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退職代行には、労働組合が運営するものと弁護士が担当するものがあります。組合が運営するサービスでは、組合員として団体交渉の形で会社と話し合える場合があります(労働組合法第6条)。ただし、訴訟や損害賠償の請求など法律事務にあたるものは弁護士に限られます(弁護士法第72条)。利用する前に、運営しているのがどこか、組合への加入がどうなるかを確かめてください。
パートをすぐに辞めても、失業保険の手続きは可能です
パートとして働いていた方が、すぐに退職して失業保険(基本手当)を受け取りたい場合、離職後の手続きが必要です。この記事では、退職から受給開始までの流れや、待期期間、給付制限の仕組みについて、厚生労働省の資料をもとに解説します。
- 離職票などの書類を揃えてハローワークへ申請する
- 待期期間を経てから受給の判定が行われる
- 自己都合退職の場合は給付制限がかかることがある

パートをすぐに辞める際の手続きの流れ
パートをすぐに辞める場合、退職の意思を伝えることから、失業給付の申請まで、いくつかの工程があります。手続きの進め方は、加入している社会保険の種類によって変わります。

まずは、会社への退職の申し出です。辞めたい時期や、退職後の手続きに必要な書類について、事前の確認が要ります。ただし、就業規則で定められた退職予告期間がある場合もあります。
次に、会社から離職票などの書類を受け取ります。離職票(会社を辞めたことを証明する書類)は、ハローワークでの失業給付の手続きに必要です。
その後、ハローワークで失業の手続きを行います。手続きには、失業の状態にあることを確認するための7日の待期期間があります。
手続きが完了すると、要件を満たせば基本手当(失業している期間に支給される手当)を受け取れる場合があります。ただし、自己都合退職の場合は原則として1か月の給付制限がかかります。
また、退職前5年間に正当な理由のない自己都合退職が2回以上ある場合は、給付制限が3か月となるため注意が必要です。
基本手当の受給期間は、離職日の翌日から原則として1年です。ただし、妊娠や出産などの理由で30日以上働けないときは、最長で4年まで延長できます。
ただし、延長は自動ではないため、公共職業安定所長への申し出が必要です。
図は、健康保険への加入が決まる条件を示しています。
社会保険の加入条件は、勤務先の規模や労働時間によって決まります。特定適用事業所(厚生年金などの加入対象となる範囲が広い企業)となる基準は、被保険者数が 51人 以上の場合です。
- 令和9年10月からは、被保険者数が 36人 以上の企業等でも、短時間労働者が加入対象となります。
- また、週の所定労働時間が 20時間 以上などの要件を満たす必要があります。
最後に、健康保険や年金の切り替え手続きを行います。退職後の状況に合わせて、国民健康保険への加入や、任意継続(退職後も元の健康保険を継続して利用する仕組み)などの選択肢があります。
雇用保険の受給手続きには原則として離職票が必要ですが、交付が遅い場合は仮手続きができることがあります。離職票が届かない場合は、勤務先へ発行状況を確認しましょう。
また、再就職手当の受給を検討する場合は、基本手当の支給残日数が所定給付日数の3分の1以上あることが条件の一つです。ただし、安定した職業に就くことなど、他にも要件があります。
参考:雇用保険の基本手当(失業給付)を受給される皆さまへ|厚生労働省
参考:短時間労働者に対する健康保険・厚生年金保険の適用の拡大|日本年金機構
未払い分の請求など、会社との交渉が要る場合は弁護士へ。ここでは扱えません(弁護士法72条)。
退職後に期限を意識して進めるべきこと
退職後は、失業給付の申請や社会保険の切り替えなど、期限のある手続きが続きます。手続きのタイミングを逃すと、手当の受給が遅れたり、保険の資格を失ったりする恐れがあります。

まずは、失業給付の受給に関するスケジュールを確認しましょう。受給のタイミングは、会社から届く離職票の提出から始まります。
| 手続きの段階 | 内容 | 目安となる時期 |
|---|---|---|
| 離職票の受け取り | 会社から書類が届くのを待つ | 退職後、数日から数週間 |
| ハローワークでの申請 | 求職の申し込みと受給手続き | 離職票が届き次第 |
| 基本手当の受給 | 失業状態が認められた後の支給 | 申請から一定期間経過後 |
雇用保険の基本手当(失業給付)を受給される皆さまへ[PDF](厚生労働省)
参考:雇用保険の基本手当(失業給付)を受給される皆さまへ[PDF]|厚生労働省
失業給付の受給には、ハローワークでの求職申し込みが必要です。申し込み後、失業状態が通算して7日に満たない間は、基本手当は支給されません。
また、基本手当の受給期間は、離職日の翌日から原則として1年です。ただし、妊娠や出産などで30日以上働けない場合は、最長で4年まで延長できます。
次に、社会保険の切り替えです。退職によって現在の健康保険や厚生年金の資格を失うため、新しい保険への加入手続きが必要です。
| 選択肢 | 対象となる人 | 注意点 |
|---|---|---|
| 国民健康保険 | お住まいの市区町村で加入する | 自治体によって保険料が異なる |
| 任意継続 | 元の会社の健康保険を継続する | 加入の申込みに期限がある |
| 家族の扶養に入る | 家族が社会保険に加入している | 加入条件を満たす必要がある |
短時間労働者に対する健康保険・厚生年金保険の適用の拡大(日本年金機構)
参考:短時間労働者に対する健康保険・厚生年金保険の適用の拡大|日本年金機構
社会保険の切り替えには、加入できる条件や期限があります。以前の職場で4分の3以上の条件を満たして被保険者になっていた場合でも、退職後は別の手続きが必要です。
短時間労働者として加入していた場合、月額の賃金が88,000円以上であるなどの要件を満たしていたかによって、これまでの加入状況が異なります。
なお、月額8.8万円以上という賃金の要件は、2026年10月に撤廃される予定です。撤廃後は、この金額だけを理由に加入の対象外と判断することはできません。ただし、最低賃金の減額特例の対象になる方には例外があります。
手続きの詳細は、管轄のハローワークや市区町村の窓口で確認してください。ただし、自治体や加入する制度によって、必要な書類や申請期限が異なる場合があります。
失業保険の受給が始まるまでの期間
失業保険の受給が始まるまでには、いくつかの期間があります。離職票をハローワークへ提出したあと、まず「待期期間」という期間が設けられます。

待期期間は、受給資格決定日から失業していた日が通算して 7日 に達するまでです。この期間中は、失業保険の支給対象にはなりません。
待期期間が終わったあとに、給付制限の有無を確認します。給付制限とは、失業保険の支給が一時的に止まる期間のことです。
自己都合で退職した場合は、原則として 1か月 の給付制限があります。ただし、退職の理由や状況によって、この期間は変わります。
退職した直前5年間に、正当な理由のない自己都合退職が2回以上ある場合は、給付制限が 3か月 になることがあります。
受給開始までの流れは、ハローワークでの「失業の認定」を経て進みます。認定は 4週間 ごとに行われるのが一般的です。
認定を受けたあと、基本手当が振り込まれるまでの期間は 5営業日 程度です。ただし、金融機関の休業日などは除きます。
なお、基本手当の受給期間は、離職日の翌日から原則として 1年 です。この期間を過ぎると、残日数があっても支給されません。
ただし、妊娠や出産、育児などの理由で30日以上働けない場合は、受給期間を延長できる仕組みがあります。受給期間に加算できる期間の上限は 4年 です。
延長の手続きは自動で行われません。厚生労働省令の定めるところにより、公共職業安定所長に申し出る必要があります。
| いまの立場 | 扱い | 次に見るところ |
|---|---|---|
| 正社員 | 雇用保険の被保険者 | 失業保険の手続き |
| 契約社員 | 雇用保険の被保険者 | 失業保険の手続き |
| パート・アルバイト | 条件を満たせば雇用保険の被保険者 | 失業保険の手続き |
| 休職中で在籍している人 | 社会保険の被保険者 | 休職制度の確認 |
| 退職して任意継続を選んだ人 | 健康保険の被保険者 | 保険料の支払い |
| 退職して国民健康保険に入った人 | 国民健康保険の被保険者 | 保険料の支払い |
| 家族の扶養に入った人 | 健康保険の被扶養者 | 加入条件の確認 |
| 産前産後休業や育児休業の人 | 社会保険の被保険者 | 休業中の保険料 |
受給のタイミングや期間については、管轄のハローワークが判断します。ご自身の状況に当てはまる具体的なスケジュールは、事前に窓口で確認してください。
参考:雇用保険の基本手当(失業給付)を受給される皆さまへ[PDF]|厚生労働省
手続きがうまくいかないときの相談先
退職の手続きを進める中で、自分の状況がどの制度に当てはまるか分からなくなることがあります。判断に迷ったときは、一人で抱え込まずに公的な窓口へ相談してください。

雇用保険や失業給付について確認したい場合
失業給付の手続きや受給できる条件については、管轄のハローワークが判断します。離職票の受け取り方や、受給開始までの流れに疑問があるときは、窓口で確認してください。
雇用保険の加入状況については、以下の条件が判断の目安になります。
- 健康保険・厚生年金保険の被保険者とされない短期契約の期間は 2か月 です。
- 健康保険・厚生年金保険に短時間労働者が加入する要件(週の所定労働時間)は 20時間 です。
これらは健康保険・厚生年金保険の加入要件であり、雇用保険の加入要件とは異なります。ただし、加入要件は勤務先の規模(特定適用事業所か否か)によっても異なります。健康保険・厚生年金保険の加入状況は、年金事務所などの窓口で直接確認してください。
参考:ハローワークインターネットサービス|雇用保険の具体的な手続き|厚生労働省
社会保険の加入や扶養について確認したい場合
退職後の健康保険や年金の切り替えについては、お住まいの市区町村や年金事務所が窓口になります。国民健康保険への加入手続きや、家族の扶養に入るための条件については、それぞれの窓口へ相談してください。
社会保険の適用拡大により、加入条件が段階的に変わる点にも注意が必要です。例えば、特定適用事業所の基準は、令和9年10月から厚生年金保険の被保険者数が 36人 以上の企業等へと拡大される予定です。
参考:短時間労働者に対する健康保険・厚生年金保険の適用の拡大|日本年金機構
また、通常の労働者の 4分の3 以上の労働時間がある場合は、勤務先の規模に関わらず社会保険の加入対象となる場合があります。自身の契約内容と照らし合わせて確認しましょう。
会社とのトラブルについて相談したい場合
会社との間で、未払いの賃金や離職票の交付に関するトラブルが生じている場合は、労働基準監督署などの相談窓口を利用する方法があります。労働条件が契約と異なる場合なども、あわせて相談してください。
ただし、個別の交渉が必要な事案については、弁護士でなければ扱えない用件かを確認する必要があります。交渉が必要な場合は弁護士へ相談してください。ここでは扱えません(弁護士法72条)。
パートの退職に関するよくある勘違い
すぐに辞めると失業保険はもらえませんか
要件を満たせば受給できる可能性があります。自己都合退職の場合、原則として1か月の給付制限がかかります。
ただし、令和7年4月以降に一定の教育訓練を受けるなどの条件を満たせば、給付制限が解除される仕組みもあります。
参考:令和7年4月以降に教育訓練等を受ける場合、給付制限が解除され、基本手当を受給できます|厚生労働省
なお、退職前5年間に正当な理由のない自己都合退職が2回以上ある場合は、給付制限が3か月となるため注意が必要です。
退職後、すぐに国民健康保険に加入すれば大丈夫ですか
ご自身の状況によって、選ぶべき制度が異なります。退職後も、以前加入していた健康保険の資格を継続できる「任意継続」という制度があります。
国民健康保険への加入や、家族の扶養に入るための条件は、お住まいの市区町村や加入している保険の種類によって変わります。ただし、任意継続には加入期限があるため確認が必要です。
会社が辞めさせてくれない場合、無理に辞めることはできますか
雇用期間の定めがない契約であれば、法律に基づいた手続きを行うことで退職できる場合があります。ただし、契約内容により予告期間が異なる場合があります。
具体的な手続きや判断については、管轄の労働基準監督署などの窓口へ相談してください。会社との間で未払賃金などのトラブルがある場合も、同様に相談が可能です。
離職票は会社が勝手に送ってくれるものですか
離職票が必要な場合は、会社に対して交付を請求する権利があります。会社は、労働者が離職証明書の交付を求めたときは、これを交付しなければならないと定められています。
離職票は失業保険の手続きに原則必要ですが、交付が遅い場合は離職票なしで仮手続きができることがあります。もし会社から交付されない場合は、住居地を管轄するハローワークへ相談してください。
まとめ
- 退職の意思を伝え、離職票などの必要書類を会社に請求します。
- 失業給付の受給には、離職票の提出後に7日の待期期間が設けられます。
- 自己都合による退職の場合、原則として1か月の給付制限がかかります。ただし、直前5年間に正当な理由のない自己都合退職が2回以上ある場合は、制限が3か月に延びるため注意が必要です。
- 退職後の健康保険は、ご自身の状況に合わせて制度を選びます。
- 手続きのタイミングを逃すと、手当の受給や保険の資格に影響することがあります。
失業給付の受給期間は、離職日の翌日から原則として1年です。ただし、妊娠や出産などで就業できない場合は、公共職業安定所への申し出により、最長で4年まで延長できる場合があります。
参考:雇用保険の基本手当(失業給付)を受給される皆さまへ|厚生労働省
退職に関する具体的な流れや書類については、退職の手続きのページにまとめています。また、失業給付の仕組みについては失業給付の解説も参考にしてください。
この記事の根拠(本文内43か所・台帳14項目・一次資料6件)
制度の数値(台帳から出しています)
- 待期期間7日時点:令和8年8月1日確認:2026-08-10厚生労働省|ハローワークインターネットサービス|雇用保険の具体的な手続き
- 自己都合の給付制限(原則)1か月時点:令和8年8月1日確認:2026-08-10厚生労働省|令和7年4月以降に教育訓練等を受ける場合、給付制限が解除され、基本手当を受給できます
- その退職を除く直前5年間に正当な理由のない自己都合退職が2回以上ある場合の給付制限3か月時点:令和8年8月1日確認:2026-08-10厚生労働省|令和7年4月以降に教育訓練等を受ける場合、給付制限が解除され、基本手当を受給できます
- 基本手当の受給期間(離職日の翌日から・原則)1年時点:2026-08確認:2026-08-19e-Gov法令検索(デジタル庁)|雇用保険法 第20条第1項第1号(支給の期間及び日数)
- 受給期間を延長できる上限(加算後の期間・雇用保険法第20条第1項)4年時点:2026-08確認:2026-08-19e-Gov法令検索(デジタル庁)|雇用保険法 第20条第1項(支給の期間及び日数)
- パート・アルバイトが通常の被保険者になる基準(4分の3基準)4分の3時点:2026-07(日本年金機構の当該ページの更新日 2026年6月26日)確認:2026-07-27日本年金機構|適用事業所と被保険者
- 健康保険・厚生年金保険に短時間労働者が加入する要件(週の所定労働時間)20時間時点:2026-07(日本年金機構の当該ページの更新日 2026年4月17日)確認:2026-07-27日本年金機構|短時間労働者に対する健康保険・厚生年金保険の適用の拡大
- 健康保険・厚生年金保険に短時間労働者が加入する要件(所定内賃金の月額)88,000円時点:2026-07(令和8年10月に撤廃予定)確認:2026-07-27日本年金機構|短時間労働者に対する健康保険・厚生年金保険の適用の拡大
- 健康保険・厚生年金保険の被保険者とされない短期契約の期間2か月時点:2026-07(日本年金機構の当該ページの更新日 2026年6月26日)確認:2026-07-27日本年金機構|適用事業所と被保険者
- 特定適用事業所になる厚生年金保険の被保険者数(短時間労働者を除く)51人時点:2026-07(日本年金機構の当該ページの更新日 2026年4月17日)確認:2026-07-27日本年金機構|短時間労働者に対する健康保険・厚生年金保険の適用の拡大
- 特定適用事業所になる厚生年金保険の被保険者数(令和9年10月から)36人時点:令和9年10月から確認:2026-07-27日本年金機構|短時間労働者に対する健康保険・厚生年金保険の適用の拡大
- 再就職手当の対象になる支給残日数(所定給付日数に対する割合)3分の1以上時点:2026-08確認:2026-08-19e-Gov法令検索(デジタル庁)|雇用保険法 第56条の3第1項第1号(就業促進手当)
- 失業の認定の間隔4週間時点:令和8年8月1日確認:2026-08-10厚生労働省|ハローワークインターネットサービス|雇用保険の具体的な手続き
- 認定日から振込までの日数5営業日時点:令和8年8月1日確認:2026-08-10厚生労働省|ハローワークインターネットサービス|雇用保険の具体的な手続き
一次資料
- 厚生労働省|ハローワークインターネットサービス|雇用保険の具体的な手続き
- 厚生労働省|令和7年4月以降に教育訓練等を受ける場合、給付制限が解除され、基本手当を受給できます
- e-Gov法令検索(デジタル庁)|雇用保険法 第20条第1項第1号(支給の期間及び日数)
- 日本年金機構|適用事業所と被保険者
- 日本年金機構|短時間労働者に対する健康保険・厚生年金保険の適用の拡大
- 厚生労働省|雇用保険の基本手当(失業給付)を受給される皆さまへ
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