退職後の手続きが14日過ぎたらどうする

退職後の手続きが14日を過ぎても、まずは状況を確認して早めに窓口へ相談しましょう

退職して健康保険や年金の手続きが遅れている方へ、手続きの進め方と保険証がない期間の注意点を解説します。会社から書類が届かない場合や、期限を過ぎてしまった場合の対応方法が分かります。

  • 手続きの遅れは、健康保険の資格喪失や年金の手続きに影響することがあります
  • 会社から離職票などの書類が届かないときは、勤務先へ状況を確認してください
  • 保険証がない期間は、医療機関での受診方法が制限されることがあります

最終更新: / 出典: 厚生労働省

退職後に進めるべき手続きの5工程

退職後は、生活を支えるための制度への加入や、失業保険の申請など、行うべきことが複数あります。手続きの漏れを防ぐため、全体の流れを把握しておきましょう。

手続きは、大きく分けて次の5つの工程で進めます。

  1. 会社から届く書類の確認と、離職票などの受け取り
  2. 健康保険や年金の加入手続き(新しい保険への切り替え)
  3. 雇用保険の受給に関する手続き(失業保険の申請)
  4. 住民税や所得税に関する精算と、確定申告の準備
  5. 各種公的書類の整理と、必要に応じた相談

離職票を待つ間も、健康保険や年金の期限がある手続きは先に進めます。離職票は、会社が雇用保険の離職手続きを行い、ハローワークから交付を受けた後に本人へ渡します。ただし、会社によって発送時期が異なる場合があります。

次に、健康保険と年金の手続きを行います。退職によって、これまでの社会保険の資格喪失が発生するため、新しい加入先を決める必要があります。

健康保険は、国民健康保険、任意継続、家族の健康保険の被扶養者などから選択します。ただし、任意継続は最長2年間という期限があります。

年金についても、国民年金への切り替えなどの手続きが必要です。退職後すぐに再就職しない20歳以上60歳未満の方は、原則として市区町村の窓口で国民年金第1号被保険者への切替手続きを行います。ただし、家族の扶養に入る場合は手続きが異なります。

続いて、雇用保険の手続きです。失業保険の受給を希望する場合は、管轄のハローワークへ求職の申し込みを行います。離職票が手元に届き次第、速やかに窓口へ向かいましょう。

最後に、税金に関する確認です。住民税は、退職時期により一括徴収が義務となる場合があり、それ以外は普通徴収などへ切り替わります。自治体によって納付方法の案内が異なる場合があります。

また、所得税については、退職時に年末調整されなくても、確定申告が必須とは限らず、申告により還付される場合があります。給与所得の源泉徴収票を手元に用意しておきましょう。

手続きには、それぞれ期限や窓口が異なります。ご自身の状況に合わせて、一つずつ進めていくことが大切です。

手続きの期限といつまでにやるべきこと

退職後の手続きには、それぞれ期限が設けられています。期限を過ぎると、受け取れるはずの給付が遅れたり、手続きの方法が変わったりすることがあります。

主な手続きの目安を、以下の表にまとめました。ご自身の状況に合わせて、早めの確認が必要です。

退職後の主な手続きの目安
手続きの内容 手続きの目安 主な窓口
国民健康保険への加入 退職後、速やかに 市区町村の窓口
国民年金への切り替え 退職後、速やかに 市区町村の窓口
失業保険の申請 離職後、早めに ハローワーク
住民税の支払い方法の変更 退職後、早めに 市区町村の窓口

健康保険や年金の手続きは、退職によってこれまでの資格がなくなるため、新しい加入先を決めて進める必要があります。国民健康保険と国民年金の届出期限は原則14日以内で、必要書類や申請方法は窓口により異なる場合があります。

失業保険(基本手当)の受給を希望する場合は、ハローワークでの手続きが必要です。受給の要件を満たせば、基本手当を受け取れる仕組みですが、手続きが遅れると支給開始も遅れることがあります。

住民税については、退職後の支払い方法が、これまでの給与天引きから、自分で納付する方法へ変わる場合があります。自治体からの通知を確認し、支払い方法を整えることが大切です。

手続きの期限や詳細については、管轄の役所やハローワークへ相談することをおすすめします。

社会保険の手続きについて、より具体的な注意点を解説します。国民健康保険への加入は、退職によって健康保険の資格を喪失してから行う必要があります。

ただし、任意継続を選択する場合は、資格喪失から20日以内という期限があるため注意してください。

国民年金の手続きも同様です。会社員として厚生年金に加入していた20歳以上60歳未満の方は、再就職せず配偶者の扶養にも入らない場合、第1号被保険者への切り替えが必要です。

手続きが遅れると、将来受け取る年金額に影響する場合があるため、早めに市区町村の年金窓口へ相談しましょう。

失業保険の受給を検討している方は、離職票が届き次第、速やかにハローワークへ向かってください。離職票の到着が遅れると、受給開始時期も後ろ倒しになります。

なお、離職理由によって給付制限期間が異なる場合がありますが、待期期間は離職理由にかかわらず共通です。

住民税の支払いについても確認が必要です。退職後に「普通徴収」へ切り替わった場合、自宅に納付書が届きます。

支払いを忘れると延滞金が発生する可能性があるため、自治体から届く通知を見逃さないようにしましょう。ただし、退職時期によっては、前年分の残額を給与から一括徴収する場合もあります。

各手続きの詳細は、お住まいの地域の役所や、管轄のハローワーク、または年金事務所へ直接問い合わせるのが最も確実です。

健康保険証がない期間の過ごし方と注意点

退職によってこれまでの健康保険の資格を失うと、手元にある保険証は使えなくなります。新しい保険証が届くまでの間、医療機関を受診する場面では注意が必要です。

保険証がない状態で医療機関を受診すると、窓口での支払いが全額自己負担になることがあります。後から手続きを行うことで、支払った金額の一部が払い戻される仕組みもありますが、手続きには時間がかかります。

現在の状況によって、次に進むべき手続きは異なります。以下の表に、立場別の状況をまとめました。

立場別の状況と次に行うことの例
いまの立場 保険の扱い 次に見るところ
正社員 会社で社会保険に加入している
契約社員 会社で社会保険に加入している
パート・アルバイト 会社で社会保険に加入している
休職中で在籍している人 会社の健康保険を継続して利用できる
退職して任意継続を選んだ人 以前の会社の保険を継続 保険料の支払い方法
退職して国民健康保険に入った人 市区町村の保険に加入 加入手続きと保険料
家族の扶養に入った人 家族の健康保険を利用 扶養認定の手続き
産前産後・育児休業の人 制度により扱いが異なる 加入している保険の確認

保険証が手元にない期間を不安に感じることもあるかもしれません。まずは、ご自身がどの制度に加入する予定か、あるいは加入しているかを確認してください。

もし、急に医療機関を受診する必要が生じた場合は、加入予定の保険者や自治体の窓口へ相談することをおすすめします。窓口では、一時的な証明書の発行などの対応について案内を受けられる場合があります。

国民健康保険への加入後は、資格情報が反映されたマイナ保険証または交付された「資格確認書」により、窓口で保険診療を受けられます。資格確認書は、マイナ保険証を保有していない方には当分の間、原則として申請によらず交付されます。

また、任意継続被保険者として手続きを進めている最中であれば、以前の健康保険組合へ連絡し、受診方法を確認してください。資格反映後のマイナ保険証や、資格確認書による対応が可能な場合があります。

窓口での支払いが全額負担(10割負担)となった場合でも、後日、加入先の保険者へ「療養費の支給申請」を行い、認められれば保険給付分が払い戻されます。

ただし、申請には領収書や診療明細書が必要となるため、必ず保管しておきましょう。

手続きの遅れにより、保険料の徴収タイミングや受給できるサービスが変わる可能性もあります。不明な点は、加入先の健康保険組合、協会けんぽ、または市区町村の保険年金課へ早めに問い合わせてください。

書類が届かないときや困ったときの相談先

手続きを進める中で、会社から書類が届かない、あるいは手続きの方法がわからないといった場面に直面することがあります。状況によって、相談すべき窓口は異なります。

会社とのやり取りで困っている場合

退職後の書類が届かないときは、まずは退職した会社へ連絡してください。離職票は会社の離職手続き後に交付されますが、雇用保険被保険者証は本来、資格取得時に本人へ交付される書類です。

会社が書類の作成や送付を忘れている場合、改めて発行を依頼する必要があります。ただし、会社が倒産している場合などは、ハローワークが書類の発行を代行できるケースもあります。

会社が対応に応じない、あるいは未払いの給与や退職金について争いがある場合は、労働基準監督署の相談窓口へ相談してください。労働基準監督署は、法令違反の有無を調査する機関です。

なお、会社との間で法的な交渉が必要な場合は、弁護士へ相談してください。ここでは、会社との交渉を代行する権限はありません。また、労働組合に加入している場合は、組合へ相談することも検討してください。

行政の窓口で困っている場合

保険証の切り替えや失業保険の手続きなど、行政の手続きについて不明な点があるときは、それぞれの管轄窓口へ相談してください。窓口によって対応できる内容が異なります。

失業保険の受給資格や申請方法については、お住まいの地域を管轄するハローワークへ相談してください。受給要件の確認だけでなく、離職票の不備に関する相談も受け付けています。

国民健康保険や住民税の手続きについては、市区町村の役所へ相談してください。健康保険の加入状況や、保険料の支払い方法、減免制度の有無について確認できます。

ただし、自治体により窓口が分かれている場合があります。

年金の手続きや、国民年金への切り替えについて不明な点があるときは、お近くの年金事務所へ相談してください。年金事務所では、加入手続きや未納に関する相談が可能です。

窓口では、現在の状況に応じた具体的な手続きの流れを案内してもらえます。書類の不備や、手続きの進み具合について確認したいときも、各窓口が相談先となります。

退職後の手続きに関するよくある勘違い

退職してすぐに失業保険(基本手当)をもらえますか

退職後すぐに受け取れるわけではありません。
離職後にハローワークで求職の申し込みを行い、失業状態が一定期間続くことが必要です。

受給要件や、受給資格決定日から失業状態が通算7日間続く待期期間の詳細は、管轄のハローワークで確認してください。
ただし、離職理由によって受給開始時期が異なる場合があります。

会社から離職票が届かない場合、自分でハローワークへ行って手続きできますか

離職票が届かなくても、原則として離職日の翌日から12日目以降は、ハローワークで仮手続きができる場合があります。
離職票は、会社が雇用保険の資格喪失手続きを行った後に発行される書類です。

まずは会社へ、離職票の作成状況や送付予定日を確認してください。
万が一、会社が発行を拒んだ場合は、ハローワークへ相談してください。

健康保険の切り替えを忘れて、期限を過ぎてしまいました

期限を過ぎても、新しい保険への加入手続き自体ができなくなるわけではありません。
ただし、手続きが遅れた期間は、医療機関での支払いが全額自己負担になることがあります。

後から精算できる仕組みもありますが、領収書などの保管が必要です。
手続きには時間がかかるため、早めに市区町村の窓口へ相談してください。

退職後の社会保険料は、支払わなくてよくなりますか

退職後も公的医療保険への加入が必要で、20歳以上60歳未満の方は原則として公的年金にも加入しますが、被扶養者や国民年金第3号被保険者には保険料負担がありません。
退職により会社の保険を脱退した後は、国民健康保険・任意継続・家族の扶養などへの切り替えが必要です。

加入した制度に基づき、保険料の支払いが求められます。
例えば、厚生年金保険料率は 18.3% ですが、退職後は状況により国民年金の第1号または第3号へ切り替わります。

退職後の手続きが14日を過ぎたときの対応

国民健康保険や国民年金の届出期限である14日以内を過ぎても、手続きができなくなるわけではありません。放置せず、必要書類がそろっていなくても、まず住民票のある市区町村の国民健康保険・国民年金窓口へ連絡してください。郵送やオンラインで受け付ける手続きもありますが、対応方法や必要書類は自治体によって異なります。

国民健康保険へ加入する人は、原則として退職日の翌日など、勤務先の健康保険を喪失した日にさかのぼって資格を取得します。そのため、届出が遅れても、保険料は届出日以後だけではなく、本来加入すべきだった期間について請求されます。また、やむを得ない理由なく届出が遅れた場合、届出前に受けた診療について保険給付を受けられないことがあります。

参考:国民健康保険とは|大阪市

窓口へは、健康保険資格喪失証明書、本人確認書類、マイナンバーを確認できる書類などを用意します。資格喪失証明書が届いていないときは、退職した会社や以前の健康保険者へ発行を依頼し、その到着を待つべきか、先に相談や仮受付ができるかを自治体へ確認しましょう。

国民年金についても、退職後に厚生年金へ加入せず、配偶者の扶養にも入らない期間がある人は、第1号被保険者への切替えが必要です。期限後は、市区町村または年金事務所へ速やかに届出をしてください。資格は退職後の該当日にさかのぼって確認され、その期間の保険料を納める必要があります。支払いが難しい場合は、未納のままにせず、退職による特例を含む免除・納付猶予を同時に相談してください。

参考:会社を退職したときの国民年金の手続き|日本年金機構


参考:国民年金の加入、保険料免除・納付猶予制度のご案内|日本年金機構

なお、任意継続を希望する場合の申出期限は20日以内であり、国民健康保険の届出とは扱いが異なります。期限を過ぎてから選び直せるとは限らないため、加入していた健康保険者へ直ちに確認してください。

まとめ

退職後の手続きについて、大切なポイントを振り返ります。

  • 健康保険や年金の資格を失うと、国民健康保険や国民年金などへの加入が必要です。
  • 保険証がない状態で受診すると、窓口での支払いが全額自己負担になる場合があります。
  • 後から精算できる仕組みもありますが、領収書の保管と手続きが必要です。
  • 離職票などの書類は、会社が雇用保険の資格喪失手続きを行った後に届く仕組みです。
  • 書類が届かない場合は、まずは退職した会社へ作成状況を確認しましょう。
  • 失業保険の受給要件や手続きは、管轄のハローワークへ相談してください。
  • ただし、受給条件は自己都合か会社都合かによって異なる場合があります。

手続きの進め方や、必要となる書類の詳細は退職の手続きガイドにまとめています。

また、ご自身の状況に合わせた具体的な計算については失業保険の計算ツールも活用してください。

この記事の根拠(本文内3か所・台帳3項目・一次資料6件)

この記事の編集責任者

JPSM INTERNET SERVICE 代表

小笠原 治輝おがさわら はるき

休職から退職までの手続きを自分で経験しました。傷病手当金の申請、雇用保険の受給期間延長、健康保険と年金の切り替えを実際に進めた経験があります。記事は、厚生労働省・e-Gov法令検索・ハローワークの一次情報と突き合わせて確認しています。