傷病手当金の公休日は支給されない?計算や待期期間

傷病手当金の公休日は支給対象に含まれるか

会社を病気やケガで休んだときに受け取れる傷病手当金について、土日などの公休日がどのように扱われるかを解説します。健康保険の被保険者の方が、療養のために仕事を休んだ場合のルールです。

  • 待期期間のカウントには土日祝日も含まれます
  • 待期完成後の公休日も、療養のため労務不能であれば支給対象に含まれます
  • 支給額の計算には標準報酬月額の平均が使われます

最終更新: / 出典: 全国健康保険協会(協会けんぽ)

傷病手当金の公休日は支給対象に含まれるか

待期完成後の公休日も、療養のため労務不能であれば支給対象となり、給与が支払われた場合は支給額が調整されます。

まずは、支給を受けるための前提条件となる「待期期間」の考え方を確認しましょう。

待期期間は、連続して 3日 間、仕事に就けなかった場合に成立します。

この待期期間には、土日や祝日などの公休日、および有給休暇の日数も含まれます。

参考:病気やケガで会社を休んだとき(傷病手当金)|全国健康保険協会(協会けんぽ)

休んだ3日のあと、4日目から支給されます1日目2日目3日目4日目から支給待期(3日)は支給されません。土日・祝日や有給休暇も入ります支給される期間通算1年6か月1日あたりの額標準報酬日額の3分の2
傷病手当金は、いつから・どれくらい出るか制度の適用時点:2026-07/確認日:2026-07-26/出典:全国健康保険協会(協会けんぽ)

図は、手当がいつから、どのくらいの期間受けられるかの流れを示しています。

待期期間を満たした後の「支給日数」のカウントについては、以下の点に注意が必要です。

傷病手当金は、給与が一部支払われた日でも、その額が傷病手当金より少なければ差額が支給されます。

会社が定める公休日も、待期完成後に療養のため労務不能と認められる日は傷病手当金の支給対象となります。

ただし、以下のケースでは公休日の扱いが異なる場合があるため、事前の確認が重要です。

  • 会社から公休日にあたる日に対して、あらかじめ給与が支払われている場合
  • 就業規則により、休業期間中も特定の休日に対して手当が支給される定めがある場合
  • 待期期間としてカウントしている公休日の場合

支給開始後の期間については、支給を開始した日から通算して 1年6か月 です。

日額の計算には、標準報酬月額の平均を30で割った額に 3分の2 を掛けた金額が用いられます。

支給開始日以前の被保険者期間が12か月未満の場合は、所定の比較に用いる額が 320,000円 です。

支給対象となる日の判断に迷った際は、勤務先の総務担当者や、加入している健康保険組合の窓口へ相談しましょう。

組合によっては、独自の規定を設けているケースもあります。申請前に必ず確認してください。

申請から受給までにかかる期間と期限

傷病手当金の受給には、支給期間のルールや退職後の継続に関する条件があります。
支給開始後の通算期間や、退職時に満たしておくべき要件を確認しましょう。

支給期間は、支給を開始した日から通算して 1年6か月 までです。
支給されなかった期間を除き、実際の支給期間が通算1年6か月に達した時点で終了します。

参考:病気やケガで会社を休んだとき(傷病手当金)|全国健康保険協会(協会けんぽ)

退職後に受給を継続できる「資格喪失後の継続給付」という仕組みがあります。
これを利用するには、退職日までに、続けて 1年 以上、健康保険の被保険者である必要があります。

ただし、任意継続被保険者や国民健康保険の期間は含まれません。

参考:任意継続被保険者制度|全国健康保険協会(協会けんぽ)

また、退職日に出勤せず、現に傷病手当金を受けているか、受けるための条件を満たしていることも必要です。
要件を満たせば、退職後も継続して受給できる場合があります。

退職後に任意継続被保険者を選択しても、要件を満たす資格喪失後の継続給付は受けられます。

支給額の計算には、標準報酬月額の平均を30で割った額に 3分の2 を掛けた金額が用いられます。
なお、被保険者期間が12か月未満の場合、本人の平均額と 320,000円 のうち低い額を用います。

参考:病気やケガで会社を休んだとき(傷病手当金)|全国健康保険協会(協会けんぽ)

退職後に健康保険を「任意継続」として継続する場合、手続きには期限があります。
協会けんぽでは、退職日の翌日から 20日以内 内に申し出が必要です。

この期限を過ぎると任意継続は選べなくなるため、退職後は早めに確認しましょう。

任意継続の保険料についても、加入する制度によって負担額が変わります。
例えば、東京都の協会けんぽの場合、令和8年4月分からの保険料率は 10.08% です。

任意継続は保険料を全額自己負担するため、事前のシミュレーションが有効です。

参考:全国健康保険協会(協会けんぽ)の任意継続被保険者の方の保険料額(令和8年4月分〜・東京支部)|全国健康保険協会(協会けんぽ)

また、任意継続の標準報酬月額には上限が設けられています。
退職時の標準報酬月額が 320,000円 を超える場合は、この数値が上限となります。

参考:【健康保険】令和8年度の任意継続被保険者の標準報酬月額の上限について|全国健康保険協会(協会けんぽ)

申請の手続きや受給の詳細は、加入している健康保険組合によって異なります。
具体的な申請方法や、自身の加入している保険組合のルールについては、早めに窓口へ問い合わせましょう。

組合によっては、独自の規定を設けているケースもあります。

待期期間の3日間に土日や祝日は含まれるか

傷病手当金の支給を受けるには、連続して 3日 休む必要があります。この期間を待期期間といいます。

待期期間の数え方は、仕事が休みの日であっても、連続している限りカウントされます。土日や祝日、有給休暇などが含まれるかどうかが、判断のポイントです。

会社が休みの日(公休日)の場合

会社が定めている土日や祝日などの公休日は、待期期間の数え方に含まれます。連続して 3日 休んでいる状態であれば、その間に公休日があっても問題ありません。

例えば、金曜日から休み始め、土日や祝日を挟んで月曜日まで仕事を休んだ場合、これらは連続した休みとして扱われます。この場合、待期期間の条件を満たすことになります。

個人の休み(有給休暇など)の場合

自分で取得した有給休暇も、待期期間の数え方に含まれます。病気やけがで仕事を休んでいる期間に、有給休暇を組み合わせて使うことが可能です。

有給休暇と病欠が連続していれば、それらを合わせて 3日 以上の休みとしてカウントできます。ただし、待期が完成する前に仕事に就いた場合は、改めて連続3日間の待期が必要です。

待期期間のカウントに関する注意点

待期期間の計算において、注意が必要なケースがいくつかあります。原則は「連続した休み」ですが、以下の状況では扱いが変わるため注意してください。

まず、待期期間中に一度でも「労務に従事した」とみなされると、待期期間は中断されます。待期完成前に仕事を行った場合は、その後に改めて 3日 間連続して仕事に就けないことが必要です。

次に、会社が定める休日が「連続していない」場合です。例えば、月曜日から水曜日まで療養のため仕事に就けなければ待期は成立し、木曜日に出勤しても成立した待期は維持されます。

ただし、療養のため仕事に就けない状態であることが条件です。

また、傷病手当金の申請窓口は、加入している健康保険組合や協会けんぽとなります。待期期間の数え方や、具体的な休業の証明方法については、所属する事業所の担当部署や保険者に事前に確認しておくとスムーズです。

参考:病気やケガで会社を休んだとき(傷病手当金)|全国健康保険協会(協会けんぽ)

支給額の計算と土日の扱い

傷病手当金の支給額は、1日あたりの金額に、支給対象となる日数を掛けて計算します。連続して休んでいる期間であれば、土日や祝日などの公休日も支給対象の日数に含まれます。

1日あたりの支給額は、以下の手順で算出します。

傷病手当金の1日あたりの支給額の計算方法
計算のステップ 内容 計算の対象 使う数値
ステップ1 標準報酬日額を出す 標準報酬月額の平均を30で割る 支給開始日前の標準報酬月額の平均
ステップ2 支給額を出す 標準報酬日額に支給割合を掛ける 3分の2

参考:病気やケガで会社を休んだとき(傷病手当金)|全国健康保険協会(協会けんぽ)

ただし、被保険者期間が12か月未満の場合には所定の比較計算があります。被保険者期間が12か月未満の場合、本人の平均標準報酬月額と 320,000円 のうち低い額を用います。

支給額の計算において、注意が必要なケースは以下の通りです。

  • 給与が支払われている日:給与が全額支払われている日は、傷病手当金の支給対象になりません。
  • 有給休暇の日:有給休暇の賃金が傷病手当金の日額以上なら支給されず、少ないときは差額が支給されます。
  • 欠勤扱いの日:給与が支払われない欠勤日は、支給対象に含まれます。

給与が一部支払われている場合、その額が1日あたりの支給額より少ないときは、差額が支給されることがあります。差額支給は健康保険法に基づくため、詳細は傷病手当金を支給する保険者へ確認してください。

支給期間の制限についても確認しておきましょう。傷病手当金は、支給を開始した日から通算して 1年6か月 までとなります。連続した休みであっても、この期間を超えて休業した分については支給されません。

退職後に受給を継続したい場合は、「資格喪失後の継続給付」の要件を確認してください。退職日までに続けて 1年 以上被保険者であり、かつ退職日に出勤せず受給条件を満たしていれば、継続して受給できます。

なお、退職後に「任意継続被保険者」となっても、資格喪失後の継続給付の要件を満たせば受給を続けられます。任意継続は、退職後に新たに発生した病気やケガに対しては、傷病手当金が支給されない仕組みです。

有給休暇と傷病手当金のどちらを使うかは、ご自身の状況に合わせて判断することになります。どちらが有利になるかは、給与の額や休む日数によって変わるため、事前の確認が要ります。

手続きがうまくいかないときの相談先

申請の手続きを進める中で、不明な点や困ったことが生じる場合があります。状況によって、相談する窓口が異なります。

会社に所属している場合

休職中や在籍中の手続きについては、勤務先の担当部署に相談してください。申請書に医師の証明をもらう手順や、会社への提出方法を確認しましょう。

給与の支払い状況や、欠勤中の保険料の支払い方法についても、会社へ確認が必要です。会社との間で未払いが発生しないよう、あらかじめ決めておくことが大切です。

もし会社との間で、支払いや権利に関するトラブルになり、会社側で解決できない場合は、弁護士へ相談してください。ここでは、会社との交渉を代行することはできません(弁護士法72条)。

退職している場合

退職後の手続きについては、加入している健康保険の組合や、市区町村の窓口が相談先になります。退職後に「資格喪失後の継続給付」を受けたい場合は、加入していた健康保険の窓口へ確認してください。

資格喪失後の継続給付を受けるには、退職日までに続けて 1年 以上の被保険者期間が必要です。ただし、退職日に現に傷病手当金を受けているか、受けられる状態であることも条件となります。

参考:任意継続被保険者制度 | 全国健康保険協会(協会けんぽ)|全国健康保険協会(協会けんぽ)

また、任意継続被保険者として健康保険を継続する場合、退職日の翌日から 20日以内 内に申し出が必要です。この期限を過ぎると、任意継続は選べなくなるため注意してください。

任意継続の保険料は全額自己負担となります。例えば東京都の場合、令和8年4月分からの保険料率は 10.08% です。

参考:全国健康保険協会(協会けんぽ)の任意継続被保険者の方の保険料額(令和8年4月分〜・東京支部)|全国健康保険協会(協会けんぽ)

なお、任意継続の標準報酬月額には上限があります。退職時の標準報酬月額が 320,000円 を超える場合は、この数値が適用されます。

参考:【健康保険】令和8年度の任意継続被保険者の標準報酬月額の上限について|全国健康保険協会(協会けんぽ)

退職後に国民健康保険へ加入しても、継続給付は退職前に加入していた健康保険者から受けます。傷病手当金の継続給付については、退職前に加入していた健康保険者へ相談してください。

また、失業保険(雇用保険の基本手当)の受給に関する判断は、管轄のハローワークが行います。受給の要件を満たしているか、不明な点はハローワークへ直接確認してください。

参考:雇用保険の具体的な手続き | 厚生労働省|厚生労働省

基本手当の受給期間は、離職日の翌日から原則 1年 です。ただし、妊娠や出産などで30日以上働けない場合は、その日数を加算できる場合があります。

傷病手当金と公休日に関するよくある勘違い

休職して給料が出ていない間、社会保険料の支払いは止まりますか

いいえ、休職中も健康保険と厚生年金の資格は続くため、保険料の支払いは止まりません。
保険料は原則として会社と本人が半分ずつ負担しますが、健康保険組合では規約により会社の負担割合を増やせます。

給与から差し引けない場合は、本人負担分を会社にどう渡すかを決める必要があります。

退職して任意継続を選んだ場合、傷病手当金は受け取れますか

いいえ、任意継続被保険者になった後に、新たに病気やけがをしても傷病手当金は支給されません。
傷病手当金は、退職前に受給していたか、受けられる状態だった場合に、一定の要件を満たせば継続して支払われます。

退職後の受給については、資格喪失後の継続給付の要件を満たしているかを確認してください。

退職後に国民健康保険へ加入しても、傷病手当金は継続して受け取れますか

はい、退職前から「資格喪失後の継続給付」の要件を満たしている場合は、継続して受け取れることがあります。
退職後に加入した国民健康保険ではなく、以前加入していた健康保険者から給付が行われます。

ただし、継続給付を受けられるかどうかは、加入していた健康保険の窓口へ確認してください。

傷病手当金の日額は、標準報酬日額の3分の2ですか

はい、原則として、支給開始日前の標準報酬月額の平均をもとに算出した標準報酬日額の3分の2が、支給額の目安となります。

計算方法の詳細は、加入している健康保険の窓口で確認してください。

参考:任意継続(任意継続の被保険者期間・保険料・保険給付)|全国健康保険協会(協会けんぽ)

まとめ

この記事で確認した内容は、以下の通りです。

  • 待期期間は、公休日を含めて連続している限りカウントされます。
  • 支給対象となる日数には、会社の公休日も含まれます。
  • 支給額は、標準報酬日額の3分の2を1日あたりの金額として計算します。
  • 退職後も、被保険者期間が1年以上などの要件を満たせば、継続して給付を受けられることがあります。

手続きの進め方や具体的な支給額については、傷病手当金の解説記事や、申請書類に関する記事もあわせて確認してください。

不明な点がある場合は、勤務先の担当部署や、加入している健康保険の窓口へ相談できます。ただし、制度の詳細は加入している保険者によって異なる場合があります。

制度の詳細は改正される可能性があるため、手続きの前に、公式の最新情報を確かめる必要があります。

なお、資格喪失後の継続給付には、退職日までの被保険者期間や退職日時点の受給要件などの条件があります。詳細は加入中の保険者へ確認してください。

この記事の根拠(本文内31か所・台帳9項目・一次資料7件)

制度の数値(台帳から出しています)

一次資料

数値は一次情報で確かめてから台帳に入れています(情報源について)。リンク先の内容が変わっているのを見つけたら訂正の受付までお知らせください。

この記事の編集責任者

JPSM INTERNET SERVICE 代表

小笠原 治輝おがさわら はるき

休職から退職までの手続きを自分で経験しました。傷病手当金の申請、雇用保険の受給期間延長、健康保険と年金の切り替えを実際に進めた経験があります。記事は、厚生労働省・e-Gov法令検索・ハローワークの一次情報と突き合わせて確認しています。