育休後の退職で失業手当をもらう手順と期限

育休後に退職して失業手当を受け取るための手順と期限

育休を終えて退職した人が、失業手当(基本手当)を受け取るための具体的な流れを解説します。離職票の受け取りからハローワークでの手続き、給付までのスケジュールを確認して、受給の準備を進めましょう。

  • 離職票を会社から受け取る
  • ハローワークで求職の申し込みをする
  • 待期期間を経て失業の認定を受ける
  • 認定日から数日後に振込が行われる

最終更新: / 出典: 厚生労働省

育休後に退職して失業手当をもらうまでの流れ

育休後に退職して基本手当を受け取るには、すぐに就職できる状態で求職活動を行うことなどの受給要件を満たし、手続きを進める必要があります。手続きの進め方は、退職の理由によって変わるため、事前の確認が要ります。

受給までの主な流れは、次の5つの工程です。

  1. 会社から離職票(退職したことを証明する書類)を受け取る
  2. ハローワークへ求職の申し込みをする
  3. 待期期間(ハローワークで手続きをした後、最初の7日間)を過ごす
  4. 失業の状態であることを確認する
  5. 基本手当の受給を開始する

離職票は、ハローワークが発行し、原則として退職した会社を経由して本人へ交付されます。ただし、会社の手続き状況によっては到着が遅れる場合があるため、注意が必要です。

ハローワークで受給資格の決定を受けた日から、7日 の待期期間が始まります。この期間中は、求職活動を行っていても基本手当は支給されません。

待期期間終了後は、定期的にハローワークへ足を運び、失業の状態にあることを証明する「失業の認定」を受ける必要があります。認定の間隔は、原則として 4週間 です。

会社の都合なら、待つのは7日だけ待期7日会社都合基本手当が出る自己都合1か月基本手当が出るくり返し3か月茶色は出ない期間、青緑は出る期目もりは実際の日数どおりですそのあと認定日5営業日4週間後
退職の理由でどれだけ待つかが変わる制度の適用時点:令和8年8月1日/確認日:2026-08-10/出典:厚生労働省

図からわかるように、離職理由によって、手当が受け取れるまでの期間が異なります。

受給が始まるタイミングは、離職理由による給付制限の有無で変わります。給付制限とは、一定期間、手当の支給が待たされる仕組みのことです。

  • 離職理由にかかわらず、共通して 7日 の待期期間があります
  • 自己都合退職の場合、原則として 1か月 の給付制限がかかります
  • 直前5年間に正当な理由のない自己都合退職が2回以上ある場合は、3か月 の給付制限がかかります

ただし、離職理由が「特定理由離職者」などに該当する場合は、給付制限が適用されないケースもあります。ご自身の状況が該当するか、ハローワークの窓口で確認しましょう。

なお、基本手当には受給できる期間が決まっています。原則として、離職日の翌日から 1年 です。この期間を過ぎると、支給残日数があっても受け取れません。

ただし、妊娠・出産・育児などの理由で30日以上職業に就けないときは、その日数を加算できます。加算後の期間は、最長で 4年 まで延長可能です。

ただし、延長は自動ではないため、公共職業安定所長への申し出が必要です。

参考:ハローワークインターネットサービス|雇用保険の具体的な手続き|厚生労働省

手続きを忘れないための期限とスケジュール

基本手当を受け取るには、期限内に手続きを行う必要があります。期限を過ぎると、支給されるはずの日数が残っていても受け取れなくなるため注意が必要です。

基本手当の受給期間と再就職手当の要件
項目 内容 備考
受給期間 離職日の翌日から原則 1年 要件を満たせば延長が可能
延長後の上限 4年 自動では延長されません
再就職手当の要件 支給残日数が所定給付日数の 3分の1以上 安定した職業への就職が必要です

(もとにした一次情報と確認日:厚生労働省、2026-08-23確認)

基本手当の受給期間は、離職日の翌日から起算して 1年 です。この期間を過ぎると、所定の給付日数が残っていても支給されません。

妊娠や出産、3歳未満の子の育児などの理由で、引き続き30日以上職業に就けないときは、受給期間を延長できる場合があります。延長後の期間は、最長で 4年 です。

受給期間の延長は自動で行われません。厚生労働省令の定めるところにより、公共職業安定所長に申し出る必要があります。

ただし、60歳以上の定年等の場合は、求職の申込みをしない期間(1年を限度)を合算できる仕組みもあります。

早く再就職が決まった場合に受け取れる再就職手当には、支給残日数の条件があります。基本手当の支給残日数が、所定給付日数の 3分の1以上 であることが要件の1つです。

ただし、再就職手当は、厚生労働省令で定める安定した職業に就いたことや、公共職業安定所長が必要と認めることなどが条件となります。就職日前3年以内の就職について再就職手当または常用就職支度手当を受給した場合など、支給されないケースもあります。

受給にあたっては、ハローワークでの失業認定も欠かせません。認定日は通常 4週間 ごとに設定されます。認定日から振込までの日数は、原則として 5営業日 です。

手続きの詳細は、管轄のハローワークで確認してください。窓口では、ご自身の離職理由や状況に応じた正確なスケジュールを案内してもらえます。

参考:雇用保険の基本手当(失業給付)を受給される皆さまへ[PDF]|厚生労働省

離職票の受け取りから受給開始までの手順

退職後に基本手当の手続きを進めるには、まず会社から離職票を受け取る必要があります。離職票が届いたら、管轄のハローワークへ行く準備を始めます。

離職票が手元に届いた後の流れ

離職票を受け取った後は、ハローワークで求職の申し込みを行います。申し込みが終わると、失業の状態にあることを確認する認定手続きに入ります。

受給資格の決定を受けた日から、まず 7日 の待期期間が設けられます。この期間中は、失業の状態であっても基本手当は支給されません。

認定の手続きは、一定の間隔ごとに行われます。受給までの目安は、次の通りです。

  • 失業の認定の間隔は、おおよそ 4週間です。
  • 認定日から基本手当が振り込まれるまでは、5営業日かかります。
  • 賃金日額の計算において、時給制などの場合は 70%の最低保障の率が用いられることがあります。

基本手当日額には上限額が設定されています。年齢区分によって、7,450円から9,110円まで異なります。

また、基本手当日額には下限額も定められています。賃金日額の計算結果が 3,203円を下回る場合は、基本手当日額は下限額の 2,562円が適用されます。

参考:雇用保険の基本手当(失業給付)を受給される皆さまへ[PDF]|厚生労働省

離職理由によって異なる手続きの進め方

離職票を受け取った後の進め方は、離職理由によって分かれます。離職理由によって、手続きのあとに待つ期間が変わるためです。

自己都合で退職した場合は、原則として 1か月 の給付制限期間があります。ただし、今回の離職日からさかのぼって5年間に、正当な理由のない自己都合退職を2回以上し受給資格決定を受けた場合は、3か月 になります。

一方で、会社都合などの理由で退職した場合は、給付制限がない場合があります。ご自身の離職理由がどちらに該当するかは、離職票の記載内容を確認してください。

なお、離職理由が自己都合であっても、特定の条件を満たす教育訓練等を受ける場合には、給付制限が解除されるケースもあります。詳細は管轄のハローワークへ相談してください。

参考:令和7年4月以降に教育訓練等を受ける場合、給付制限が解除され、基本手当を受給できます|厚生労働省


参考:雇用保険の具体的な手続き|厚生労働省

受給期間の期限と延長について

基本手当の受給期間は、離職日の翌日から原則として 1年 です。この期間を過ぎると、所定給付日数が残っていても支給されません。

ただし、妊娠・出産・育児などの理由で30日以上職業に就けないときは、その日数を加算できます。加算後の受給期間は、最長で 4年 までとなります。

受給期間の延長を希望する場合は、公共職業安定所長へ申し出る必要があります。手続きの詳細は、管轄のハローワークへ確認してください。

参考:雇用保険の基本手当(失業給付)を受給される皆さまへ[PDF]|厚生労働省

いまの状況によって変わる、手続きの進め方

退職後の手続きや、その後の生活の備え方は、現在の立場によって異なります。ご自身の状況が次の表のどこに当てはまるか、確認してください。

現在の立場と手続きの方向性
いまの立場 扱い 次に見るところ
正社員 雇用保険の被保険者 離職票の受取
契約社員 雇用保険の被保険者 離職票の受取
パート・アルバイト 条件を満たせば雇用保険の被保険者 離職票の受取
休職中で在籍している人 雇用保険の被保険者 休職制度の確認
退職して任意継続を選んだ人 健康保険の被保険者 保険料の支払方法
退職して国民健康保険に入った人 国民健康保険の被保険者 保険料の支払方法
家族の扶養に入った人 健康保険の被保険者 扶養認定の手続き
産前産後休業や育児休業の人 雇用保険の被保険者 受給期間の延長

基本手当日額は、退職前の賃金に基づいて決まります。賃金日額から基本手当日額が決まる仕組みは、次の図にまとめています。

給料が高いほど、もらえる割合は下がる1日にもらえる額8,270円2,562円16,540円賃金日額→もし割合が下がらなければ実際の額ここから下がる上限は30〜44歳16,540円から上は増えません
賃金日額から基本手当日額が決まるまで制度の適用時点:令和8年8月1日/確認日:2026-08-10/出典:厚生労働省

基本手当日額には、年齢や賃金に応じた上限と下限があります。下限額は、全年齢で 2,562円 です。

参考:厚生労働省|雇用保険の基本手当(失業給付)を受給される皆さまへ[PDF](令和8年8月1日時点)

賃金日額の計算には、次の数値が使われます。賃金日額の下限額は、全年齢で 3,203円 です。

参考:雇用保険法 第17条(賃金日額)|e-Gov法令検索

賃金日額の上限額は、年齢によって異なります。29歳以下は 14,900円、30〜44歳は 16,540円、45〜59歳は 18,220円、60〜64歳は 17,400円 です。

基本手当日額の上限額も、年齢によって異なります。29歳以下は 7,450円、30〜44歳は 8,270円、45〜59歳は 9,110円、60〜64歳は 7,830円 です。

離職後、3歳未満の子の育児などで引き続き30日以上職業に就けない場合は、受給期間の延長が可能です。延長は自動ではないため、ハローワークへ申し出る必要があります。ただし、加算後の期間は最長で 4年 までとなります。

手続きの進め方や受給額の判定に不安がある場合は、管轄のハローワークへ相談してください。窓口でご自身の状況を伝えることで、適切な案内を受けられます。

参考:雇用保険の基本手当(失業給付)を受給される皆さまへ[PDF]|厚生労働省

手続きがうまくいかないときの相談先

ハローワークの窓口で、離職理由について相談できますか。

はい、相談できます。離職理由の判定は、ハローワークの担当者が判断します。ご自身の状況を正確に伝えるために、離職票や退職に関する書類を準備しておくとスムーズです。

求人サイトを閲覧しただけで、求職活動実績になりますか。

いいえ、閲覧しただけでは実績になりません。求人への応募や、許可を受けた職業紹介事業者による職業相談などが対象です。サイトの登録だけでは実績にならないため、注意が必要です。

退職代行業者に、会社への未払い賃金の請求を頼めますか。

退職代行業者が会社と交渉できるかは、弁護士や労働組合など運営主体によって異なります。未払い賃金について会社との交渉が必要な場合は、弁護士のほか、加入した労働組合が団体交渉を行えることがあります。交渉が必要な場合は、弁護士へ相談してください。

待期期間中にアルバイトをしたら、待期期間はやり直しになりますか。

いいえ、待期期間が最初からやり直しになるわけではありません。原則として1日4時間以上働いた日は、待期の 7日 間に算入されません。失業している日が通算で 7日 に達するまで、待期の満了日が後ろにずれる仕組みです。

自己都合で退職を繰り返すと、給付制限の期間が変わりますか。

はい、正当な理由のない自己都合離職では変わることがあります。離職日前5年間に2回以上、正当な理由のない自己都合離職をして受給資格決定を受けた場合、給付制限の期間が 3か月 になります。判定の詳細は、管轄のハローワークで確認してください。

受給期間を過ぎてしまったら、もうもらえませんか。

原則として、離職日の翌日から 1年 を過ぎると支給されません。ただし、妊娠・出産・育児などの理由で30日以上働けない場合は、その日数を加算できます。加算後の上限は 4年 です。

ただし、延長にはハローワークへの申し出が必要です。

再就職手当は、早く就職すれば必ずもらえますか。

必ずもらえるわけではありません。基本手当の支給残日数が 3分の1以上であることなどが要件となります。また、厚生労働省令で定める安定した職業に就く必要があります。

就職日前3年以内の就職について再就職手当または常用就職支度手当を受給した場合は、支給されません。

失業認定日の振込はいつ頃になりますか。

認定日から振込までの日数は、通常 5営業日 程度です。ただし、金融機関の休業日や、ハローワークの事務処理状況によって前後する場合があります。

認定の間隔について教えてください。

失業の認定は、原則として 4週間 ごとに行われます。認定を受ける際は、指定された日時にハローワークへ行くか、指示された方法で手続きを行う必要があります。

参考:雇用保険の基本手当(失業給付)を受給される皆さまへ[PDF]|厚生労働省

まとめ

育休後の退職と、その後の基本手当の手続きについて、大切な点をまとめました。

  • 基本手当の受給期間は、離職日の翌日から原則として 1年 です。
  • 妊娠や出産などで30日以上働けない場合は、受給期間を 4年 まで延長できる場合があります。ただし、自動ではないためハローワークへの申し出が必要です。
  • 自己都合による離職の場合、給付制限は原則 1か月 です。ただし、離職日前5年間に2回以上の正当な理由のない自己都合退職がある場合は、制限が 3か月 になります。
  • 待期期間の 7日 間に原則1日4時間以上就労した場合は、待期の満了日が後ろにずれる仕組みです。

手続きの進め方や、離職後の生活設計については、失業手当の仕組み各種手続きの解説もあわせて確認してください。

手続きの前に、ハローワークなどの公式な最新情報を確かめる必要があります。

この記事の根拠(本文内57か所・台帳19項目・一次資料4件)

制度の数値(台帳から出しています)

一次資料

数値は一次情報で確かめてから台帳に入れています(情報源について)。リンク先の内容が変わっているのを見つけたら訂正の受付までお知らせください。

この記事の編集責任者

JPSM INTERNET SERVICE 代表

小笠原 治輝おがさわら はるき

休職から退職までの手続きを自分で経験しました。傷病手当金の申請、雇用保険の受給期間延長、健康保険と年金の切り替えを実際に進めた経験があります。記事は、厚生労働省・e-Gov法令検索・ハローワークの一次情報と突き合わせて確認しています。