期間、およびその後30日間であれば、法律により解雇が制限されています。この期間内の解雇が適切かどうかについても、相談時に伝えるべき重要なポイントです。
参考:労働基準法 第19条(e-Gov法令検索)|デジタル庁
懲戒解雇の理由が正当とされるための条件

懲戒解雇は、労働者にとって極めて重い不利益を伴う処分です。
そのため、単に就業規則に記載があるだけでは、必ずしも有効とは限りません。
解雇の理由が正当と認められるには、客観的に合理的な理由が必要です。
また、その理由が社会通念上、相当であることも求められます。
ただし、個別の事案によって判断基準は異なります。
まず、就業規則に懲戒解雇の事由が明記されているかを確認します。
常時 10人 以上の労働者を使用する事業場では、就業規則の作成と届出が義務付けられています。
就業規則には、解雇の事由についても記載されている必要があります。
次に、その違反行為が、懲戒解雇に値するほど重大であるかが問われます。
軽微なルール違反に対して、いきなり懲戒解雇を行うことは難しいでしょう。
ただし、繰り返し注意を受けても改善されない場合などは、判断が分かれます。
さらに、処分の手続きが適正であったかも重要なポイントです。
就業規則に定められた弁明の機会を与えるなどの手順が守られている必要があります。
手続きを怠ると、理由が正当であっても処分が無効になる可能性があります。
解雇のタイミングについても、法律による制限があります。
業務上の負傷などで療養中の期間、およびその後 30日間 は、原則として解雇できません。
ただし、私傷病による休職の場合は、この制限には該当しません。
また、試用期間中の労働者であっても、一定の条件では解雇予告が必要です。
試用期間中であっても、継続して 14日 を超えて使用されている場合は、解雇予告の規定が適用されます。
最後に、解雇予告の有無と手当の支払いについても確認が必要です。
解雇を行う際は、原則として 30日前 前に予告しなければなりません。
予告をしない場合は、30日分以上 の平均賃金を支払う必要があります。
ただし、労働者の責に帰すべき事由による解雇などは、例外となる場合があります。
この例外には、行政官庁の認定が必要となる点に注意してください。
また、予告日数を短縮して解雇する場合は、不足する日数分の平均賃金を支払う必要があります。
参考:労働基準法 第20条(解雇の予告)|e-Gov法令検索(デジタル庁)
例えば、10日前に予告した場合は、残りの20日分に相当する平均賃金の支払いが必要です。
まとめ
懲戒解雇について、この記事で確認した内容は以下の通りです。

- 懲戒解雇は、就業規則に定められた事由に該当する場合に行われる、最も重い処分です。
- 会社は、あらかじめ定められた就業規則の手順に従って手続きを進める必要があります。
- 解雇予告が必要な場合、30日前に予告するか、30日分以上の平均賃金を解雇予告手当として支払う必要があります。
- ただし、労働者の責に帰すべき事由による解雇であっても、行政官庁の認定がない限り、予告や手当の支払いは原則として必要です。
- 試用期間中の場合でも、継続して14日を超えて使用されているときは、解雇予告の規定が適用されます。
- 民間の退職代行業者は会社と交渉できませんが、弁護士や、本人が加入した労働組合は交渉できます。
解雇の理由や手続きに疑問がある場合は、お金のかからない相談先にまとめています。また、法律のルールについて詳しく知りたいときは、法律・ルールの解説ページも参考にしてください。
この記事の根拠(本文内27か所・台帳6項目・一次資料1件)
制度の数値(台帳から出しています)
- 就業規則の作成・届出の義務が生じる労働者数10人時点:2026-07確認:2026-07-26e-Gov法令検索(デジタル庁)|労働基準法 第89条(作成及び届出の義務)
- 解雇の予告が必要な日数(労働基準法第20条)30日前時点:2026-08確認:2026-08-19e-Gov法令検索(デジタル庁)|労働基準法 第20条(解雇の予告)
- 解雇予告手当の日数(予告しない場合・労働基準法第20条)30日分以上時点:2026-08確認:2026-08-19e-Gov法令検索(デジタル庁)|労働基準法 第20条(解雇の予告)
- 解雇してはならない期間(療養・産前産後の休業後・労働基準法第19条)30日間時点:2026-08確認:2026-08-19e-Gov法令検索(デジタル庁)|労働基準法 第19条(解雇制限)
- 試用期間中に解雇予告が要らなくなる上限(労働基準法第21条)14日時点:2026-08確認:2026-08-19e-Gov法令検索(デジタル庁)|労働基準法 第21条
- 付加金を請求できる期限(違反のあった時から・労働基準法第114条)3年以内時点:2026-08確認:2026-08-24e-Gov法令検索(デジタル庁)|労働基準法 第114条ただし書・附則第143条第2項
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